競争! トリコの完治か##NAME1##と小松のスープか!?
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「俺も聞きたいことがあるんだが……――あのお嬢ちゃんのことだ」
「瑞貴のことか?」
「ああ。龍に変身できるなんて普通じゃない……あの力を本格的に解放すれば最強になるぞ。ヘタすればお前たち四天王以上にな」
「…………」
それはトリコも感じていただろう。少し話しただけで……いや、その姿を見ただけでこの世のものとは思えない圧倒的な力が伝わっていた。
「トリコはずっと一緒にいるようだが、お嬢ちゃんのあの力を知っていたのか?」
「いや、俺も初めて見た。今まで薙刀か自らの手で出した自然の技しか見たことがなかったんだ。まさか瑞貴にあんな力があったなんて……」
「悪いことは言わない。――あのお嬢ちゃんを連れて行くのは金輪際やめといたほうがいい」
「!」
鉄平から予想外のことを告げられたトリコは目を見開いたが、次いで睨むように眉をしかめる。
「……なんでだ?」
「マッチから聞いたんだが、あの子が龍に変わったキッカケは傷ついたお前らを見たからだ。恐らく感情の激しさによって変化するんだろう。この先お前が美食會と戦うことが何度もあるのは間違いないし、その度にお嬢ちゃんは龍に変身するかもしれない」
鉄平はアイスヘルの青龍の言葉と行動を思い返した。いくつか思う点があったからだ。
「味方として戦ってくれたら頼もしいが……あの龍は『姫を守る者』、『姫以外などどうでもいい』と言っていた。ヘタをすればお嬢ちゃん以外を容赦なく排除してしまうだろう……トリコ、お前でもな」
「…………」
「美食會に狙われてるって聞いたけど、あの強さがあるなら大丈夫だろ。連れて行くのに抵抗があるのなら、この件をキッカケに二度と会わない方が――」
「瑞貴は強くねぇよ。むしろ脆い」
「!?」
まさかそう回答が来るとは思っていなかったらしく、鉄平は驚いてトリコを見た。彼はさっきと違って意志の強い目をしている。
「瑞貴は力のことをずっと前から知っていたんだ。何度も『力をコントロールしたい』って言って修業してきたしな。それに加えてあいつは自分の存在を恐れているんだ」
「恐れている……?」
「詳しくは本人の許可ナシじゃ言えねぇが、瑞貴は自分が存在してはいけない人間だと思っている。だけど――瑞貴は普通の人間だ」
「普通の人間……」
「普段は明るくて強くても、いざというときは弱い部分もある。だから俺はそれを全部ひっくるめて、瑞貴のそばにいて守りたい」
トリコの言葉を聞いて鉄平は顔をうつむけて再び思い返した。自分のおしゃべりさに怒ったり、からかったり、スープを作ると決意したり、楽しそうに食事をしたり……その姿を見る度に青龍に変身したなど忘れかけてしまうくらいだった。
「俺はあいつをこの世界にいていいとわかってほ…し…い……」
「トリコ?」
急に声音が弱くなったので鉄平は顔を上げると、トリコの様子がおかしかった。大量に汗をかいているし、目も虚ろになっている。
ガチャ。
「経過はどうだ? トリコ……―――ん!?」
「ゲホッ!」
戻ってきた与作が目にしたのは、トリコが苦しそうに嘔吐している姿だった。鉄平も立ち上がり、その異変に気づいたのか寝ていたサニーもリンも目が覚める。
「トリコ!」
「ンだ!?」
「トリコ!?」
「な、なんだ……!?」
体の異変に一番困惑しているのはトリコ自身だった。
☆☆☆☆☆
節乃さんにスープを味見してもらったけど、すぐにアドバイスはもらえなかった。だけど節乃さんの月日を考えたらいてもたってもいられず話し合いたいため、私たちは帰ることにする。節乃さんも見送ってくれるので、入口の前で私たち二人は礼をした。
「フッフッフッ、また何かあったらおいで――と言ってももう来ることはないかもしれんがの」
「「えっ?」」
「瑞貴ちゃん、小松くん、忘れるなよ。いつでもあたしゃたち料理人は食材に選ばれている。そっと耳を澄ますんじゃ……食材の声がきっと正しい答えを導いてくれる。お主たちにはもうすでに食材が歩み寄り、何かを語りかけているはずじゃよ」
「食材が……」
「語りかける……」
これは節乃さんのアドバイスに違いない。それにこれは前に店を訪れたときに言われた。あのときはなんのことかよくわからなかったけど……今は心に深く伝わっている。
「瑞貴のことか?」
「ああ。龍に変身できるなんて普通じゃない……あの力を本格的に解放すれば最強になるぞ。ヘタすればお前たち四天王以上にな」
「…………」
それはトリコも感じていただろう。少し話しただけで……いや、その姿を見ただけでこの世のものとは思えない圧倒的な力が伝わっていた。
「トリコはずっと一緒にいるようだが、お嬢ちゃんのあの力を知っていたのか?」
「いや、俺も初めて見た。今まで薙刀か自らの手で出した自然の技しか見たことがなかったんだ。まさか瑞貴にあんな力があったなんて……」
「悪いことは言わない。――あのお嬢ちゃんを連れて行くのは金輪際やめといたほうがいい」
「!」
鉄平から予想外のことを告げられたトリコは目を見開いたが、次いで睨むように眉をしかめる。
「……なんでだ?」
「マッチから聞いたんだが、あの子が龍に変わったキッカケは傷ついたお前らを見たからだ。恐らく感情の激しさによって変化するんだろう。この先お前が美食會と戦うことが何度もあるのは間違いないし、その度にお嬢ちゃんは龍に変身するかもしれない」
鉄平はアイスヘルの青龍の言葉と行動を思い返した。いくつか思う点があったからだ。
「味方として戦ってくれたら頼もしいが……あの龍は『姫を守る者』、『姫以外などどうでもいい』と言っていた。ヘタをすればお嬢ちゃん以外を容赦なく排除してしまうだろう……トリコ、お前でもな」
「…………」
「美食會に狙われてるって聞いたけど、あの強さがあるなら大丈夫だろ。連れて行くのに抵抗があるのなら、この件をキッカケに二度と会わない方が――」
「瑞貴は強くねぇよ。むしろ脆い」
「!?」
まさかそう回答が来るとは思っていなかったらしく、鉄平は驚いてトリコを見た。彼はさっきと違って意志の強い目をしている。
「瑞貴は力のことをずっと前から知っていたんだ。何度も『力をコントロールしたい』って言って修業してきたしな。それに加えてあいつは自分の存在を恐れているんだ」
「恐れている……?」
「詳しくは本人の許可ナシじゃ言えねぇが、瑞貴は自分が存在してはいけない人間だと思っている。だけど――瑞貴は普通の人間だ」
「普通の人間……」
「普段は明るくて強くても、いざというときは弱い部分もある。だから俺はそれを全部ひっくるめて、瑞貴のそばにいて守りたい」
トリコの言葉を聞いて鉄平は顔をうつむけて再び思い返した。自分のおしゃべりさに怒ったり、からかったり、スープを作ると決意したり、楽しそうに食事をしたり……その姿を見る度に青龍に変身したなど忘れかけてしまうくらいだった。
「俺はあいつをこの世界にいていいとわかってほ…し…い……」
「トリコ?」
急に声音が弱くなったので鉄平は顔を上げると、トリコの様子がおかしかった。大量に汗をかいているし、目も虚ろになっている。
ガチャ。
「経過はどうだ? トリコ……―――ん!?」
「ゲホッ!」
戻ってきた与作が目にしたのは、トリコが苦しそうに嘔吐している姿だった。鉄平も立ち上がり、その異変に気づいたのか寝ていたサニーもリンも目が覚める。
「トリコ!」
「ンだ!?」
「トリコ!?」
「な、なんだ……!?」
体の異変に一番困惑しているのはトリコ自身だった。
☆☆☆☆☆
節乃さんにスープを味見してもらったけど、すぐにアドバイスはもらえなかった。だけど節乃さんの月日を考えたらいてもたってもいられず話し合いたいため、私たちは帰ることにする。節乃さんも見送ってくれるので、入口の前で私たち二人は礼をした。
「フッフッフッ、また何かあったらおいで――と言ってももう来ることはないかもしれんがの」
「「えっ?」」
「瑞貴ちゃん、小松くん、忘れるなよ。いつでもあたしゃたち料理人は食材に選ばれている。そっと耳を澄ますんじゃ……食材の声がきっと正しい答えを導いてくれる。お主たちにはもうすでに食材が歩み寄り、何かを語りかけているはずじゃよ」
「食材が……」
「語りかける……」
これは節乃さんのアドバイスに違いない。それにこれは前に店を訪れたときに言われた。あのときはなんのことかよくわからなかったけど……今は心に深く伝わっている。