衝撃の出会い! 謎の生物現る!
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
☆☆☆☆☆
……IGOの第1ビオトープの格納庫。サニーがヘリの整備を待っている間、リンが例の如くトリコの元へ連れて行けと言い出した。
「悪いが、妹のおもりしてる暇なんてねーから!」
「ねぇ。ホントに知らないの、お兄ちゃん? トリコの居場所!」
「ん、んんっ。奴のおもりもしてねーし。ったく、トリコトリコってキモい質問ばっか!」
「何よ! ウチはただ、トリコが今どこにいるか知りたいだけだしー!」
「そのリアクション、キモ過ぎ」
「ん?」
顔を赤らめるリンをサニーが一刀両断した。当然聞こえていたリンは顔をしかめる。
「もし瑞貴の居場所を知っても、お兄ちゃんには絶対教えないし!」
「ハアッ!? そこは妹として教えろよ! 兄の恋を応援するし!」
「ならトリコの居場所を教えるし!」
「知るか!」
「何よ、お兄ちゃんのケチ! ドケチドケチドケチー!」
「キモッ! お前、ちょーキモキモキモー!」
「「なんだあれ……?」」
お互い「ドケチ」と「キモい」を繰り返して言い争っている。妙な兄弟ゲンカに従業員たちは、いつぞやのときみたいに呆気にとられていた。
「あっ。ヘリ準備オッケーだし?」
「「整備、完了しました!」」
リンが尋ねると従業員たちは姿勢を正して伝えた。それを知ったサニーは先ほど言い争いをしていたとは思えないくらい、静かな雰囲気をまとっていた。
「じゃあな」
「あっ。じゃあ、あたしもー!」
…………。
「ハアッ!?」
「めっちゃいい美白とかヘアケアとかしに行くに決まってるし。一人だけズルいしー」
サニーはまさか付いて来るとは思わず驚いたが、構わず一人で乗り込んだ。窓ガラスにリンは手を当てて中に聞こえるよう叫ぶ。
「トリコも瑞貴も行くの? ねぇ、お兄ちゃん!」
「誰も行かねー。――ここからは俺一人だ」
「…………!」
その真剣な顔にリンは何かを感じ取ってヘリから離れた。サニーはキーをセットしてエンジンを点けると、これから向かう修業場へ覚悟して飛び立った。
「……たまには、妹らしいことしてみるし」
去って行った兄を見て、いつの日か労おうとリンは思った。