絆の一品! パートナーは永遠に
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――……空はすっかり夕焼けになり、クリスとボーノを残してティナやトリコたちは舞台袖で瑞貴と小松を待っていた。
「瑞貴に小松くん、大丈夫かな?」
「心配してもしょうがねぇだろ。二人に任せたんだ。待つしかねぇ」
〈グルルル……〉
「………」
ステージではクリスと見つめ合うボーノが足を撫でている。彼も二人の調理に異論しなかったのは、クリスの様子と可能性が少しでもあるなら賭けてみようという気になったのだろう。
「「――できましたよー!」」
「!」
……二人の声にボーノが顔を向けると、台車の上に乗っているのはクリス用なのか大きなパフェグラスに入ったデザートだ。
「時間がかかってごめん。でも、やっとできたんだ」
「グランドベリー、ミルクジラのミルク、ハニードラゴンのハチミツで作ったパフェです!」
「超おいしそうだし!」
《おおーっと! 小松シェフと舞獣姫の料理が完成しました――っ!!》
「ドラゴンにパフェって、RPG的にはありえない設定だけどねー」
リンちゃんや観客席にいる人々には好評みたい。ゾンゲはこの際無視しておこう。
「小松くん、舞獣姫、どうしてパフェなわけ?」
「クリスがリンさんのパフェを見たとき、何か様子がおかしかったものですから、もしやと思って」
「それにさっきも食材だけじゃなく、リンちゃんの顔を見て訴えていたからね」
「パフェ……?」
「はい」
「えっ?」
「あなたの手で食べさせてください」
何か引っかかっている顔をしたボーノさんに、私は巨大スプーンを差し出すと受け取ってもらえた。そしてボーノさんはパフェをひと掬いすると、クリスの口元に伸ばす。
「クリス。さあ、お食べ」
〈…………〉
クリスは顔を近づけて、まずは味を確かめるように軽く舐めると……食べてくれた!
「あっ……!」
《やりましたー! クリスさんがパフェを食べてくれました――っ!!》
「「「「「ワアアァァアアア!!」」」」」
笑顔で食べてくれてボーノさんも顔をほころばせ、ティナさんの実況と共に今まで見守っていた観客も盛り上がった。
「クリス……思い出したよ! お前と一緒に初めて食べたのは、パフェだったね!」
ボーノさんは今まで見たことのない笑顔でパフェを食べるクリスを見つめる。するとクリスの肌に艶が戻ってきた。
「パネェくらい艶が出た!」
「恐らく上質の三代栄養素――脂肪、炭水化物、タンパク質を一気に取ったからだ」
「そういえば、パフェといえば『完璧』という意味。松と舞獣姫の調理で七色ネッシーが好む陸海空の食材、栄養が見事に調和したってわけだ」
「文字通り、完璧なデザートだね」
サニーとココさんの褒め言葉に小松さんは後頭部に手を当て、私は頬を指で照れるように掻く。
「そんな、食材がいいからですよ」
「私たちの実力だけじゃないって」
「思い出のデザートか……」
「トリコ……」
意味深に呟くトリコを私は見上げた。
「みなさん、本当にありがとうございました!」
「もしかしたら……クリスは『最後』にボーノと食べるメニューを決めてたかもしれねぇな」
「えっ、最後……?」
〈グオオォォオオオ!!〉
「っ、クリス?」
雄叫びを上げたクリスの体が七色に輝き、額には一角獣みたいなツノと背中には立派な翼が生えた。七色ネッシーは翼竜獣類……これがあるべき姿なのだろう。生えた今でも七色に輝いている。
《なんと! クリスさんに羽が生えました!!》
「「「お~!」」」
「美(ツク)しい……!」
「どうやら巣立ちの時が来たようだね」
「巣立ち?」
私とトリコと小松さんとサニーは素直に感激していたけど、ココさんの言葉でボーノさんは目を見開いた。
「七色ネッシーは大人になると七色の翼を持つという。この大きさで翼が生えていないのはおかしいと思っていたんだ」
「きっと、栄養たっぷり取って羽が生えたし!」
「巣立ちって……クリスと別れるなんて……そんなの嫌だ!」
現実を受け止められないボーノさんはクリスの足にしがみついた。今まで一緒にいた家族だからこそ悲しみは深いに違いない。
「ずっと一緒だ!」
〈グオオオ……〉
「ずっと一緒にいるんだ!」
「クリスは己一人の力で、覚悟を持って自然界で生きようとしている。クリスにもそれが一番幸せなんだ」
〈グオオ……〉
「どんな生き物でも、いつかは一人で旅立っていくものさ」
トリコがボーノさんに言い聞かせるように言う。それはきっとこのステージを見守っているキッスとテリーもそうだろう。子が親の元を離れるように、誰にでもなんらかの形で巣立ちの時があるんだ。
「瑞貴に小松くん、大丈夫かな?」
「心配してもしょうがねぇだろ。二人に任せたんだ。待つしかねぇ」
〈グルルル……〉
「………」
ステージではクリスと見つめ合うボーノが足を撫でている。彼も二人の調理に異論しなかったのは、クリスの様子と可能性が少しでもあるなら賭けてみようという気になったのだろう。
「「――できましたよー!」」
「!」
……二人の声にボーノが顔を向けると、台車の上に乗っているのはクリス用なのか大きなパフェグラスに入ったデザートだ。
「時間がかかってごめん。でも、やっとできたんだ」
「グランドベリー、ミルクジラのミルク、ハニードラゴンのハチミツで作ったパフェです!」
「超おいしそうだし!」
《おおーっと! 小松シェフと舞獣姫の料理が完成しました――っ!!》
「ドラゴンにパフェって、RPG的にはありえない設定だけどねー」
リンちゃんや観客席にいる人々には好評みたい。ゾンゲはこの際無視しておこう。
「小松くん、舞獣姫、どうしてパフェなわけ?」
「クリスがリンさんのパフェを見たとき、何か様子がおかしかったものですから、もしやと思って」
「それにさっきも食材だけじゃなく、リンちゃんの顔を見て訴えていたからね」
「パフェ……?」
「はい」
「えっ?」
「あなたの手で食べさせてください」
何か引っかかっている顔をしたボーノさんに、私は巨大スプーンを差し出すと受け取ってもらえた。そしてボーノさんはパフェをひと掬いすると、クリスの口元に伸ばす。
「クリス。さあ、お食べ」
〈…………〉
クリスは顔を近づけて、まずは味を確かめるように軽く舐めると……食べてくれた!
「あっ……!」
《やりましたー! クリスさんがパフェを食べてくれました――っ!!》
「「「「「ワアアァァアアア!!」」」」」
笑顔で食べてくれてボーノさんも顔をほころばせ、ティナさんの実況と共に今まで見守っていた観客も盛り上がった。
「クリス……思い出したよ! お前と一緒に初めて食べたのは、パフェだったね!」
ボーノさんは今まで見たことのない笑顔でパフェを食べるクリスを見つめる。するとクリスの肌に艶が戻ってきた。
「パネェくらい艶が出た!」
「恐らく上質の三代栄養素――脂肪、炭水化物、タンパク質を一気に取ったからだ」
「そういえば、パフェといえば『完璧』という意味。松と舞獣姫の調理で七色ネッシーが好む陸海空の食材、栄養が見事に調和したってわけだ」
「文字通り、完璧なデザートだね」
サニーとココさんの褒め言葉に小松さんは後頭部に手を当て、私は頬を指で照れるように掻く。
「そんな、食材がいいからですよ」
「私たちの実力だけじゃないって」
「思い出のデザートか……」
「トリコ……」
意味深に呟くトリコを私は見上げた。
「みなさん、本当にありがとうございました!」
「もしかしたら……クリスは『最後』にボーノと食べるメニューを決めてたかもしれねぇな」
「えっ、最後……?」
〈グオオォォオオオ!!〉
「っ、クリス?」
雄叫びを上げたクリスの体が七色に輝き、額には一角獣みたいなツノと背中には立派な翼が生えた。七色ネッシーは翼竜獣類……これがあるべき姿なのだろう。生えた今でも七色に輝いている。
《なんと! クリスさんに羽が生えました!!》
「「「お~!」」」
「美(ツク)しい……!」
「どうやら巣立ちの時が来たようだね」
「巣立ち?」
私とトリコと小松さんとサニーは素直に感激していたけど、ココさんの言葉でボーノさんは目を見開いた。
「七色ネッシーは大人になると七色の翼を持つという。この大きさで翼が生えていないのはおかしいと思っていたんだ」
「きっと、栄養たっぷり取って羽が生えたし!」
「巣立ちって……クリスと別れるなんて……そんなの嫌だ!」
現実を受け止められないボーノさんはクリスの足にしがみついた。今まで一緒にいた家族だからこそ悲しみは深いに違いない。
「ずっと一緒だ!」
〈グオオオ……〉
「ずっと一緒にいるんだ!」
「クリスは己一人の力で、覚悟を持って自然界で生きようとしている。クリスにもそれが一番幸せなんだ」
〈グオオ……〉
「どんな生き物でも、いつかは一人で旅立っていくものさ」
トリコがボーノさんに言い聞かせるように言う。それはきっとこのステージを見守っているキッスとテリーもそうだろう。子が親の元を離れるように、誰にでもなんらかの形で巣立ちの時があるんだ。