天空の野菜畑・ベジタブルスカイ!
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「酸素が薄いと体内の消化機能が低下する。少量でたくさんエネルギーを取れる食品がいいんだ。さあ、旅はまだまだこれからだぜ。小松、瑞貴、気合い入れろよ!」
「はい!」
「うん!」
――垂直の蔓にはトリコが小松さんを背負って登ったり、怪鳥が現れたり、雨が降って葉の下で雨宿りしたり……いろいろあったけど順調に進んで行く。
夜には安全な蔓でテントを張ってキャンプをすることになり、空は満天の星空が輝いていた。
「綺麗ですね~! 空にこんなに星があるなんて~!」
「地上からみる星空と比じゃないよ。あっ、流れ星発見!」
「標高3000メートル……遮るモンがないとよく見えるなぁ」
「まるで僕らを、夜空の星々が歓迎してくれているようですね~」
小松さんって案外ロマンチストなんだね。でもこんな星空を見たらカメラで一枚撮りたいぐらい綺麗だし、そう思っても不思議じゃない。
「私もそんな気がするよ。ここまで登ってきたご褒美って感じで」
「ですよね~! ――っ!」
「ん?」
「小松さん?」
さっきまで星空に向かって両手を広げていた小松さんが、頭に手を当てた。
「頭が痛い……!」
「高山病の症状だな」
「小松さん、痛みは激しい?」
「あっ…いえ…それほどでも……」
「そうか。今日はもう休んでろ」
「はい……」
小松さんは先にテントの中に入って横になると、疲れが溜まっていたいたのかすぐに眠る。それを確認した私はトリコの隣に座って夜空を見上げた。
「どう? ここまで来た感想は?」
「ん?」
「私と一龍会長が言ったこと、実感してるかってこと」
……トリコは先日瑞貴と一龍がグルメ界の環境について話していたことを思い出した。
『グルメ界の敵は強暴で強い猛獣だけじゃないの。特殊な気候や気象……それに対応できなければグルメ界では到底生きてはいけないってこと』
『トリコ……お前はこれからもっと体を――いや、細胞を様々な環境に瞬時に対応できるようにせねばならん!』
「地上との高度さによる気温、気圧、酸素濃度の低下……さらに雨、風、吹雪と、山の天気のように変わりやすい、この環境……。会長(オヤジ)が言った通り、ここはいい修業場所だ。環境に順応しねぇとな」
……ここまででも環境に順応すると同時に猛獣も現れた。グルメ界ではそれを同時にこなさなければならないのだ。今のトリコに必要なことが、スカイプラントにはできる。
「ねぇ、トリコ。この先のことなんだけど……」
「わかっている。それがお前と会長(オヤジ)の『約束』だ。俺だって今までお前に任せていた部分もあったし、今回のことに関しては、むしろ俺がこれからに必要なことでもある」
私と一龍会長の約束はトリコだけが知っている。だからこそ、ここまで来て思う所がいくつもあって顔をうつむける。
「もどかしいって言うのかな……。できるのにできない、やれるのにやれない、そんな感じがする」
「お前は背負い過ぎなんだよ」
「えっ?」
その言葉に顔を上げたら、同時にポンッと頭にトリコの大きな手が乗った。
「今度は俺が背負う番だ。わかったな?」
「……でも」
頭を撫でるトリコはまるで子供に言い聞かせているみたいだ。でもこの感覚は嫌いじゃないからしばらく身を任せていると、最後にポンポンッと軽く叩かれた。
「『ちったあ同行者のことを信じなさい』!」
「えっ! それって……」
以前グルメコロシアムで私がトリコに言った言葉だ。まだ覚えていたのかと驚いて目を見開く。
「今度は俺がお前に言う番だ。――俺を信じろ」
「うん……!」
トリコの微笑みをみると自然と信じられる気がする。今まで一緒に旅してきたせいかな。
「私も明日に備えて休むね。おやすみ」
「ああ、おやすみ」
トリコに挨拶してテントに入ると、先に休んでいる小松さんが目に入ったので隣に座ると頭に手を置く。
「……小松さん、ごめんね。でも、応援しているから――トリコを信じてがんばって」
……瑞貴は悲しそうに呟いた。守れる力があるのに守れない――それは瑞貴にとって残酷なことだから。
「はい!」
「うん!」
――垂直の蔓にはトリコが小松さんを背負って登ったり、怪鳥が現れたり、雨が降って葉の下で雨宿りしたり……いろいろあったけど順調に進んで行く。
夜には安全な蔓でテントを張ってキャンプをすることになり、空は満天の星空が輝いていた。
「綺麗ですね~! 空にこんなに星があるなんて~!」
「地上からみる星空と比じゃないよ。あっ、流れ星発見!」
「標高3000メートル……遮るモンがないとよく見えるなぁ」
「まるで僕らを、夜空の星々が歓迎してくれているようですね~」
小松さんって案外ロマンチストなんだね。でもこんな星空を見たらカメラで一枚撮りたいぐらい綺麗だし、そう思っても不思議じゃない。
「私もそんな気がするよ。ここまで登ってきたご褒美って感じで」
「ですよね~! ――っ!」
「ん?」
「小松さん?」
さっきまで星空に向かって両手を広げていた小松さんが、頭に手を当てた。
「頭が痛い……!」
「高山病の症状だな」
「小松さん、痛みは激しい?」
「あっ…いえ…それほどでも……」
「そうか。今日はもう休んでろ」
「はい……」
小松さんは先にテントの中に入って横になると、疲れが溜まっていたいたのかすぐに眠る。それを確認した私はトリコの隣に座って夜空を見上げた。
「どう? ここまで来た感想は?」
「ん?」
「私と一龍会長が言ったこと、実感してるかってこと」
……トリコは先日瑞貴と一龍がグルメ界の環境について話していたことを思い出した。
『グルメ界の敵は強暴で強い猛獣だけじゃないの。特殊な気候や気象……それに対応できなければグルメ界では到底生きてはいけないってこと』
『トリコ……お前はこれからもっと体を――いや、細胞を様々な環境に瞬時に対応できるようにせねばならん!』
「地上との高度さによる気温、気圧、酸素濃度の低下……さらに雨、風、吹雪と、山の天気のように変わりやすい、この環境……。会長(オヤジ)が言った通り、ここはいい修業場所だ。環境に順応しねぇとな」
……ここまででも環境に順応すると同時に猛獣も現れた。グルメ界ではそれを同時にこなさなければならないのだ。今のトリコに必要なことが、スカイプラントにはできる。
「ねぇ、トリコ。この先のことなんだけど……」
「わかっている。それがお前と会長(オヤジ)の『約束』だ。俺だって今までお前に任せていた部分もあったし、今回のことに関しては、むしろ俺がこれからに必要なことでもある」
私と一龍会長の約束はトリコだけが知っている。だからこそ、ここまで来て思う所がいくつもあって顔をうつむける。
「もどかしいって言うのかな……。できるのにできない、やれるのにやれない、そんな感じがする」
「お前は背負い過ぎなんだよ」
「えっ?」
その言葉に顔を上げたら、同時にポンッと頭にトリコの大きな手が乗った。
「今度は俺が背負う番だ。わかったな?」
「……でも」
頭を撫でるトリコはまるで子供に言い聞かせているみたいだ。でもこの感覚は嫌いじゃないからしばらく身を任せていると、最後にポンポンッと軽く叩かれた。
「『ちったあ同行者のことを信じなさい』!」
「えっ! それって……」
以前グルメコロシアムで私がトリコに言った言葉だ。まだ覚えていたのかと驚いて目を見開く。
「今度は俺がお前に言う番だ。――俺を信じろ」
「うん……!」
トリコの微笑みをみると自然と信じられる気がする。今まで一緒に旅してきたせいかな。
「私も明日に備えて休むね。おやすみ」
「ああ、おやすみ」
トリコに挨拶してテントに入ると、先に休んでいる小松さんが目に入ったので隣に座ると頭に手を置く。
「……小松さん、ごめんね。でも、応援しているから――トリコを信じてがんばって」
……瑞貴は悲しそうに呟いた。守れる力があるのに守れない――それは瑞貴にとって残酷なことだから。