驚異の助っ人登場! パートナーの真の意味!
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「み、瑞貴……?」
「…………」
恐る恐るトリコが私を呼んだ。グルメ界では環境適応能力を充分に発揮しているから、私は人間界と変わらず自由自在に動ける。
さらに自分の意思で白虎に変わったから、倒れることもなくすぐに意識を取り戻していた。そして――。
「こんの……」
「えっ?」
ドカアッ!!
「ドアホ――ッ!!」
「ぐほっ!?」
さっき次郎さんに言われたにも関わらず白虎から私に戻ったことで油断したのか、トリコは私の飛び蹴りを思いっきりくらって吹っ飛ぶと木にぶつかった。だけど私はそれに構うことなく、トリコに近づくと胸倉をつかんだ。
「あんた! 私がどんだけグルメ界に行くなって言ったかわかってる!?」
「あっ、いや、その……」
「たかだか巨大な鉄鉱石を砕けたからって調子に乗んな! あんなの砕ける猛獣はグルメ界に何百頭もおるわ!」
「ウッ!」
「スカイプラントの環境でわかったでしょ! グルメ界は人間界では想像のつかない環境がたくさんあるんだよ! 猛獣の強さだって捕獲レベル100を軽く超えるのだっている!」
「グッ!」
「どんだけ心配かけたと思ってんだ! このお調子者! バカ! アホ! ヒヨッ子! 大食い野郎!」
「――瑞貴ちゃん、そのくらいにしておけ。トリコくんは気絶しとるぞ」
「えっ? あっ……」
次郎さんに止められて我に返りトリコの顔を見ると、胸倉をつかんだあと揺さぶりながら言ったせいか目を回していた。けど……グルメ界をナメて私たちを心配させた罰だ!
「起きろ――っ!!」
パンパンパンパン!
「ぐおおぉぉおおお!」
「ハッハッハッハッ、仲がいいのう」
ビンタを何回もくらわせたのでトリコは意識を取り戻した。その代わり頬は結構腫れているけど、私は胸倉を離してパンパンと手を払った。
壺焼きにしていたハム貝が焼けたのか、次郎さんは一つ取って爪楊枝で中身をほじくっている。
「トリコくん。今のお主では――グルメ界は攻略できんのう。若い頃はわしもそうじゃった。『全部一人でやろう』と『一人でできる』と思っとった。しかし、グルメ界はそんな単純な世界ではない」
ハム貝の中身を取り出して食べる次郎さんは、トリコにこれからのことを忠告する。
「トリコくん。今のお主に足りないモノは、力ではない。仲間を…パートナーを…小松くんと瑞貴ちゃんを信じ…頼る…素直な心じゃよ」
「っ! 小松を……!」
『トリコさん!』
『待ってくださいよ、トリコさーん!』
『僕、トリコさんとコンビが組めてホントに嬉しいです!』
……脳裏に浮かぶのはいつも笑顔で、どんなに危険だろうが自分の旅に付いて来てくれた小松。そして隣を見ると目が合ったせいか、瑞貴はそっぽを向いた。
『トリコ!』
『ちったあ同行者のことを信じなさい!』
『よかった……生きててくれて……』
……初めてこんなにも好きになった守りたい存在であり、心配だからと危険なグルメ界まで来てくれた瑞貴。二人を守らないといけないと思ったせいか、頼る心をいつの間にか忘れていた。
「小松……。瑞貴……」
「今回わしにトリコくんの助けを依頼したのは他でもない。小松くんなんじゃよ」
「私にも連絡をくれたのも、小松さんなの。かなり切羽詰まって誰からの情報かも教えてくれた」
涙声だから一言一句聞き取るのは大変だったけど、それほどトリコを心配しているのだと声だけで伝わった。正直、コンビ組んで早々に解散する気かと思ったけどね。
「…………」
恐る恐るトリコが私を呼んだ。グルメ界では環境適応能力を充分に発揮しているから、私は人間界と変わらず自由自在に動ける。
さらに自分の意思で白虎に変わったから、倒れることもなくすぐに意識を取り戻していた。そして――。
「こんの……」
「えっ?」
ドカアッ!!
「ドアホ――ッ!!」
「ぐほっ!?」
さっき次郎さんに言われたにも関わらず白虎から私に戻ったことで油断したのか、トリコは私の飛び蹴りを思いっきりくらって吹っ飛ぶと木にぶつかった。だけど私はそれに構うことなく、トリコに近づくと胸倉をつかんだ。
「あんた! 私がどんだけグルメ界に行くなって言ったかわかってる!?」
「あっ、いや、その……」
「たかだか巨大な鉄鉱石を砕けたからって調子に乗んな! あんなの砕ける猛獣はグルメ界に何百頭もおるわ!」
「ウッ!」
「スカイプラントの環境でわかったでしょ! グルメ界は人間界では想像のつかない環境がたくさんあるんだよ! 猛獣の強さだって捕獲レベル100を軽く超えるのだっている!」
「グッ!」
「どんだけ心配かけたと思ってんだ! このお調子者! バカ! アホ! ヒヨッ子! 大食い野郎!」
「――瑞貴ちゃん、そのくらいにしておけ。トリコくんは気絶しとるぞ」
「えっ? あっ……」
次郎さんに止められて我に返りトリコの顔を見ると、胸倉をつかんだあと揺さぶりながら言ったせいか目を回していた。けど……グルメ界をナメて私たちを心配させた罰だ!
「起きろ――っ!!」
パンパンパンパン!
「ぐおおぉぉおおお!」
「ハッハッハッハッ、仲がいいのう」
ビンタを何回もくらわせたのでトリコは意識を取り戻した。その代わり頬は結構腫れているけど、私は胸倉を離してパンパンと手を払った。
壺焼きにしていたハム貝が焼けたのか、次郎さんは一つ取って爪楊枝で中身をほじくっている。
「トリコくん。今のお主では――グルメ界は攻略できんのう。若い頃はわしもそうじゃった。『全部一人でやろう』と『一人でできる』と思っとった。しかし、グルメ界はそんな単純な世界ではない」
ハム貝の中身を取り出して食べる次郎さんは、トリコにこれからのことを忠告する。
「トリコくん。今のお主に足りないモノは、力ではない。仲間を…パートナーを…小松くんと瑞貴ちゃんを信じ…頼る…素直な心じゃよ」
「っ! 小松を……!」
『トリコさん!』
『待ってくださいよ、トリコさーん!』
『僕、トリコさんとコンビが組めてホントに嬉しいです!』
……脳裏に浮かぶのはいつも笑顔で、どんなに危険だろうが自分の旅に付いて来てくれた小松。そして隣を見ると目が合ったせいか、瑞貴はそっぽを向いた。
『トリコ!』
『ちったあ同行者のことを信じなさい!』
『よかった……生きててくれて……』
……初めてこんなにも好きになった守りたい存在であり、心配だからと危険なグルメ界まで来てくれた瑞貴。二人を守らないといけないと思ったせいか、頼る心をいつの間にか忘れていた。
「小松……。瑞貴……」
「今回わしにトリコくんの助けを依頼したのは他でもない。小松くんなんじゃよ」
「私にも連絡をくれたのも、小松さんなの。かなり切羽詰まって誰からの情報かも教えてくれた」
涙声だから一言一句聞き取るのは大変だったけど、それほどトリコを心配しているのだと声だけで伝わった。正直、コンビ組んで早々に解散する気かと思ったけどね。