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私は物心が付く前に施設に入れられたから両親のことは何一つ知らない。だけど園長先生が親同然だし、現在は私が一番年上で施設の子供たちとも楽しく過ごしているから寂しくなかった。
特技と言えば園長先生が若い頃は和洋中問わず作れる料理人で、施設の隣が薙刀道場だから、私はどちらも積極的に習ったおかげで、中学生になったときは両方ともお墨付きをもらえる腕前になっていた。
だけど楽しみなことも一つある。
「DVDありがとね。面白かった!」
「どういたしまして」
学校に登校して私は借りたDVDを友達に返した。ジャンプに連載されてアニメにもなった『トリコ』が私の一番好きな作品。食材の大切さとキャラの戦いに見惚れてしまった。
「瑞貴も料理が得意からさ、トリコの世界にいたら料理人になれたかもね。園長先生からもらった包丁があるんでしょ?」
「プロには興味ないよ。私は料理するのが楽しいだけ。でも美食屋として冒険するのも楽しそう」
私が十歳の誕生日に園長先生から私専用の包丁をもらった。今では料理するときに不可欠な私の相棒。さすがに薙刀は道場の練習用を借りているけどね。
――今日も放課後に薙刀道場に行って稽古が終わり、帰り支度を済ませたんだけど……。
「瑞貴ちゃん。今日はこの道場の家宝を見ていかない?」
「いいんですか!?」
「古いけど、私は趣があって面白いと思うから」
先生が道場から離れた部屋に案内してくれた。そこには四神が描かれている掛け軸と、下には薙刀が飾ってある。
「私の先祖が『四神の力が宿ってる』って言われて中国商人からもらったの。今まで何人の人が触れたり鑑定士に見てもらったりしたけど、ただの木で作った薙刀だって」
なんだろう……? 先生はそう言うけど、私の中に何かが惹かれる気がする……。
「まあ、タダでもらったから損はしてないけど、得もしてないのよね」
「へぇ~」
「――先生! ちょっと来ていただけませんかー!?」
「はーい! ちょっと出るわ。今日の稽古は終わったし気の済むまで見ていいから」
「ありがとうございます!」
特技と言えば園長先生が若い頃は和洋中問わず作れる料理人で、施設の隣が薙刀道場だから、私はどちらも積極的に習ったおかげで、中学生になったときは両方ともお墨付きをもらえる腕前になっていた。
だけど楽しみなことも一つある。
「DVDありがとね。面白かった!」
「どういたしまして」
学校に登校して私は借りたDVDを友達に返した。ジャンプに連載されてアニメにもなった『トリコ』が私の一番好きな作品。食材の大切さとキャラの戦いに見惚れてしまった。
「瑞貴も料理が得意からさ、トリコの世界にいたら料理人になれたかもね。園長先生からもらった包丁があるんでしょ?」
「プロには興味ないよ。私は料理するのが楽しいだけ。でも美食屋として冒険するのも楽しそう」
私が十歳の誕生日に園長先生から私専用の包丁をもらった。今では料理するときに不可欠な私の相棒。さすがに薙刀は道場の練習用を借りているけどね。
――今日も放課後に薙刀道場に行って稽古が終わり、帰り支度を済ませたんだけど……。
「瑞貴ちゃん。今日はこの道場の家宝を見ていかない?」
「いいんですか!?」
「古いけど、私は趣があって面白いと思うから」
先生が道場から離れた部屋に案内してくれた。そこには四神が描かれている掛け軸と、下には薙刀が飾ってある。
「私の先祖が『四神の力が宿ってる』って言われて中国商人からもらったの。今まで何人の人が触れたり鑑定士に見てもらったりしたけど、ただの木で作った薙刀だって」
なんだろう……? 先生はそう言うけど、私の中に何かが惹かれる気がする……。
「まあ、タダでもらったから損はしてないけど、得もしてないのよね」
「へぇ~」
「――先生! ちょっと来ていただけませんかー!?」
「はーい! ちょっと出るわ。今日の稽古は終わったし気の済むまで見ていいから」
「ありがとうございます!」