至福の世界へ! 実食センチュリースープ
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「トリコさん、愛丸さんにいったい何を伝えたんですか?」
「アカシアのフルコースのメイン・GODが数年中に現れるという情報さ」
「てか、GODって本当に実在してたんですかぁ――っ!?」
「わみゃ!?」
私はトリコが口にしたGODの情報より、小松さんの声量に驚いたよ。列車中に響き渡ったんじゃない?
「そういう噂があるってだけだ!」
「あ~なんだ、噂ですか……」
「み、耳が……」
「ご、ごめんなさい。瑞貴さん」
そんな大声を出すという予告もなかったし、反対側の耳にまで突き抜けるかと思ったよ……。
……瑞貴に小松が謝っている間、トリコは窓の外の空を見上げながら愛丸と過ごしたことを思い出していた。
『トリコ、GODって知ってるか?』
『当たりめぇだろ。この世の食材の原点だぞ? 俺はGODをメインディッシュにするって決めてんだ』
『えっ』
『どーだ、愛丸(アイ)? どっちが先にGODを見つけるか勝負するか?』
『っ! いや、グルメ騎士(ナイト)の教えがあるから……』
『なんだ、負けるのが嫌なのか?』
『何!? 上等じゃねーか! 勝負してやるよ!』
『そうか! だがな、強ぇーぞ、俺は!』
……トリコと愛丸は笑い合いながらお互いGODを手に入れようと誓った。
☆☆☆☆☆
……ライフにある与作の再生所では、一つの勝負が終わった。与作の高笑いと共に葉巻樹の煙が舞い上がり、床には傷だらけで大の字で寝転がったサニーがいる。
「ハッハッハッハッ! わしに傷を付けるとは、さすが四天王サニー! だがそんなんじゃまだ、グルメ界には入れんぞ」
「アースは…グルメ界にあるんだろ……?」
「ああ、ある」
「俺が…っ……グルメ界に行ける力を身につけたら……案内してくれるんだな……?」
「約束しよう。俺はルールは破るが……約束は守る男だ!」
起き上がったサニーに与作は確かな約束をした。
ガチャ。
「おーい! サニー! 与作ー! 完成したセンチュリースープ持って来たぞ~」
「少し飲んじゃいましたけど~」
「なっ! なんだ、そのお下劣な顔は!?」
……入室してきたトリコと小松のニヤけた顔に、サニーはあまりのキモさに驚いていた。二人のうしろから現れた瑞貴は少し疲れたような顔をして入ってきた。二人が飲んだあと、瑞貴はひたすら他人のフリをしていたとか。
「お邪魔します……。あっ、サニー。久しぶり」
「おい瑞貴! あいつらのあの顔はなんだし!?」
「なんというか……センチュリースープの副作用で……」
「あんれ~? サニーのほうこそどうしたの~? その傷~」
「ケンカですか~? 品がないですよ、サニーさ~ん」
「オメらの方(ホ)が品ねーし! キショい! あっち行け!!」
サニーがトリコと小松さんを邪険にしている間、私は与作さんの元へ挨拶しに行った。
「初めまして、与作さん。瑞貴です」
「おおっ、お嬢ちゃんが鉄平の言っていたかわい子ちゃんか」
「いやいや、かわい子ちゃんとんでもありません。それとこの度はトリコたちの治療をしてくれてありがとうございます。お礼に私と小松さんがセンチュリースープ、ぜひ飲んでくださいね」
「そうですよ~。とにかく飲んでみてくださいよ~サニーさ~ん! センチュリースープ!」
「わしにも飲ませろ! センチュリースープ!!」
一目散に駆け出した与作さんがセンチュリースープを飲んだ結果……トリコと小松さんと同じニヤけた顔になった。
「うんめ~!」
「与作さん、変な顔ですね~」
「サニーも飲めよ~」
「ぜってー嫌。そんな美(ツク)しくない顔になりたくねー!」
「なんでです~? こんなにおいしいのに~!」
「オーロラは美(ツク)しい……それのみ認めておこう。あとは全部キモいし――っ!!」
……マザーウッドの頭上には夕方でもきれいに浮かぶオーロラと、サニーの叫びが響き渡っていたとか。
「……飲んでくれないの?」
「ウッ!」
……サニーにも飲んでほしいと思った瑞貴がしょんぼりしていると、その顔にサニーは自分が悪いことをしている気分になって肩を跳ねていた。
「……ん」
「何? この手?」
「ブサイクな顔見られたくねーけど……瑞貴がそこまで言うなら別室で飲むし」
「ありがとう!」
なんだかんだで飲んでくれるんだ! 私はサニーに与作さんやトリコのとは別の器にスープを淹れて渡した。うしろではニヤけ顔で盛り上がっているからこっちには気づいていない。
「はい、どうぞ」
「ぜってー見んな! 特にあいつら入れるんじゃねーぞ!」
「わかった!」
その後、別室に移動したサニーが戻ってくるにはかなり時間がかかった。きっとニヤけ顔から戻るのに苦労したんだろう。
「アカシアのフルコースのメイン・GODが数年中に現れるという情報さ」
「てか、GODって本当に実在してたんですかぁ――っ!?」
「わみゃ!?」
私はトリコが口にしたGODの情報より、小松さんの声量に驚いたよ。列車中に響き渡ったんじゃない?
「そういう噂があるってだけだ!」
「あ~なんだ、噂ですか……」
「み、耳が……」
「ご、ごめんなさい。瑞貴さん」
そんな大声を出すという予告もなかったし、反対側の耳にまで突き抜けるかと思ったよ……。
……瑞貴に小松が謝っている間、トリコは窓の外の空を見上げながら愛丸と過ごしたことを思い出していた。
『トリコ、GODって知ってるか?』
『当たりめぇだろ。この世の食材の原点だぞ? 俺はGODをメインディッシュにするって決めてんだ』
『えっ』
『どーだ、愛丸(アイ)? どっちが先にGODを見つけるか勝負するか?』
『っ! いや、グルメ騎士(ナイト)の教えがあるから……』
『なんだ、負けるのが嫌なのか?』
『何!? 上等じゃねーか! 勝負してやるよ!』
『そうか! だがな、強ぇーぞ、俺は!』
……トリコと愛丸は笑い合いながらお互いGODを手に入れようと誓った。
☆☆☆☆☆
……ライフにある与作の再生所では、一つの勝負が終わった。与作の高笑いと共に葉巻樹の煙が舞い上がり、床には傷だらけで大の字で寝転がったサニーがいる。
「ハッハッハッハッ! わしに傷を付けるとは、さすが四天王サニー! だがそんなんじゃまだ、グルメ界には入れんぞ」
「アースは…グルメ界にあるんだろ……?」
「ああ、ある」
「俺が…っ……グルメ界に行ける力を身につけたら……案内してくれるんだな……?」
「約束しよう。俺はルールは破るが……約束は守る男だ!」
起き上がったサニーに与作は確かな約束をした。
ガチャ。
「おーい! サニー! 与作ー! 完成したセンチュリースープ持って来たぞ~」
「少し飲んじゃいましたけど~」
「なっ! なんだ、そのお下劣な顔は!?」
……入室してきたトリコと小松のニヤけた顔に、サニーはあまりのキモさに驚いていた。二人のうしろから現れた瑞貴は少し疲れたような顔をして入ってきた。二人が飲んだあと、瑞貴はひたすら他人のフリをしていたとか。
「お邪魔します……。あっ、サニー。久しぶり」
「おい瑞貴! あいつらのあの顔はなんだし!?」
「なんというか……センチュリースープの副作用で……」
「あんれ~? サニーのほうこそどうしたの~? その傷~」
「ケンカですか~? 品がないですよ、サニーさ~ん」
「オメらの方(ホ)が品ねーし! キショい! あっち行け!!」
サニーがトリコと小松さんを邪険にしている間、私は与作さんの元へ挨拶しに行った。
「初めまして、与作さん。瑞貴です」
「おおっ、お嬢ちゃんが鉄平の言っていたかわい子ちゃんか」
「いやいや、かわい子ちゃんとんでもありません。それとこの度はトリコたちの治療をしてくれてありがとうございます。お礼に私と小松さんがセンチュリースープ、ぜひ飲んでくださいね」
「そうですよ~。とにかく飲んでみてくださいよ~サニーさ~ん! センチュリースープ!」
「わしにも飲ませろ! センチュリースープ!!」
一目散に駆け出した与作さんがセンチュリースープを飲んだ結果……トリコと小松さんと同じニヤけた顔になった。
「うんめ~!」
「与作さん、変な顔ですね~」
「サニーも飲めよ~」
「ぜってー嫌。そんな美(ツク)しくない顔になりたくねー!」
「なんでです~? こんなにおいしいのに~!」
「オーロラは美(ツク)しい……それのみ認めておこう。あとは全部キモいし――っ!!」
……マザーウッドの頭上には夕方でもきれいに浮かぶオーロラと、サニーの叫びが響き渡っていたとか。
「……飲んでくれないの?」
「ウッ!」
……サニーにも飲んでほしいと思った瑞貴がしょんぼりしていると、その顔にサニーは自分が悪いことをしている気分になって肩を跳ねていた。
「……ん」
「何? この手?」
「ブサイクな顔見られたくねーけど……瑞貴がそこまで言うなら別室で飲むし」
「ありがとう!」
なんだかんだで飲んでくれるんだ! 私はサニーに与作さんやトリコのとは別の器にスープを淹れて渡した。うしろではニヤけ顔で盛り上がっているからこっちには気づいていない。
「はい、どうぞ」
「ぜってー見んな! 特にあいつら入れるんじゃねーぞ!」
「わかった!」
その後、別室に移動したサニーが戻ってくるにはかなり時間がかかった。きっとニヤけ顔から戻るのに苦労したんだろう。