発見! 野菜の王様オゾン草!
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ピッシャ――ンッ!!
すると目の前に雷が落ちた。あと少し先に行っていたら直撃していただろう。衝撃のせいかトリコは腰を落としてしまった。
「あっぶねぇ……!」
「トリコさーん! もうダメですよー!」
「ああ?」
「これ以上進むのは危険です! 死にに行くようなモンですよ~!」
「落ち着け、小松! 相手は自然……決して敵じゃねぇ。落ち着いて対処すれば必ず切り抜けられる!」
「うっ、ううっ……」
トリコがそう説明しても小松は涙目になって震えていた。美食會のような敵とは違い天候に恐怖している。しかしトリコは――。
「それに、一つ言っとくが――俺たちは死にに行くんじゃねぇ。食うために……生きるために進んでんだ! ここでリタイアしちまったら――頂上で待っている瑞貴にどう言い訳するつもりだよ」
「っ!」
その言葉で小松は目を見開くと落ち着きを取り戻したようだ。食材の調達――それは生きるために必要だから向かうこと。そして瑞貴が待っているのはトリコだけじゃない、自分もなのだと。
☆☆☆☆☆
ライトニングフェニックスのおかげで頂上に辿り着いた私は雲の上に湧き出る蔓に乗り、奥にある緑の大地を眺めると次いで下に広がる積乱雲を見て眉をしかめた。
「ただでさえ酸素濃度が低いのに、稲妻が轟き始めた……」
あの中は雨と風だけじゃなく積乱雲の厚さで暗くなっている。暗闇でもハッキリ見える視力を持ち第六感が優れている私はスカイプラントを無事に伝って着いた。あとはトリコと小松さんなんだけど……。
「この先にあるベジタブルスカイ――行くなら三人で行きたい。だから絶対に来て! トリコ! 小松さん!」
〈…………〉
……必死に祈る瑞貴の姿は、長年付き合っていたライトニングフェニックスでも見たことがなかった。それを見て何を思ったのか、翼を大きく広げた。
〈アオオォォオオオ!!〉
☆☆☆☆☆
……積乱雲の中に突入したトリコと小松。しかし瑞貴が危惧していた通り、暗い上に雨風が強く思うように動けない。
「暗くて見えねぇ……! 匂いで確認しながら進むしか――」
ビュオォォオオオ――!
「「う、うわあぁぁあああ!」」
強風のせいでトリコと小松は飛ばされる。一度は運よく蔓に叩きつけられたが、突如轟いた雷を葉で防御しようにも効かずスカイプラントから投げ出された。
(想像以上のエネルギーだ……! ヤバい…意識が……!)
ブチッ!
意識を失おうとする中、自分と小松を縛っていた紐が一部切れたことに気づき、トリコは目を見開いた。