至福の世界へ! 実食センチュリースープ
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それにしてもまたトリコのフルコース決定を目の当たりにできるなんて嬉しいな。滝丸くんもマッチさんも同じ気持ちみたい。
「なんだか不思議な気分です」
「ああ。トリコのフルコースの一つ……その決定の瞬間に立ち会えるとはな」
「オードブルのBBコーンでテンションの上がった胃袋の期待に、いきなり応えてくれそうだ! ――センチュリースープ!」
トリコのフルコースに新たなメニューが加わった! 自分が調理したのが入るなんて今までよりさらに嬉しい!
「ありがとよ、小松、瑞貴」
「トリコさん……!」
「こちらこそ、ありがとう! そしておめでとう!」
「よし! スープで祝杯だ!」
「「「「「かんぱーい!!」」」」」
スープが入ったスプーンで全員が乾杯した。
――センチュリースープの実食会が終了し、私は別室に移動した。一緒にいるのはマッチさんとシンさんとラムさんとルイさん、そして滝丸くんと鉄平だ。
何故このメンバーなのかというと、実食会の終盤に『話がある』と同時に誘われたからだ。小松さんも「片付けは僕がやっておきますから、行ってきてください」と言われたのでお言葉に甘えることにした。
「……やっぱり、お前が舞獣姫だったんだな」
最初に言葉を発したのはマッチさんだ。この人はリュウさんのとこで私のことを何度も見かけたって聞いたし、アイスヘルのときから疑ってたからね。
「隠していてすみません。プライベートは寄付活動時と別としてちゃんと過ごしたいし、普段から正体を隠していたんです」
「いや、それなら仕方ねぇ。俺はただお前に礼を言いたかったからだ。今回のことといい、ネルグ街のガキ共の寄付に協力してくれてありがとな」
うおっ! マッチさんがいつもと違った穏やかな笑顔を見せてくれた! レアだよ、レア!
「俺たちからもありがとう!」
「子供たちも大喜びなんだ!」
「今回のセンチュリースープも、お前の名と共に必ず届けるからな!」
「大げさですよ。それにしても……シンさんもラムさんもルイさんも、また元気な姿を見れて嬉しいです!」
あの戦いの光景を見て私は心底肝を冷やした。だからこそ、こうやって会えてスープを飲んでくれたことにとても嬉しく思う。
「瑞貴さん、ごちそうさまでした。とてもおいしかったです!」
「どういたしまして。滝丸くんも全快してよかった!」
「……あの、瑞貴さん。前に僕が言ったこと覚えてますか? グルメ騎士(ナイト)にスカウトしたいって」
「うん、覚えてるよ。だけど……」
「ええ。きっと瑞貴さんなら断るだろうと一緒にいてわかりました。ですが、いつか僕らが住んでいる丘に来てください。そのときは愛丸さんも全快していますし、僕らも大歓迎です!」
「ありがとう。そのときはよろしくね」
さて、残るは鉄平か。私が顔を向けると実食会の前に見た真剣な顔でいる。
「俺の用件は……君の力についてだ。あの龍のことについても聞かせてほしいんだが」
「いいよ」
「そんなアッサリ!?」
「あの姿を見られたのにそれでも隠すと分が悪いし、訊かれたら答えるつもりだったから。トリコたちも呼ぶよ、全員いたほうが説明の手間が省けるしね。滝丸くんやマッチさんたちも聞いてくれる?」
「はい」
「ああ」
――私はレストランに移動して全員に話した。最初はトリコたちにも言った異世界からグルメ界へトリップしたことを。
「あの龍はなんだ? 『我ら』ということは複数いるんじゃないか?」
「よく覚えてるね、鉄平。……あの龍は青龍って言って私のグルメ細胞であってグルメ細胞じゃない。私を守ってくれる存在だよ」
私はトリップの影響で四神がグルメ細胞として宿り、普段は環境適応能力となって自然に適応している。そして感情が制御できないほどになれば四神が現れてしまう。
「鉄平とマッチさんは目の当たりにしたと思うけど、青龍の力だけでも強力過ぎる。むしろあの場に炎を宿す神獣が現れたらアイスヘルは間違いなく全て溶けて海に沈んでいたよ」
「そんなに強いのか……!?」
「もちろん自分の意思でも可能だけど人間界では危険すぎる。だからコントロールが必要なんだ。私が使っている技はほんのひと欠片に過ぎない……薙刀で技を出すことも、赤ちゃんが使う歩行器みたいなものなの」
マッチさんが目を見開くほど四神の力は強大だ。私はまだまだ完全に使いこなせていない。薙刀ナシで使える灯火(トウカ)や風舞も初心中の初心だ。それ以上の技を出すとかなりの体力を消耗してしまう。
説明を終えたあと、この場はなんとも言えない空気が漂っていた。真正面から見るのが辛くて私もうつむいてしまう。ああ……今度こそ離れてしまうのかな、いや私が離れないといけないのかな。
ポンッ。
「えっ? トリコ?」
私の頭に大きな手が優しく乗ったので顔を上げると、そこには変わらず微笑むトリコがいた。
「よく言ってくれたな。でも、離れるなんて考えるなよ。そうすれば俺はお前を捕まえにどこまでも追いかけるぜ」
「トリコ……」
「力には驚いたけど、瑞貴さんは瑞貴さんです! これからも一緒にいましょう!」
「小松さん……」
「食材だって瑞貴ちゃんを受け入れているじょ。できたセンチュリースープがその証拠じゃ。もちろんあたしゃもな」
「僕も瑞貴さんを尊敬してます。それが何者であろうと関係ありません」
「姿形が変わろうが、お前がお前である限り俺らは繋がりを断ち切らねぇよ。なあ、お前ら!」
「「「はい!」」」
トリコと小松さんを始め、全員笑顔で私を見てくれた。節乃さんや滝丸くんやマッチさんたちもいるけど、宝石の肉(ジュエルミート)のときみたいに受け入れくれたんだ……!
「なんだか不思議な気分です」
「ああ。トリコのフルコースの一つ……その決定の瞬間に立ち会えるとはな」
「オードブルのBBコーンでテンションの上がった胃袋の期待に、いきなり応えてくれそうだ! ――センチュリースープ!」
トリコのフルコースに新たなメニューが加わった! 自分が調理したのが入るなんて今までよりさらに嬉しい!
「ありがとよ、小松、瑞貴」
「トリコさん……!」
「こちらこそ、ありがとう! そしておめでとう!」
「よし! スープで祝杯だ!」
「「「「「かんぱーい!!」」」」」
スープが入ったスプーンで全員が乾杯した。
――センチュリースープの実食会が終了し、私は別室に移動した。一緒にいるのはマッチさんとシンさんとラムさんとルイさん、そして滝丸くんと鉄平だ。
何故このメンバーなのかというと、実食会の終盤に『話がある』と同時に誘われたからだ。小松さんも「片付けは僕がやっておきますから、行ってきてください」と言われたのでお言葉に甘えることにした。
「……やっぱり、お前が舞獣姫だったんだな」
最初に言葉を発したのはマッチさんだ。この人はリュウさんのとこで私のことを何度も見かけたって聞いたし、アイスヘルのときから疑ってたからね。
「隠していてすみません。プライベートは寄付活動時と別としてちゃんと過ごしたいし、普段から正体を隠していたんです」
「いや、それなら仕方ねぇ。俺はただお前に礼を言いたかったからだ。今回のことといい、ネルグ街のガキ共の寄付に協力してくれてありがとな」
うおっ! マッチさんがいつもと違った穏やかな笑顔を見せてくれた! レアだよ、レア!
「俺たちからもありがとう!」
「子供たちも大喜びなんだ!」
「今回のセンチュリースープも、お前の名と共に必ず届けるからな!」
「大げさですよ。それにしても……シンさんもラムさんもルイさんも、また元気な姿を見れて嬉しいです!」
あの戦いの光景を見て私は心底肝を冷やした。だからこそ、こうやって会えてスープを飲んでくれたことにとても嬉しく思う。
「瑞貴さん、ごちそうさまでした。とてもおいしかったです!」
「どういたしまして。滝丸くんも全快してよかった!」
「……あの、瑞貴さん。前に僕が言ったこと覚えてますか? グルメ騎士(ナイト)にスカウトしたいって」
「うん、覚えてるよ。だけど……」
「ええ。きっと瑞貴さんなら断るだろうと一緒にいてわかりました。ですが、いつか僕らが住んでいる丘に来てください。そのときは愛丸さんも全快していますし、僕らも大歓迎です!」
「ありがとう。そのときはよろしくね」
さて、残るは鉄平か。私が顔を向けると実食会の前に見た真剣な顔でいる。
「俺の用件は……君の力についてだ。あの龍のことについても聞かせてほしいんだが」
「いいよ」
「そんなアッサリ!?」
「あの姿を見られたのにそれでも隠すと分が悪いし、訊かれたら答えるつもりだったから。トリコたちも呼ぶよ、全員いたほうが説明の手間が省けるしね。滝丸くんやマッチさんたちも聞いてくれる?」
「はい」
「ああ」
――私はレストランに移動して全員に話した。最初はトリコたちにも言った異世界からグルメ界へトリップしたことを。
「あの龍はなんだ? 『我ら』ということは複数いるんじゃないか?」
「よく覚えてるね、鉄平。……あの龍は青龍って言って私のグルメ細胞であってグルメ細胞じゃない。私を守ってくれる存在だよ」
私はトリップの影響で四神がグルメ細胞として宿り、普段は環境適応能力となって自然に適応している。そして感情が制御できないほどになれば四神が現れてしまう。
「鉄平とマッチさんは目の当たりにしたと思うけど、青龍の力だけでも強力過ぎる。むしろあの場に炎を宿す神獣が現れたらアイスヘルは間違いなく全て溶けて海に沈んでいたよ」
「そんなに強いのか……!?」
「もちろん自分の意思でも可能だけど人間界では危険すぎる。だからコントロールが必要なんだ。私が使っている技はほんのひと欠片に過ぎない……薙刀で技を出すことも、赤ちゃんが使う歩行器みたいなものなの」
マッチさんが目を見開くほど四神の力は強大だ。私はまだまだ完全に使いこなせていない。薙刀ナシで使える灯火(トウカ)や風舞も初心中の初心だ。それ以上の技を出すとかなりの体力を消耗してしまう。
説明を終えたあと、この場はなんとも言えない空気が漂っていた。真正面から見るのが辛くて私もうつむいてしまう。ああ……今度こそ離れてしまうのかな、いや私が離れないといけないのかな。
ポンッ。
「えっ? トリコ?」
私の頭に大きな手が優しく乗ったので顔を上げると、そこには変わらず微笑むトリコがいた。
「よく言ってくれたな。でも、離れるなんて考えるなよ。そうすれば俺はお前を捕まえにどこまでも追いかけるぜ」
「トリコ……」
「力には驚いたけど、瑞貴さんは瑞貴さんです! これからも一緒にいましょう!」
「小松さん……」
「食材だって瑞貴ちゃんを受け入れているじょ。できたセンチュリースープがその証拠じゃ。もちろんあたしゃもな」
「僕も瑞貴さんを尊敬してます。それが何者であろうと関係ありません」
「姿形が変わろうが、お前がお前である限り俺らは繋がりを断ち切らねぇよ。なあ、お前ら!」
「「「はい!」」」
トリコと小松さんを始め、全員笑顔で私を見てくれた。節乃さんや滝丸くんやマッチさんたちもいるけど、宝石の肉(ジュエルミート)のときみたいに受け入れくれたんだ……!