至福の世界へ! 実食センチュリースープ
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……左腕の再生のためにライフで奮闘するトリコ。
一方瑞貴と小松はセンチュリースープ作りに励み、あと一歩で完成という所まで辿り着いた。そのとき――!
☆☆☆☆☆
……朝方。トリコは再生の種の副作用で来る痛みに、目を閉じて汗を流しながらずっと苦しんでいた。クスリバチは使用し続けて与作と鉄平は手を尽くした。あとはトリコの生命力次第だ。
「ぬおおぉぉおおお……!! ――っ!」
「トリコ!?」
突然動きが止まったのでリンが声をかけると、トリコの鼻がヒクヒクと動いていた。その様子に全員何事かと思うと――。
ガバッ!
「「「うわあっ!」」」
「なんだ!?」
「…………!」
なんとトリコは目を開いたかと思うと突然起き上がったのだ。その勢いにリンもサニーも鉄平も与作も驚いていたが、トリコは何かを感じたかのように目線を真っ直ぐにしていた。
☆☆☆☆☆
お腹を空かせたユンちゃんにあと一歩で完成のスープを差し出すと、ユンちゃんがヨダレを垂らした途端、見覚えのあるオーロラがスープから出てきた。
「「あ…ああ……!」」
〈ユン?〉
その光景に私と小松さんは目を輝かせてスープを見る。ユンちゃんは可愛く首を傾げてすぐに抱きしめたいけど、それどころじゃない。
すぐに私はスプーンを二つ取って一つを差し出し、受け取った小松さんと顔を見合わせて頷く。さっきから心臓の音がうるさく聞こえて、震える体から恐る恐るスープをすくって口に含むと……。
「ウッ!」
「フッ、フッフッ……」
私はすぐに顔を押さえて小松さんとユンちゃんから背を向け、小松さんは笑いを堪えるように肩を震わせた。
「スープが……!」
「できてるぅ~~!」
……アイスヘルのときのように瑞貴は我慢するように顔を押さえ、小松は目尻を下げて鼻の下は伸びて口角が上がっていた。センチュリースープを飲んだときと同じ現象が今起ったのだ。
そう――瑞貴と小松が作ったセンチュリースープは見事完成したのだ。
☆☆☆☆☆
……やっと汗が引いたと思ったら、未だに真っ直ぐ見たまま動かないトリコ。さすがにリンも鉄平も心配になって声をかける。
「トリコ?」
「おい」
「!」
我に返ったトリコは左を見ると――なくなっていたはずの左腕が手までしっかり再生されていたのだ。試しに上げて握ったり広げたりするとちゃんと自分の意思で動いている。
「へっ…へへっ……治ったぁ――っ!!」
「トリコー! よかったしー!」
「リン!」
無事に治ることができてリンも涙目でトリコに駆け寄った。対して鉄平と与作は信じられないという顔をしていた。
「ついさっきまで、死にかけていたのに……!」
「ああ。ダメかと思った矢先だぞ。急に細胞が活性化しやがった! ルールを…二十年はかかるという定説を……見事にぶち破りおったな、トリコ――ッ!!」
「っ!」
すると先ほどまでリンと会話をしていたトリコが立ち上がった。フラフラと歩く彼に鉄平は不思議そうにする。
「お、おい。どこ行く気だ?」
「呼んでる…うまいメシが……俺を呼んでんだよ!」
振り返ったトリコの口元はヨダレが溢れていた。そして偶然か必然か、トリコがずっと見ていた方向は――ホテルグルメがある方角だった。
☆☆☆☆☆
やっと顔が落ち着いた私たちはユンちゃんを見つめる。
「まさか最後の具材がお前のヨダレだったなんて、夢にも思わなかったよ……!」
〈ユユユン!〉
「何世代もセンチュリースープを餌にして、スープの味が体に染み込んでいたんだね。海燕の巣みたいに高級な唾液だよ」
小松さんは正面から、私は背中からユンちゃんを抱きしめた。
きっとアイスヘルでユンちゃんが私たちに懐いてくれたのは、偶然じゃなかったんだ。
一方瑞貴と小松はセンチュリースープ作りに励み、あと一歩で完成という所まで辿り着いた。そのとき――!
☆☆☆☆☆
……朝方。トリコは再生の種の副作用で来る痛みに、目を閉じて汗を流しながらずっと苦しんでいた。クスリバチは使用し続けて与作と鉄平は手を尽くした。あとはトリコの生命力次第だ。
「ぬおおぉぉおおお……!! ――っ!」
「トリコ!?」
突然動きが止まったのでリンが声をかけると、トリコの鼻がヒクヒクと動いていた。その様子に全員何事かと思うと――。
ガバッ!
「「「うわあっ!」」」
「なんだ!?」
「…………!」
なんとトリコは目を開いたかと思うと突然起き上がったのだ。その勢いにリンもサニーも鉄平も与作も驚いていたが、トリコは何かを感じたかのように目線を真っ直ぐにしていた。
☆☆☆☆☆
お腹を空かせたユンちゃんにあと一歩で完成のスープを差し出すと、ユンちゃんがヨダレを垂らした途端、見覚えのあるオーロラがスープから出てきた。
「「あ…ああ……!」」
〈ユン?〉
その光景に私と小松さんは目を輝かせてスープを見る。ユンちゃんは可愛く首を傾げてすぐに抱きしめたいけど、それどころじゃない。
すぐに私はスプーンを二つ取って一つを差し出し、受け取った小松さんと顔を見合わせて頷く。さっきから心臓の音がうるさく聞こえて、震える体から恐る恐るスープをすくって口に含むと……。
「ウッ!」
「フッ、フッフッ……」
私はすぐに顔を押さえて小松さんとユンちゃんから背を向け、小松さんは笑いを堪えるように肩を震わせた。
「スープが……!」
「できてるぅ~~!」
……アイスヘルのときのように瑞貴は我慢するように顔を押さえ、小松は目尻を下げて鼻の下は伸びて口角が上がっていた。センチュリースープを飲んだときと同じ現象が今起ったのだ。
そう――瑞貴と小松が作ったセンチュリースープは見事完成したのだ。
☆☆☆☆☆
……やっと汗が引いたと思ったら、未だに真っ直ぐ見たまま動かないトリコ。さすがにリンも鉄平も心配になって声をかける。
「トリコ?」
「おい」
「!」
我に返ったトリコは左を見ると――なくなっていたはずの左腕が手までしっかり再生されていたのだ。試しに上げて握ったり広げたりするとちゃんと自分の意思で動いている。
「へっ…へへっ……治ったぁ――っ!!」
「トリコー! よかったしー!」
「リン!」
無事に治ることができてリンも涙目でトリコに駆け寄った。対して鉄平と与作は信じられないという顔をしていた。
「ついさっきまで、死にかけていたのに……!」
「ああ。ダメかと思った矢先だぞ。急に細胞が活性化しやがった! ルールを…二十年はかかるという定説を……見事にぶち破りおったな、トリコ――ッ!!」
「っ!」
すると先ほどまでリンと会話をしていたトリコが立ち上がった。フラフラと歩く彼に鉄平は不思議そうにする。
「お、おい。どこ行く気だ?」
「呼んでる…うまいメシが……俺を呼んでんだよ!」
振り返ったトリコの口元はヨダレが溢れていた。そして偶然か必然か、トリコがずっと見ていた方向は――ホテルグルメがある方角だった。
☆☆☆☆☆
やっと顔が落ち着いた私たちはユンちゃんを見つめる。
「まさか最後の具材がお前のヨダレだったなんて、夢にも思わなかったよ……!」
〈ユユユン!〉
「何世代もセンチュリースープを餌にして、スープの味が体に染み込んでいたんだね。海燕の巣みたいに高級な唾液だよ」
小松さんは正面から、私は背中からユンちゃんを抱きしめた。
きっとアイスヘルでユンちゃんが私たちに懐いてくれたのは、偶然じゃなかったんだ。