絆の一品! パートナーは永遠に
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ハニードラゴンのいるハチミツが欲しいんだけど……さっきから統率のとれた動きでうしろをしつこく追いかけてくる! しかも毒針を飛ばしながら来るから、私は片手を広げてキッスの背後全体に守護壁を張って毒針を防いだ。
〈ア゙ア゙ー!!〉
〈〈〈〈〈ブブブブッ!!〉〉〉〉〉
「雪氷牙!!」
「ポイズンドレッシング!!」
私とココさんが攻撃を仕掛けるも、ハニードラゴンは軽々とよけてしまった。
「っ、ココさん!」
「なっ!」
〈〈〈〈〈ブブブブッ!!〉〉〉〉〉
危険を察知して私はココさんの名前を呼んで正面を向かせる。回り込んだ他のハニードラゴンが大量に来たのだ。
「守護壁!!」
毒針を次々飛ばすハニードラゴン。私は両手を広げてキッスの周りに張った守護壁で弾いていく。
「ありがとう、瑞貴ちゃん」
「お礼を言うのは早いですよ。こいつらをなんとかしなくちゃ!」
正直言って薙刀を使わずに技を出すのは少しキツいのだ。いくら技の軌道を示す用のためとはいえ、力の負担を軽減させてくれてたんだよね。
「そうだね……。しかし、さっきから嫌にまとまった攻撃を仕掛けてくるな……!」
「はい。まるで軍隊のような……――ん? 軍隊?」
〈〈〈〈〈ブブブブッ!!〉〉〉〉〉
ここまで統率できるには本物の軍隊みたいに司令塔がいるはずだ。それにハニードラゴンは龍の名前があっても昆虫獣類、見た目からしてハチの種族だろう。
すると攻撃してきたハニードラゴンが上を向いている。ということは……――ビンゴ!
「ココさん! あれ!」
「あれは!」
私が指差した方向をココさんも見ると、一匹のハニードラゴンが∞マークを作るように動き回っていた。
「8の字ダンス!」
「ミツバチは花がある場所を伝えるために8の字ダンスをすると言いますが、ハニードラゴンのリーダーがダンスで動きを指示していたようですね」
「お手柄だよ、瑞貴ちゃん」
いやぁ~、ココさんに褒められちゃいました!
〈ブブブブッ!!〉
〈〈〈〈〈ブブブブッ!!〉〉〉〉〉
だけどリーダーがダンスを止めて仲間たちに声を上げると、一斉に襲いかかってきた!
「ならば……キッス!」
〈ア゙ア゙――ッ!!〉
ココさんの合図でキッスは一気に急降下して海へと向かった。うしろには大量のハニードラゴンが追いかけてくる。
〈〈〈〈〈ブブブブッ!!〉〉〉〉〉
「瑞貴ちゃん! しっかりつかまって!」
「はい!」
水面の近くでキッスは体を反らして急上昇する。当然追いかけていたハニードラゴンは対処することができず海の中に次々落ちて行った。
「やった!」
「よし、今だ!」
体勢を立て直そうとハニードラゴンのリーダーが8の字ダンスをしている。そのあとキッスが追いかけると焦って動きが乱れていた。そうなれば当然、水中から出てきた他のハニードラゴンも体勢を崩してぶつかり合ってる。
「やはり。8の字ダンスが乱れれば、群れの動きも乱れるのか」
〈ブブブブッ!!〉
「あとはリーダーのみですね!」
リーダーが怒って標的を私たちに定めた。今度は私たちが追いかけられる側になっているけど、一匹だけなら平気だ。私たちは右手にそれぞれ力を溜める。
「「はああぁぁあああ!!」」
「毒砲!!」
「氷結界!!」
ココさんの毒砲が命中し、私の氷結界でリーダーを包囲する。毒と氷の結界のダブルパンチでハニードラゴンのリーダーはそのまま落ちて水面にプカプカと浮かんでいた。
「すまないね。毒を薄めておいたからすぐに飛べるようになるさ」
「その結界も、私たちが帰る頃には解けてるから安心してね~」
〈ア゙ア゙ー!〉
リーダーにそう告げるとキッスは一気にハニードラゴンの巣へと飛んで行った。
それにしても近くで見るとスゴい光景! 一つ一つがロイヤルゼリーみたいな輝きがある!
「ハチミツを、少し分けてもらうよ」
「ごめんねー!」
私たちはここに来るまで用意していた壺にハチミツを入れ、会場に戻るためにその場を去った。