競争! トリコの完治か##NAME1##と小松のスープか!?
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「早よ行け、そして作るがいい。本物のセンチュリースープを!」
思わず顔が綻んだ私たちは顔を見合わせて頷き、再度節乃さんに向き合った。
「「はい! がんばります!」」
もう一度節乃さんに礼をして私たちは背を向けると駆け出した。このアドバイスを早く生かしたいし、何より創作意欲が溢れてきた。
「フッフッフッ。すでにあそこまで完成していたとはのぅ。あたしゃがあの段階までに行くのに軽く十年はかかったと思うが。苦労して現地に行き、食材本来の姿を見てその味を味わった感動は限りなく大きい……それがあたしゃと二人の大きな差。危険でも旅を勧めてよかったわい。苦労して手に入れる感動か……次郎(ジロ)ちゃん……」
……脳裏に浮かんだのは若い頃、自分がコンビの次郎と危険ながらも共に食材を求めて旅をしていた。だからこそ手に入れたときの感動はひと際大きかった。
「フッフッフッ、久しく味わっておらんのぅ」
☆☆☆☆☆
……瑞貴と小松が節乃の元から帰る間、トリコは体の異変に混乱していた。
「ぐっ! なんだぁ!?」
「ちょうどよかった。もうこの段階に来たか……やはり進行が速いな」
与作はすぐさまトリコを治癒ゼリーから出し、大きな切り株に寝かせた。
「鉄平! ネイル注射だ!」
「はいよ!」
アイスヘルのときと同じように左人差し指の爪を伸ばし、トリコの左腕に差した。その間に与作は二つの点滴をトリコの体に付けた。
「い…いったい……何が起きてる……!?」
「再生の種の副作用だ。こっからは体に様々な症状が現れる……我慢の時間だぜぇ。クスリバチで治療していくぞ。いろんな症状を抑える薬を持っている」
与作は捕獲レベル23の昆虫類・クスリバチのおしりの針をトリコの腕に射した。
「気合いを入れろよ、トリコ。こっちも全力を尽くすがお前の体力と気力が頼りだ。ちょっとでも気ぃ抜いたら――死ぬぞ」
「ぐわあ!」
「「トリコ!」」
腕が少しずつ生えるのと引き換えにトリコは苦しそうにいる。見ているサニーとリンも痛々しいと声を上げるくらいだ。
「負けてたまるかよ……! 瑞貴と小松がセンチュリースープを作って待ってんだ……必ず生き抜いてみせる……! ぐわっ!」
「クスリバチが足んねぇ!」
これから苦しい戦いが余儀なく起こることになる。しかしトリコはセンチュリースープを作る瑞貴と小松のためにも、絶対に治すと心に誓っていた。
☆☆☆☆☆
節乃さんからアドバイスをもらった私たちは、私は舞獣姫の、小松さんはコックコートに着替えて厨房に戻るとたくさんの食材を前にした。
「食材の声を……」
「答えを導いてくれる……」
気持ちを改めたせいか、小松さんと私には一部の食材が輝いて見えて自然と手を伸ばした。
「なんこつキャベツ、いい味が出そうですね」
「オンリーナッツも1分間浸してみよう」
最初はいろいろと悩んだけど、迷わず食材を選んで調理することができる。私がオンリーナッツを浸している間、小松さんは次の材料を用意してくれた。
「シチューワインにポークポテト……」
カンカンカンカン。
「「ん? あっ!」」
金属を叩く音に目を向ければ、私が今朝捕獲した出汁ペリカンが鍋をつついている。私たちが顔を向いたことに気づくと口を開けてくれた。
「クチバシが鰹節の出汁ペリカンが!」
「削り節が溜まりましたね!」
食材の声……それが私たちの道標になっていた。時間が流れていることなんて気にしないくらいでどんどん調理が進んでいく。
そして縦三段にしたこし器にスープを流し込むと、灰汁など不必要な物以外が流れ込んで一番下に置いた器には透明のスープができた。その透明度と輝きに私たちは微笑む。
「わあ……!」
「ここまで来た……透明のスープ!」
思わず顔が綻んだ私たちは顔を見合わせて頷き、再度節乃さんに向き合った。
「「はい! がんばります!」」
もう一度節乃さんに礼をして私たちは背を向けると駆け出した。このアドバイスを早く生かしたいし、何より創作意欲が溢れてきた。
「フッフッフッ。すでにあそこまで完成していたとはのぅ。あたしゃがあの段階までに行くのに軽く十年はかかったと思うが。苦労して現地に行き、食材本来の姿を見てその味を味わった感動は限りなく大きい……それがあたしゃと二人の大きな差。危険でも旅を勧めてよかったわい。苦労して手に入れる感動か……次郎(ジロ)ちゃん……」
……脳裏に浮かんだのは若い頃、自分がコンビの次郎と危険ながらも共に食材を求めて旅をしていた。だからこそ手に入れたときの感動はひと際大きかった。
「フッフッフッ、久しく味わっておらんのぅ」
☆☆☆☆☆
……瑞貴と小松が節乃の元から帰る間、トリコは体の異変に混乱していた。
「ぐっ! なんだぁ!?」
「ちょうどよかった。もうこの段階に来たか……やはり進行が速いな」
与作はすぐさまトリコを治癒ゼリーから出し、大きな切り株に寝かせた。
「鉄平! ネイル注射だ!」
「はいよ!」
アイスヘルのときと同じように左人差し指の爪を伸ばし、トリコの左腕に差した。その間に与作は二つの点滴をトリコの体に付けた。
「い…いったい……何が起きてる……!?」
「再生の種の副作用だ。こっからは体に様々な症状が現れる……我慢の時間だぜぇ。クスリバチで治療していくぞ。いろんな症状を抑える薬を持っている」
与作は捕獲レベル23の昆虫類・クスリバチのおしりの針をトリコの腕に射した。
「気合いを入れろよ、トリコ。こっちも全力を尽くすがお前の体力と気力が頼りだ。ちょっとでも気ぃ抜いたら――死ぬぞ」
「ぐわあ!」
「「トリコ!」」
腕が少しずつ生えるのと引き換えにトリコは苦しそうにいる。見ているサニーとリンも痛々しいと声を上げるくらいだ。
「負けてたまるかよ……! 瑞貴と小松がセンチュリースープを作って待ってんだ……必ず生き抜いてみせる……! ぐわっ!」
「クスリバチが足んねぇ!」
これから苦しい戦いが余儀なく起こることになる。しかしトリコはセンチュリースープを作る瑞貴と小松のためにも、絶対に治すと心に誓っていた。
☆☆☆☆☆
節乃さんからアドバイスをもらった私たちは、私は舞獣姫の、小松さんはコックコートに着替えて厨房に戻るとたくさんの食材を前にした。
「食材の声を……」
「答えを導いてくれる……」
気持ちを改めたせいか、小松さんと私には一部の食材が輝いて見えて自然と手を伸ばした。
「なんこつキャベツ、いい味が出そうですね」
「オンリーナッツも1分間浸してみよう」
最初はいろいろと悩んだけど、迷わず食材を選んで調理することができる。私がオンリーナッツを浸している間、小松さんは次の材料を用意してくれた。
「シチューワインにポークポテト……」
カンカンカンカン。
「「ん? あっ!」」
金属を叩く音に目を向ければ、私が今朝捕獲した出汁ペリカンが鍋をつついている。私たちが顔を向いたことに気づくと口を開けてくれた。
「クチバシが鰹節の出汁ペリカンが!」
「削り節が溜まりましたね!」
食材の声……それが私たちの道標になっていた。時間が流れていることなんて気にしないくらいでどんどん調理が進んでいく。
そして縦三段にしたこし器にスープを流し込むと、灰汁など不必要な物以外が流れ込んで一番下に置いた器には透明のスープができた。その透明度と輝きに私たちは微笑む。
「わあ……!」
「ここまで来た……透明のスープ!」