天空の野菜畑・ベジタブルスカイ!
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翌日。ここからは今まで以上に危険なのでトリコは小松さんを背負うと、紐で自分と小松さんが離れないようにしっかり縛った。
「いいんですか? トリコさん」
「こっから先は任せな。修業の時間だ」
「修業?」
「お前はなるべく休んでな。現れる猛獣のレベルはさほど高くない。敵はこの標高の高さだと思え」
「でも、瑞貴さんが……」
「私のことは気にしないで。ここからは別行動になるから」
「えっ!? どういうことですか!?」
一龍会長との約束も、トリコとの昨日の会話も、小松さんは何も知らない。だからこそ今告げるべきだ。
「可能な限りは一緒にいると思う。でも、ここは私にとっても修業なんだ。トリコと小松さんのチーム、そして私と分かれるの」
「でも!」
「大丈夫。私は二人を信じているから、小松さんも私を信じて。ねっ」
「は、はい……。って、前見てください! 前! トリコさ――ん!! 瑞貴さ――ん!!」
「あ?」
「おや」
〈グオオォォオオオ!!〉
ふと前を見た小松さんが悲鳴を上げたので私たちも顔を向けると、蔓の間から捕獲レベル40の哺乳獣類・エアゴリラがいた。
「いるじゃねぇか。強ぇ猛獣!」
「エアゴリラより厄介なのがいるけどね」
「ハッ?」
私がエアゴリラだけに目を向けてないからトリコも視線の先を追う。蔓に亀裂が出てそこから牙を持つ猛獣の姿に変わり、隣にいたエアゴリラを食った。
「木の蔓がゴリラを食べた――っ!?」
「こ、こいつは! 邪悪な豆の木!」
「捕獲レベル46の植物獣類……巨大な豆の木に擬態して獲物を待ち構える滑稽な奴だよ」
周りを見れば群れでいたエアゴリラが次々と邪悪な豆の木に食べられていく。私はブレスレットを薙刀に変形させると、トリコに顔を向けた。
「これじゃ、早くも別れそうになるね」
「だが、俺たちの目的はこの先だ。何があっても、そこで会うぞ!」
「うん!」
トリコと頷き合っていたら、邪悪な豆の木が私たちに狙いを定めてきた。
〈シャアァァアアア!!〉
「避けて通れそうにないな! しっかり捕まってろ、小松!」
「は、はいぃ!」
「行くよ!」
次々来る邪悪な豆の木をかわしながらも走って進んで行く。どうしてもかわせない場合は応戦するしかない。
「フライングフォーク!!」
「疾風斬!!」
まだ邪悪な豆の木に食べられていないエアゴリラもいることだし、私たちは邪悪な豆の木とエアゴリラを同時に相手をしていく。
「レッグナイフ!!」
「竜巻乱舞!!」
「すまねぇ! 先に行かせてもらうぜ!」
「トリコ! 足元!」
「なっ!?」
トリコが着地した場所は邪悪な豆の木の顔だった。ジャンプしてよけようにも邪悪な豆の木の蔓が足に絡まって外へと投げ出される。
「ナイフ!!」
「ちょっ、そんなとこでやったら――!」
「「あっ」」
私が止める間もなく、トリコは投げ出されたままナイフで蔓を斬ってしまった。当然……空中で投げ出される形になり、二人はそのまま落下していく。
「しまった!」
「トリコ! 小松さん!」
「先に行け!」
「っ、二人共、必ず来てね! 信じてるから!」
〈キシャアァァアアア!!〉
「ふっ!」
私はどんどん奥へ進んで行く他なかった。トリコ…小松さん……絶対に無事で会おうね!