白熱! トリコ対IGO会長!
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「会長、トリコ様、瑞貴様、チーズの盛り合わせでございます」
モータンさんが追加のツマミを持って来てくれた。もちろんこれは私のお土産じゃない。
「モッツララチーズにカエンベールチーズにチェリーチーズか」
「おおっ!」
「フム、どれもワインに合いそうだ」
「って、ほとんど飲めねーくせによく言うわ」
「瑞貴ちゃんも遠慮なく食っていいぞ」
「ありがとうございます」
一龍会長から許可ももらったので、私はさっそくチェリーチーズを一つ取って食べた。
「おいしい!」
「んじゃ、俺も――」
ビュン!
「「えっ!?」」
トリコがカエンベールチーズを取ろうとしたら、同じのを一龍会長が素早く取って食べた。試しに私がモッツララチーズとカエンベールチーズを同時に取るけど一龍会長からは音沙汰ナシ。
次にトリコは負けじとひとつかみ取ろうとしたが、そのひとつかみすらも一龍会長が取ってしまった。
「師匠のアカシアはな、世界中の食材を余すことなくわしらに受け渡してくれた」
「会長(オヤジ)……瑞貴ばっか贔屓しやがって……! フンッ!」
今度は皿ごと取ろうとしたトリコだけど、これまた一龍会長が素早く奪った。
「じゃがGODを始めとした自らのフルコースに関しては、一切わしらに教えることはなかった」
「ウ~~……――ん?」
机に顎と両手を付けて悔しがるトリコの前に、チーズが入った皿が一龍会長から差し出された。
「アカシアは知っていたんじゃな。世界戦争を止めた食材・GODが、再び新たな戦争を引き起こす原因にもなりえると」
「えっ?」
「GOD……その味を知る者はいなくなったが、人々の記憶からその伝説は決して消えることはない」
「GODの奪い合いになるってことか……」
「全ての食材を超越して頂点になる食材だし、今でも伝説になっている……。確かに喉から手が出るほどほしいのは美食會だけじゃなく、国や大企業や美食屋は山ほどいそうですね」
「ハッハッ。すでに始まっておるわい」
「「あ/えっ?」」
「GODを狙っておるのら、すでにお前も奪い合いに参戦しているんじゃよ。――じゃが、戦争だけは阻止せねばならん。それは、アカシアの弟子であるわしにとって、グルメ時代最大にして、そして最後の使命だと思っとる」
「最後って……!」
「まさか……!」
「今日お前を呼んだのはな、その最後の大仕事が来る前に一度その顔を見ておきたくてな。瑞貴ちゃんとも直接話がしたかったからじゃ……」
「一龍会長……!?」
「会長(オヤジ)……」
「フッフッ、その目。図体はデカくなってもガキの頃とちぃとも変わっておらんのう。ココにサニーにゼブラ……みんなの顔も浮かぶわい。懐かしいのう……。お前たちが次のグルメ時代を支えていくんじゃよ……」
サングラスをしているから目は見えないけど、その雰囲気と声音は間違いなく父親そのものだ。一龍会長は紛れもなくトリコたちの師匠で父親なんだろうな……。
「フッ。まったく、会長(オヤジ)らしくねぇな。グルメ時代のかつてのトップが隠居生活で鈍ってんじゃねぇのか?」
テラスの柵につかまったトリコは高らかに宣言する。
「俺らはもう、立派に今の時代を支えてるぜ! GODの発見が会長(オヤジ)の使命ってんなら、俺が受け継ぐ! 会長(オヤジ)は休んでな!」
「ハッハッハッ! 何を言うかと思えば笑わしてくれんな、トリコ」
一龍会長も高笑いしながらトリコの隣に行くと、挑発するような表情でトリコの顔を覗き込む。
「誰がかつてのトップだって? グルメ界も知らんヒヨッコが生意気な口を! わしは、隠居なんかしとらんぞ? 今はただのバカンスじゃ……わしをあの酔いどれ次郎と一緒にするなよ」
サングラスを外して初めて見た瞳は、私から見てもトップとしての強さの衰えを感じさせなかった。そしてバスローブを脱ぐと年相応とは思えない引き締まった筋肉をしている。
「どれ、久しぶりに実力を見てやろうか! それだけの口を聞くんじゃからよほど強くなったんじゃろうな?」
「オオッ、相手してくれるのか、会長(オヤジ)! 手加減しねぇぜ!」
「命を取るつもりでかかっておいで……トリコちゃ~ん?」
「GODは俺に任せて、引っ込んでな! 会長(オヤジ)!」
ガチで戦う気満々だなぁ、トリコ。だけど完全に舐められてるよ、一龍会長の語尾が猫撫で声みたいだったし。
モータンさんが追加のツマミを持って来てくれた。もちろんこれは私のお土産じゃない。
「モッツララチーズにカエンベールチーズにチェリーチーズか」
「おおっ!」
「フム、どれもワインに合いそうだ」
「って、ほとんど飲めねーくせによく言うわ」
「瑞貴ちゃんも遠慮なく食っていいぞ」
「ありがとうございます」
一龍会長から許可ももらったので、私はさっそくチェリーチーズを一つ取って食べた。
「おいしい!」
「んじゃ、俺も――」
ビュン!
「「えっ!?」」
トリコがカエンベールチーズを取ろうとしたら、同じのを一龍会長が素早く取って食べた。試しに私がモッツララチーズとカエンベールチーズを同時に取るけど一龍会長からは音沙汰ナシ。
次にトリコは負けじとひとつかみ取ろうとしたが、そのひとつかみすらも一龍会長が取ってしまった。
「師匠のアカシアはな、世界中の食材を余すことなくわしらに受け渡してくれた」
「会長(オヤジ)……瑞貴ばっか贔屓しやがって……! フンッ!」
今度は皿ごと取ろうとしたトリコだけど、これまた一龍会長が素早く奪った。
「じゃがGODを始めとした自らのフルコースに関しては、一切わしらに教えることはなかった」
「ウ~~……――ん?」
机に顎と両手を付けて悔しがるトリコの前に、チーズが入った皿が一龍会長から差し出された。
「アカシアは知っていたんじゃな。世界戦争を止めた食材・GODが、再び新たな戦争を引き起こす原因にもなりえると」
「えっ?」
「GOD……その味を知る者はいなくなったが、人々の記憶からその伝説は決して消えることはない」
「GODの奪い合いになるってことか……」
「全ての食材を超越して頂点になる食材だし、今でも伝説になっている……。確かに喉から手が出るほどほしいのは美食會だけじゃなく、国や大企業や美食屋は山ほどいそうですね」
「ハッハッ。すでに始まっておるわい」
「「あ/えっ?」」
「GODを狙っておるのら、すでにお前も奪い合いに参戦しているんじゃよ。――じゃが、戦争だけは阻止せねばならん。それは、アカシアの弟子であるわしにとって、グルメ時代最大にして、そして最後の使命だと思っとる」
「最後って……!」
「まさか……!」
「今日お前を呼んだのはな、その最後の大仕事が来る前に一度その顔を見ておきたくてな。瑞貴ちゃんとも直接話がしたかったからじゃ……」
「一龍会長……!?」
「会長(オヤジ)……」
「フッフッ、その目。図体はデカくなってもガキの頃とちぃとも変わっておらんのう。ココにサニーにゼブラ……みんなの顔も浮かぶわい。懐かしいのう……。お前たちが次のグルメ時代を支えていくんじゃよ……」
サングラスをしているから目は見えないけど、その雰囲気と声音は間違いなく父親そのものだ。一龍会長は紛れもなくトリコたちの師匠で父親なんだろうな……。
「フッ。まったく、会長(オヤジ)らしくねぇな。グルメ時代のかつてのトップが隠居生活で鈍ってんじゃねぇのか?」
テラスの柵につかまったトリコは高らかに宣言する。
「俺らはもう、立派に今の時代を支えてるぜ! GODの発見が会長(オヤジ)の使命ってんなら、俺が受け継ぐ! 会長(オヤジ)は休んでな!」
「ハッハッハッ! 何を言うかと思えば笑わしてくれんな、トリコ」
一龍会長も高笑いしながらトリコの隣に行くと、挑発するような表情でトリコの顔を覗き込む。
「誰がかつてのトップだって? グルメ界も知らんヒヨッコが生意気な口を! わしは、隠居なんかしとらんぞ? 今はただのバカンスじゃ……わしをあの酔いどれ次郎と一緒にするなよ」
サングラスを外して初めて見た瞳は、私から見てもトップとしての強さの衰えを感じさせなかった。そしてバスローブを脱ぐと年相応とは思えない引き締まった筋肉をしている。
「どれ、久しぶりに実力を見てやろうか! それだけの口を聞くんじゃからよほど強くなったんじゃろうな?」
「オオッ、相手してくれるのか、会長(オヤジ)! 手加減しねぇぜ!」
「命を取るつもりでかかっておいで……トリコちゃ~ん?」
「GODは俺に任せて、引っ込んでな! 会長(オヤジ)!」
ガチで戦う気満々だなぁ、トリコ。だけど完全に舐められてるよ、一龍会長の語尾が猫撫で声みたいだったし。