絆の一品! パートナーは永遠に
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……ついにサニーとリンが美食王決定戦の会場に到着し、ティナや観客席は大いに盛り上がっていた。
《な、なんと! たった今、四天王サニーが食材を持って現れました――っ!!》
「「「「「ワアアァァアアア!!」」」」」
サニーは大きな瓶に入ったミルクを、別の大きな皿に移して差し出した。
「ほ~ら、ミルクジラの美(ツク)しいミルクだ。遠慮なく飲め!」
〈……グルル〉
《おおーっと! クリスさんが初めて、食材に興味を持ちましたー!》
「フッ、決まりだな」
ゾンゲは『人』なのでノーカンなのだろう。クリスはミルクが入った皿に顔を近づかせると……。
〈グルル〉
《と、ミルクに口を付けません!》
なんと顔を背けた挙げ句に首を元に戻したのだ。
「ちょっ、待て! これ、ちょー、ちょーうまいんだぞ!?」
「美容にもちょーいいし!」
サニーに続いてリンも説得してみるが、やはりクリスは飲むどころか舐めることもなかった。
「クッ!」
「――今度は僕らの番だね!」
「――お待たせ!」
〈ア゙ア゙ー!〉
《な、なんと! 上空から舞い降りて来るのは四天王ココ……と、み――舞獣姫も!?》
「ったく! また美(ツク)しい登場しやがって! てか、やっぱ一緒だったのか!」
「「「「「ワアアァァアアア!!」」」」」
……ハニードラゴンのハチミツが入った壺を持って、ココと舞獣姫の姿をした瑞貴がキッスと共にステージに来た。サニーに関しては毎度恒例の嫉妬をしていたが。
「僕らの食材は、ハニードラゴンのハチミツさ」
「どうぞ、クリス」
ステージに降り立ったココさんがフタを開け、壺を少し上げるとクリスが鼻を嗅ぎながら興味津々な様子で顔を近づける。これはもらった!
〈グルル〉
「「えっ?」」
顔を逸らされた!? しかも離れていっちゃったし!
《ココと舞獣姫のハチミツも口にしません!》
「このハチミツでもダメなのか……」
「とってもおいしいし、糖分が取れると同時に栄養バランスもいいんだよ!」
もう一度とクリスに私は声を上げてみるけど、再びこちらに来ることはなかった。
「俺に任せな!」
「「「「「!?」」」」」
別の声が聞こえて振り向くと、トリコが大きな実を持って現れた。その隣には小松さんもいる。
《おおーっと! ここで最後の希望、トリコの登場です!!》
「「「「「ワアアァァアアア!!」」」」」
「やっぱりこいつだろ! 七色ネッシーが気に入る食材は、このグランドベリーさ! ほ~ら食ってもいいぞ?」
〈グルルル……〉
トリコがグランドベリーを近づけると、クリスは匂いを嗅いだあと、口を開いた。もしかしてこれが――!?
〈グオオオッ!〉
「えっ、ええっ!?」
《四天王最後のトリコの食材も、口にしませんでしたー!》
クリスは鼻で押しのけたのだ。みんなそれぞれが最高に甘い食材を持って来たのに、全部ダメなんて……。
「全滅かよ、やだ~」
そこのゾンゲ、黙っとれい!
「な、何が……何が四天王ですか! 何が舞獣姫ですか!」
「「「「!」」」」
ボーノさんの悲痛の叫びが突き刺さる。四天王と舞獣姫という立場もあって少なからず期待してたかもしれない……。私たちはそれを裏切ってしまったのだ。