発見! 野菜の王様オゾン草!
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突然ライトニングフェニックスがどこかに行っちゃって、一人寂しく待っている私。時間もだいぶ経ったし最悪な展開も頭に入って顔をうつむけていた。
「トリコ……小松さん……」
バッ!
「――出られた!」
「――ま、眩しい!」
「!」
待ち望んでいた二人の声に私は顔を上げた。雲の中からジャンプしてきたトリコ、その背には小松さん。無事な二人の姿を見れたことに嬉しくなって涙目になってしまう。
「小松、見てみろよ!」
「ウウッ……!」
小松さんも目を開けたことを確認した私は、大きく両腕を振って大声も上げた。
「トリコ――ッ!! 小松さ――ん!!」
「待たせたな、瑞貴!!」
「瑞貴さ――ん!!」
片手を上げるトリコ、大きく片腕を振ってくれる小松さん……本当に二人が着いたんだ!
私は感極まって蔓の上に着地したトリコに抱きついた。いきなりだったから多少よろけたけど、しっかり私を抱き止めてくれて嬉しい。
「トリコー! 小松さーん! 二人共よかったー!」
「心配かけたな。でも、これでお前は修業を達成できたな」
「うん……うん……!」
トリコに頭を撫でられながら私は頷いた。『信じて待つ』ってことは何よりも怖い、でも何よりもかけがえないものだ。それに応えてくれる仲間がいるから絆ができるんだね。
「瑞貴さんはもうこの先に?」
「ううん。二人が来てから一緒に行こうって思ってたから、ずっとここで待機していたの」
「なら、今度は三人で行こうぜ」
小松さんの問いに答えると、トリコは奥にある緑の大地に顔を向けたので私たちも同じ方向を見た。
「ここに天空の野菜畑・ベジタブルスカイが……!」
そして間を開けて雲の上に出ている蔓を飛び越えて行くと、大地の目の前で驚くことを目にする。
「見てみろ、瑞貴、小松。信じられん……完全に草が空に根を生やしてる!」
「深く豊かな土壌の香り……本当に大地が空にあるみたい!」
「乗ってみるぞ」
「うん」
「だ、大丈夫ですか?」
ソーッと草の上に足を乗せると、あまりの柔らかさに体がふらつくも完全に草の上に乗っていた。
「スッゲー! 雲に乗れたぞ!」
「小松さんも降りてみて!」
トリコと縛っていた紐を解き、小松さんは足を先に着けたものの腰を落としてしまった。だけどクッションのように柔らかいから傷一つない。
「小松さん、大丈夫?」
「ハハッ、どうした? まだ恐怖で腰が抜けてるか?」
「そりゃあ、あの雲の中を抜けたんですよ。あれだけの恐怖、そう簡単に忘れられませんよ」
ヘルメットとゴーグルと酸素マスクを脱いだ小松さんは……なんと皺がたくさんあって、まるでおじいちゃんのような顔をしていた。