至福の世界へ! 実食センチュリースープ
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「僕らを選んでくれて……!」
「ありがとう……!」
〈ユ~ン……〉
このありあまる感謝と感動がユンちゃんに伝わるといいな。
「おっ!」
……ユンのあとを追って厨房に入ってきたティナは、二人と一羽の隣でオーロラを放つスープを目にする。カメラを構えようとしたが、今は撮るべきではないと判断して仕舞うとクルッポーに手を当てて笑い合う。
「スープ、できたんだね」
〈クポッ。クーポ〉
まるで『お疲れ様』というようにクルッポーは鳴いた。
☆☆☆☆☆
あれからさらに数日。センチュリースープの完成は一気に世界に知れ渡った。今日はアイスヘルのメンバーで実食会をする日なんだけど……さっきからヘリがうるさいな。
ガチャ。
「あっ、小松さん、準備できた?」
「はい!」
私が廊下で待っていると一つの部屋の扉が開き、スーツ姿の小松さんが出てきた。もちろん私は舞獣姫の姿のままだけどね。トリコたちにも連絡をもらったとき私のことを舞獣姫って呼ぶように伝えてある。
「トリコたちももうすぐ来るって」
「早く飲んでほしいですね、僕らが作ったスープ!」
「うん!」
「小松シェフと舞獣姫だ!」
「伝説のスープ完成、おめでとうございまーす!」
エントランスに移動すれば大勢の報道陣が集まっており、私たちの姿を見た途端に押しかけて来た。
「伝説のスープはいつお店でメニューに載せるんですか?」
「えっ!?」
「寄付活動を中心とした舞獣姫殿がホテルグルメの小松シェフと共同作業をしたということは、このままIGO所属に?」
「なっ!?」
「レシピの公開は?」
「「えっ? えっ!?」」
たくさんの記者に囲まれた経験がないため、小松さんと私は壁際に追い詰められてしまう。
「――通してくれ。テイスティングに参ったぞ!」
SPのような人たちに守られているのは髭を生やした老人だった。あの人って!
「み…じゃなかった。舞獣姫さん、あの方は?」
「小松さん知らないの? G7のパッチ氏だよ」
「ええっ!?」
IGO主要加盟国から送出された七人の味覚マスター・グルメ7(セブン)――通称・G7(ジーセブン)の一人、パッチ氏だ。雑誌とかで見たことがあるだけで直接は初めてなんだけど……なんか声に聞き覚えが?
「ぬお~! これはこれは、パッチ様!」
スミスさん、いくらなんでも愛想笑いの上に胡麻擂りし過ぎでしょ。
「シェフ、舞獣姫さん、センチュリースープの用意を」
「あの~……支配人……」
「いや、実は……」
「G7にスープを認められれば、ホテルの星の数も増える! 小松く~ん! 舞獣姫さ~ん!」
いろんな意味で怖いから猫撫で声はやめてください、お願いですから。
まあ、相手が誰だろうと私たちはセンチュリースープの最初の客は決まっているので、顔を見合わせて頷くとパッチ氏を見据える。
「「申し訳ありませんが」」
「うんうん! ――ん?」
「「今すぐスープをお出しするわけにはできません!」」
落胆したスミスさんはさておき、私たちの言葉にパッチ氏は不思議そうにした。
「ん? 何故だ?」
「先に、飲ませたい人たちがいるので!」
「私も小松シェフも、スープを完成する前から決めていたんです!」
「ホォ。この私より先に客が――?」
「小松ー! 舞獣姫ー!」
「「!」」
待ち望んでいた声に私たちは顔を向けると、報道陣の中から現れたのは――。
「「よおっ/やあ!」」
「トリコさん」
「ココさん! 節乃さん!」
「よっほほ~い!」
スーツ姿のトリコと白のジャケットを着たココさん、そしてアイスヘルの時と同じ服装の節乃さんが来てくれた。彼らの登場にパッチ氏も報道陣も驚いている。
「トリコだと? ココもか!」
「美食人間国宝・節乃さんもいるぞ!」
「飲みに来たぜ、センチュリースープを!」
「ありがとう……!」
〈ユ~ン……〉
このありあまる感謝と感動がユンちゃんに伝わるといいな。
「おっ!」
……ユンのあとを追って厨房に入ってきたティナは、二人と一羽の隣でオーロラを放つスープを目にする。カメラを構えようとしたが、今は撮るべきではないと判断して仕舞うとクルッポーに手を当てて笑い合う。
「スープ、できたんだね」
〈クポッ。クーポ〉
まるで『お疲れ様』というようにクルッポーは鳴いた。
☆☆☆☆☆
あれからさらに数日。センチュリースープの完成は一気に世界に知れ渡った。今日はアイスヘルのメンバーで実食会をする日なんだけど……さっきからヘリがうるさいな。
ガチャ。
「あっ、小松さん、準備できた?」
「はい!」
私が廊下で待っていると一つの部屋の扉が開き、スーツ姿の小松さんが出てきた。もちろん私は舞獣姫の姿のままだけどね。トリコたちにも連絡をもらったとき私のことを舞獣姫って呼ぶように伝えてある。
「トリコたちももうすぐ来るって」
「早く飲んでほしいですね、僕らが作ったスープ!」
「うん!」
「小松シェフと舞獣姫だ!」
「伝説のスープ完成、おめでとうございまーす!」
エントランスに移動すれば大勢の報道陣が集まっており、私たちの姿を見た途端に押しかけて来た。
「伝説のスープはいつお店でメニューに載せるんですか?」
「えっ!?」
「寄付活動を中心とした舞獣姫殿がホテルグルメの小松シェフと共同作業をしたということは、このままIGO所属に?」
「なっ!?」
「レシピの公開は?」
「「えっ? えっ!?」」
たくさんの記者に囲まれた経験がないため、小松さんと私は壁際に追い詰められてしまう。
「――通してくれ。テイスティングに参ったぞ!」
SPのような人たちに守られているのは髭を生やした老人だった。あの人って!
「み…じゃなかった。舞獣姫さん、あの方は?」
「小松さん知らないの? G7のパッチ氏だよ」
「ええっ!?」
IGO主要加盟国から送出された七人の味覚マスター・グルメ7(セブン)――通称・G7(ジーセブン)の一人、パッチ氏だ。雑誌とかで見たことがあるだけで直接は初めてなんだけど……なんか声に聞き覚えが?
「ぬお~! これはこれは、パッチ様!」
スミスさん、いくらなんでも愛想笑いの上に胡麻擂りし過ぎでしょ。
「シェフ、舞獣姫さん、センチュリースープの用意を」
「あの~……支配人……」
「いや、実は……」
「G7にスープを認められれば、ホテルの星の数も増える! 小松く~ん! 舞獣姫さ~ん!」
いろんな意味で怖いから猫撫で声はやめてください、お願いですから。
まあ、相手が誰だろうと私たちはセンチュリースープの最初の客は決まっているので、顔を見合わせて頷くとパッチ氏を見据える。
「「申し訳ありませんが」」
「うんうん! ――ん?」
「「今すぐスープをお出しするわけにはできません!」」
落胆したスミスさんはさておき、私たちの言葉にパッチ氏は不思議そうにした。
「ん? 何故だ?」
「先に、飲ませたい人たちがいるので!」
「私も小松シェフも、スープを完成する前から決めていたんです!」
「ホォ。この私より先に客が――?」
「小松ー! 舞獣姫ー!」
「「!」」
待ち望んでいた声に私たちは顔を向けると、報道陣の中から現れたのは――。
「「よおっ/やあ!」」
「トリコさん」
「ココさん! 節乃さん!」
「よっほほ~い!」
スーツ姿のトリコと白のジャケットを着たココさん、そしてアイスヘルの時と同じ服装の節乃さんが来てくれた。彼らの登場にパッチ氏も報道陣も驚いている。
「トリコだと? ココもか!」
「美食人間国宝・節乃さんもいるぞ!」
「飲みに来たぜ、センチュリースープを!」