絆の一品! パートナーは永遠に
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……美食王決定戦の会場では、いろんな美食屋が次々と食材を運ぶもクリスが全く食べてくれず、会場の人々がおいしくいただくばかりだ。高級ワインのミツを出すワインフラワーなど希少種でも興味すら示さない。
〈クルッポー……〉
「ん? 何?」
突然肩に乗ってきたクルッポーが示した方向をティナが見ると、ボーノがクリスに言葉をかけていた。
「クリス……なんで食べないんだ?」
〈ユーン……〉
「あ、あのー……クリスは以前、何を食べてたの?」
「はい。以前は僕が食べるモノはなんでも分け合って食べていたのですが……」
ユンも隣に来てティナはボーノに尋ねてみた。ボーノが分け合ってきたモノをなんでも食べていたのなら、ボーノだって大会を開く前は同じモノを食べさせてみたのだろう。しかしダメだったのでこの大会を開いたに違いない。
〈クーポ……〉
「クルッポーも心配なのね」
「……仲がいいんですね」
「〈えっ/クポッ?〉」
不安げな声を出すクルッポーをティナが気持ちを述べると、その様子を見たボーノは少し明るくなった。
不思議に思ったティナとクルッポーに、ボーノは微笑むとクリスを見上げながら昔のことを思い出しながら語る。
「僕とクリスも、ずっと一緒でした……。子供の頃、森で弱っているクリスに出会ってからずーっと……。僕は早くに家族を亡くしたけど、クリスのおかげでちっとも寂しくなかった……」
〈グオオ……〉
クリスも嬉しそうに顔を寄せてきたのでボーノは優しく撫でる。彼らの絆もとても深いのだろう。
「大丈夫よ!」
「えっ?」
「まだトリコたちが残ってるんだから。てんこ盛り絶対クリスは元気になる!」
〈〈ユユユン/クポクポー!〉〉
「……ええ」
ティナとユンとクルッポーは笑顔で励ますが、ボーノはそれだけ呟いて顔を逸らした。
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「フライングナイフ!!」
〈ウォンッ!!〉
……トリコとテリーが強力な攻撃をし続けても、シャークハコガメの硬い甲羅に防がれてしまう。
「ったく、なんて頑丈な甲羅なんだ!」
〈ウゥ~~ッ!〉
「しかしスゴい体力ですよね」
「あん?」
「さっきからずーっと動きっぱなしで、全然止まろうとしないし」
「止まらない? ――っ!」
小松のひと言でトリコは何かに気づいたようだ。今シャークハコガメは地中に潜って泳いでいる。それを見てトリコは確信した。
「そうか! でかしたぞ、小松!」
「えっ?」
「釘パンチ!!」
なんのことかと小松は思ったが、トリコにとって強力なヒントだったようだ。
ジャンプして泳ぐシャークハコガメの前に着地すると、地面に釘パンチを撃てば、その衝撃でシャークハコガメは甲羅ではなくお腹を向けて飛び出した。
「フライングナイフ!!」
しかしお腹も強力な硬さを持っていたのでガキンと返されてしまう。
「やっぱり、ナイフは効かない!?」
小松も失敗したと思ったが、トリコが放ったフライングナイフでシャークハコガメがバランスを崩して仰向けに着地した。しかし自力で起き上がれないようでジタバタしている。
「そうか! 裏返しにするためにナイフを当てたんですね!」
「ああ。鮫の特性を思い出したのさ! 鮫の中には泳ぎ続けることで水から酸素を吸収する者がいて、それを止めたら呼吸ができなくなるということ。奴は呼吸をするために動き続けていたのさ。だから動きを止めさえすれば弱っちまうわけだ!」
「なるほど」
小松も岩陰から出て来て、トリコはすぐにシャークハコガメの元に行って引っくり返した。
「悪かったな。少しだけグランドベリーの実を分けてくれないか?」
〈オオォォオオオ!?〉
「えっ?」
笑顔で頼み込むトリコだが、シャークハコガメはトリコの強さに恐れたのか物凄いスピードで一目散に去って行った。
トリコは一瞬唖然としたが、何はともあれ目的の実のグランドベリーの木の前に立つ。
「ドラゴンの好物・グランドベリーだ。この甘酸っぱい香り、たまんね~!」
「あっ! って、トリコさん! 食べちゃダメですよー!」
トリコなら全部食べかねんと、小松は慌てて止めるのだった。