発見! 野菜の王様オゾン草!
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現在、積乱雲が地面に叩きつけるマイナス50度の空気の塊――ダウンバーストが発生している。でも私は全然平気だった。
「さすが積乱雲の中に住んでいる雷鳥だね。ダウンバーストなんて苦じゃないよ」
〈アオオッ!〉
もともと環境適応能力で寒いとしか感じない私はダウンバーストなんて平気で進めるけど、今はライトニングフェニックスに守られていた。
スカイプラントを見たとき積乱雲が発生しやすい場所だとわかった。もしかしたら会えるんじゃないかと思ったけどドンピシャ――ハントを手伝ってくれる空の友達に出会えたのだ。
「…………」
〈アオッ?〉
「ん? ああ、今仲間と一緒に来ているんだ。ちょっと、はぐれてしまったけど頂上で会おうって約束したし……トリコと小松さんなら、絶対に上で会えるって思うんだ」
下を気にしている私に声をかけてくれたライトニングフェニックス。これはトリコの修業と同時に確認でもある。そして私は修業――仲間を最後まで信じるということを成し遂げなくちゃね!
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……瑞貴同様にトリコと小松がいる場所も、同じくダウンバーストに見舞っていた。
「トリコさーん!」
「シバリング!!」
アイスヘルのときのように、シバリングで肌が赤くなるまで体を震わせる。しかしこれは同時に弱点でもあり、トリコは片膝を付いた。
「クッ……! さすがに、シバリングは体力を消耗するな……。この場所の寒さも地上の半分以下……体力の消耗を抑えねぇと……!」
『お前はこれからもっと体を――いや、細胞を様々な環境に瞬時に適応できるようにせねばならん!』
『瑞貴ちゃんはある意味お手本になっとるぞ』
「そうだよな……!」
脳裏に浮かんだ一龍の言葉を思い出し、トリコはシバリングをやめたのか肌が元の色に戻ってきた。そして少しでも先に行くため四つん這いになって進む。
(環境に反発するんじゃなく、従い、委ね、順応する……! これが瑞貴がお手本になるって意味だったのか……!)
環境適応能力を持つ瑞貴は自然に逆らおうとしない。歯向かおうとせず味方にしている。
例えばシバリングは一種の自己防衛だが、能力を持つ瑞貴は震えることはなかった。それは即ち大波に抵抗するのではなく、流れに身を任せるサーフィンのようなものだ。
(なるべく肺の中の酸素量を保ちつつ、血中の酸素レベルを安定させる……!)
冷たい大風が吹く中、トリコは白い息を吐きながら進んでいたが突然風がやんだ。
「治まった?」
小松も不思議に思ったそのとき――積乱雲の中から氷の塊が降ってスカイプラントに直撃してきた。
「今度はなんですかー!?」
「雹だ! ナイフ!!」
トリコは自分たちに落ちて来る雹をナイフで真っ二つにしたが、その大きさは尋常じゃなかった。
「デ、デカ過ぎますー!」
「しっかり捕まってろよ!」
「えっ!?」
「一気に抜けるぞ!」
「えっ!? ちょちょ、トリコさん!?」
雹の中を脱出するため走り出したトリコだが、なんの身構えもしていなかった小松はトリコと体を縛られているので、涙目になってされるがままだった。