天空の野菜畑・ベジタブルスカイ!
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それからも蔓を登って行くと、お腹が空いたので栄養補給のために葉の上でお弁当を食べる。
「だいぶ登ったな」
「なんだか少し、涼しくなってきましたね」
「地上の気温は30度近かった。だが、ここは体感温度23度。標高1000メートルくらいだな」
「昨日の焼肉店くらいの高さだね。こうして見ると絶景だなぁ」
「でも恐怖度は段違いですね……。」
タワーと違って窓も天井もない。足を滑らせたら一気に真っ逆さまになっちゃうから、高所恐怖症じゃなくても怖いよ。
「しっかり食べておけよ。この先はさらに気温が下がって体力を奪われるからな。瑞貴も、いくら能力があるからって体力は別なんだろ?」
「うん。だからちゃんと食べとくよ」
(今回もまた過酷な旅になりそうだ……。ハァ……)
表情を見ただけで小松さんの考えがわかるなぁ。どうせ『また過酷な旅になる』とか思っているんだろう。トリコに付いて行って過酷な旅にならなかった試しはないのに。
――夕方になる頃、さすがに立って進める角度じゃなくなったので細い蔓を使ってクライミングしていく。
「うわあ!」
「小松さん!」
「っ、大丈夫か!?」
蔓をつかみ損なったのか小松さんが落ちてしまうと、間一髪でトリコが片手を使ってキャッチしてくれた。
「ありがとうございます…トリコさん……」
「危なかったね……」
少し登った所に枝分かれのような蔓に到着して休憩をとる。小松んも安心してホッと息を吐いたら……。
「わああぁぁあああ!! トリコさーん! 瑞貴さーん! 怪鳥が出ました――っ!!」
「捕獲レベル11の鳥獣類・ゲゴンだね」
「ちょうどいい。こいつが晩メシだ!」
「賛成!」
「スゴッ!?」
……自分は慌てて二人の元へ走ったのに、瑞貴もトリコも動じず晩御飯のメニューにしたので小松は驚かずにいられなかった。
――トリコのパンチで蔓にヘコみを作り、そこら辺で切った蔓を穴の中心に集めて薪代わりにすると、仕留めたゲゴンを吊り下げ、私は薪に灯火を放って火を起こす。できあがったときは夜になっていた。
「この世の全ての食材に感謝を込めて、いただきます」
「「いただきます」」
貴重なお肉を手に入れて私たちはご機嫌で食事をした。
☆☆☆☆☆
翌日も蔓を登って行く。歩ける蔓もあればクライミングする蔓もあったので、それの繰り返しをしていた。だんだん風が強くなってきたなぁ。
「ハァ…ハァ……」
「ほらよ」
「あ、ありがとうございます」
トリコから水筒を受け取った小松さんは飲んで水分補給をする。
「高所の空気は水蒸気の量が減って乾燥する。脱水症状に気をつけねぇとな。瑞貴、気温はどれくらいだ?」
「この感じだと気温は10度前後……。標高は3000メートルくらいかな」
「酸素濃度が低くなってきた……。バテないように少しペース落とそう」
常人と同じ体力を持つ小松さんに気を遣っているんだろうな。体感温度はマイナス2度、酸素濃度は地上の50パーセントぐらいだろう。
どんどん先に進んで行くと、さらに空気が薄くなるし寒くなってきた。環境適応能力を持っても体感はあるから便利なんだか不便なんだか。でも小松さんにはキツいから酸素ボンベを使っている。
「寒くねぇか? 小松」
「はい。アイスヘルに比べたらなんともないです。それにライタースーツも持ってますし」
「頼もしいな」
「小松さんも旅をするに連れてたくましくなったね」
「えへへ。そうですか?」
「うん。カッコよくなってるね」
「えへへ……――えっ!?」
「なっ!?」
「ん?」
素直に思ったことを言ったら小松さんもトリコも目を見開いて固まった。どうしたのかと交互に二人の顔を見ると、トリコが慌てて懐(フトコロ)から何かを取り出す。
「ほ、ほら、チョコでも食っときな」
「い、いただきます」
戸惑うようにトリコが板チョコを渡すと、小松さんも戸惑いながら受け取った。この気温だから懐(フトコロ)の中に入れても溶けることなくパリパリといい音を出していた。
「だいぶ登ったな」
「なんだか少し、涼しくなってきましたね」
「地上の気温は30度近かった。だが、ここは体感温度23度。標高1000メートルくらいだな」
「昨日の焼肉店くらいの高さだね。こうして見ると絶景だなぁ」
「でも恐怖度は段違いですね……。」
タワーと違って窓も天井もない。足を滑らせたら一気に真っ逆さまになっちゃうから、高所恐怖症じゃなくても怖いよ。
「しっかり食べておけよ。この先はさらに気温が下がって体力を奪われるからな。瑞貴も、いくら能力があるからって体力は別なんだろ?」
「うん。だからちゃんと食べとくよ」
(今回もまた過酷な旅になりそうだ……。ハァ……)
表情を見ただけで小松さんの考えがわかるなぁ。どうせ『また過酷な旅になる』とか思っているんだろう。トリコに付いて行って過酷な旅にならなかった試しはないのに。
――夕方になる頃、さすがに立って進める角度じゃなくなったので細い蔓を使ってクライミングしていく。
「うわあ!」
「小松さん!」
「っ、大丈夫か!?」
蔓をつかみ損なったのか小松さんが落ちてしまうと、間一髪でトリコが片手を使ってキャッチしてくれた。
「ありがとうございます…トリコさん……」
「危なかったね……」
少し登った所に枝分かれのような蔓に到着して休憩をとる。小松んも安心してホッと息を吐いたら……。
「わああぁぁあああ!! トリコさーん! 瑞貴さーん! 怪鳥が出ました――っ!!」
「捕獲レベル11の鳥獣類・ゲゴンだね」
「ちょうどいい。こいつが晩メシだ!」
「賛成!」
「スゴッ!?」
……自分は慌てて二人の元へ走ったのに、瑞貴もトリコも動じず晩御飯のメニューにしたので小松は驚かずにいられなかった。
――トリコのパンチで蔓にヘコみを作り、そこら辺で切った蔓を穴の中心に集めて薪代わりにすると、仕留めたゲゴンを吊り下げ、私は薪に灯火を放って火を起こす。できあがったときは夜になっていた。
「この世の全ての食材に感謝を込めて、いただきます」
「「いただきます」」
貴重なお肉を手に入れて私たちはご機嫌で食事をした。
☆☆☆☆☆
翌日も蔓を登って行く。歩ける蔓もあればクライミングする蔓もあったので、それの繰り返しをしていた。だんだん風が強くなってきたなぁ。
「ハァ…ハァ……」
「ほらよ」
「あ、ありがとうございます」
トリコから水筒を受け取った小松さんは飲んで水分補給をする。
「高所の空気は水蒸気の量が減って乾燥する。脱水症状に気をつけねぇとな。瑞貴、気温はどれくらいだ?」
「この感じだと気温は10度前後……。標高は3000メートルくらいかな」
「酸素濃度が低くなってきた……。バテないように少しペース落とそう」
常人と同じ体力を持つ小松さんに気を遣っているんだろうな。体感温度はマイナス2度、酸素濃度は地上の50パーセントぐらいだろう。
どんどん先に進んで行くと、さらに空気が薄くなるし寒くなってきた。環境適応能力を持っても体感はあるから便利なんだか不便なんだか。でも小松さんにはキツいから酸素ボンベを使っている。
「寒くねぇか? 小松」
「はい。アイスヘルに比べたらなんともないです。それにライタースーツも持ってますし」
「頼もしいな」
「小松さんも旅をするに連れてたくましくなったね」
「えへへ。そうですか?」
「うん。カッコよくなってるね」
「えへへ……――えっ!?」
「なっ!?」
「ん?」
素直に思ったことを言ったら小松さんもトリコも目を見開いて固まった。どうしたのかと交互に二人の顔を見ると、トリコが慌てて懐(フトコロ)から何かを取り出す。
「ほ、ほら、チョコでも食っときな」
「い、いただきます」
戸惑うようにトリコが板チョコを渡すと、小松さんも戸惑いながら受け取った。この気温だから懐(フトコロ)の中に入れても溶けることなくパリパリといい音を出していた。