美食王決定戦! 究極のスイーツを探せ!
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……サニーとリンが乗るヘリは海に来ると、水上モードになって海面を走っていた。
「待っててトリコ~! すぐに追いつくし~!」
「フンッ、追いかけてねーし」
「もう! トリコんとこに行こうよ、お兄ちゃん。今からでも遅くないし。どうせトリコが勝つんだし」
「フッ、悪いが勝つのは俺だ」
「なんでだし?」
やけに自信満々なサニーに、リンは不思議に思って問いかける。
「ミルクジラのミルクは陸上の哺乳獣類の千倍もの脂肪分を含んでいて、濃厚で甘いコクと栄養たっぷりなんだ」
「甘いだけならトリコやココの食材だって――」
「それに、量もパネェ! 母親の母乳だけでは腹いっぱいにならない大食漢のドラゴンたちを、たっぷりの甘みと量で満足させると言われるほどな。故に、七色ネッシーを満足させられるのは俺だけなんだし」
「えー!?」
「ンで、残りは脂肪分たーっぷりのミルク風呂にして、お肌しーっとりスベスベーって」
「ホント!? お兄ちゃんと来て意外とよかったし!」
女子ならばリンも興味あるようで、さっきまではトリコのことで頭いっぱいだったのに今はサニーと行動する気満々になった。
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久々のキッスの背には、私が前でココさんはうしろで私を支えるように乗っていた。今じゃ雲の上になるほど高度で飛んでいる。
〈ア゙ア゙ー!〉
「そういえば、ココさんはなんでハニードラゴンのハチミツが一番だと思ったんですか?」
トリコとサニーのせいで説明が中断しちゃったし、その理由を私は知りたかった。
「ハニードラゴンは太古の昔から神話や壁画にも登場する食材だ。同じ時代に生息してた七色ネッシーには、一番食べやすいはずと思ってね」
「なるほど~。でもドラゴンが好むほどのハチミツなら私も食べてみたいな~」
「フフッ。うまく捕獲できたら味見してみるかい?」
「マジっスか!?」
私は期待を込めた目でココさんに向けて顔を上げた。だって太古からのハチミツなんて絶対においしいよ!
(可愛いな。こうやって彼女がいつもそばにいるなんて、トリコや小松くんがうらやましいよ)
……ココは瑞貴の笑顔に癒されつつ、トリコと小松に少し嫉妬していた。
〈ア゙ア゙ー!〉
「そろそろかな。僕の占いでは、この辺りと出てるんだけど……」
「ハチミツ楽しみです~!」
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……メガモリ島に上陸したトリコと小松とテリーは、グランドベリーを探しに森へ入って行った。
「ったく瑞貴の奴、俺らよりココを取りやがって。やっぱあいつには問答無用で連れ出すほうがいいな」
「そんなことしたら、今度こそ瑞貴さんは一緒に来てくれませんよ……」
〈ガルルル……〉
「ん?」
立ち止まって唸り始めたテリーが見る方向に小松も顔を上げると、四枚共に羽の色が違う蝶が飛んでいた。
「綺麗な蝶だな~」
すると蝶が小松に向けてリンプンを出した。その香りに小松はうっとりとしている。
「この粉、おいしいスパイスの香りがするし~、なんだかつい見惚れちゃいます~」
ガッ。
「あっ!」
フラリと蝶に引き寄せられるかのようにトリコを追う道から逸れる小松。しかし地面に生えていた根っこに足を引っ掛けてコケてしまった。
「小松!」
パンッ!
「えっ? トリコさん?」
小松の元へ行ったトリコは顔の近くで両手を叩いた。その音で我に返った小松はトリコを見上げる。
「うまい調味料の味がするリンプンと綺麗な見た目で、見る者を魅了する、その名も蝶魅了だ。見続けてるとヤベェ猛獣のいる所に誘い込まれちまう」
「ええっ!?」
捕獲レベル5の昆虫獣類・蝶魅了に、小松は根っこに引っ掛からなければトリコの言うように猛獣の元へ誘われていたかもしれない。
「しっかり起きてろよ、小松」
「は、はい!」
「おっ、これはひょっとして!」
トリコは小松の足に絡まっている根っこな、グルメスティックを当ててデータを確認すると嬉しそうに笑う。