さらばアイスヘル! セツ婆の秘めた力!
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「お主のその腕、ひょっとしたら治るやもしれんじょ」
「えっ!? マジ!?」
「『ライフ』という国へ行けば、可能性はほんの少しじゃがある」
「!」
節乃さんが言った国の名前に滝丸くんが目を見開いた。そっか、彼の求めている薬はライフにあるんだよね。
「他にも重傷者がいるし、すぐに向かったほうがいいかもしれない」
「ちょうど腕の立つ再生屋もおることだしの」
「いや~! アハハハッ!」
「って、今笑っとる奴の師匠のことじゃ」
「ガクッ」
照れるように笑う鉄平を節乃さんは一刀両断した。弟子だから師匠には及ばないかもしれないけど……。
「でも鉄平も腕は立つよね。トミーロッドをあっという間にノッキングしたし、トリコたちを動けるように手当てもできたし」
「お嬢ちゃん!」
「おしゃべりなのが玉にキズだけど」
「……お嬢ちゃん、俺のことそこまで嫌い?」
「嫌いじゃないよ」
「ホント!?」
「でも好きとも言い難い」
「…………」
上がったり落ち込んだり大変だなぁ。見ている分には面白いしからかいやすいけど。
「お前がそこまで言うなんて、俺以来じゃねぇか?」
「そういえばそうだね。第一印象が最悪だったせいかな。何度か技をくらわそうとしたし」
「思いっきり本気でしたもんね……」
全部小松さんに止められたけど、本当に誰か止めなかったら問答無用でやってたよ。
「行く必要のない者もおるが、ライフで治療している間に小松くんと瑞貴ちゃんはスープを作る……そうじゃろ?」
「「はい!」」
「必ず作ってみせます!」
「本物のセンチュリースープを!」
「フフッ、瑞貴ちゃんと小松くんは同じ場所に降ろそうか。一緒にスープを作るんじゃしの」
「えっ?」
「おや、違うのか? さっきスープを作ると言ったじゃろ」
「いえ。私は私で、小松さんは小松さんで作るものだと思っていたので」
ガララワニのとかも宝石の肉(ジュエルミート)のときも、小松さんが一緒にいたとはいえ作るのは別メニューだった。むしろ私にとっては一人で調理するのは当たり前だったから、別々に作るのに違和感がないし……。
ギュッ。
「小松さん?」
突然小松さんが私の両手を取ったので思わず目をパチクリすると、彼は真剣な顔でいた。
「一緒に作りましょう。僕もスープを本当に完成できるかどうかの不安が全然ないと言えませんが、瑞貴さんと一緒なら絶対に完成すると思うんです!」
「でも……ホテルで作るなら部外者の私が厨房に入って大丈夫かな?」
「僕が支配人にお願いするので平気です!」
「あたしゃもイチちゃんに頼んでおくじょ」
一緒に……か。トリップして以来は同じ物を一緒に作るなんてなかったから、ずいぶん久しぶりな気がする。――でも、嬉しい!
「小松さん――よろしくお願いします」
「はい! こちらこそ!」
「節乃さんも、ありがとうございます」
「スープが完成する日を楽しみにしとるよ。――よし、では出発するじょ。あたしゃがこのままリムジンクラゲで送ってやるわ。目指すは癒しの国・ライフじゃ!」
節乃さんの合図でリムジンクラゲの加速は増していくので、私と小松さんの窓の外から小さくなっていくアイスヘルを見る。
「いろんな経験と発見があったね」
「はい。ありがとう……。そしてバイバイ、アイスヘル……」
☆☆☆☆☆
リムジンクラゲの中は快適だから、私たちはゆっくり休みながらライフへ着くのを待っていた。一部の人たちもライタースーツから着替えているし、トリコも窓に腕を置いて外を見ている。
「癒しの国・ライフ……俺も初めて行くぜ」
「俺の部下三人も目を覚ます可能性があるのか?」
「滝丸くんもそうだが、みんなアイスヘルという場所とお嬢ちゃんが変身した龍に救われた」
「!」
「まず圧倒的な寒さにより、瞬間的に血液が凍り失血を免れた。さらに心肺停止もわずか数秒で冷凍保存状態になった。あの場所が極寒地獄だったことに感謝するんだな。それに龍が冷気でさらに適度に凍らせてくれたおかげで一部も失うことなく手当てができた」
極寒地獄と言えば聞こえは悪いけど、見方を変えればとてもありがたい場所なんだね。
「えっ!? マジ!?」
「『ライフ』という国へ行けば、可能性はほんの少しじゃがある」
「!」
節乃さんが言った国の名前に滝丸くんが目を見開いた。そっか、彼の求めている薬はライフにあるんだよね。
「他にも重傷者がいるし、すぐに向かったほうがいいかもしれない」
「ちょうど腕の立つ再生屋もおることだしの」
「いや~! アハハハッ!」
「って、今笑っとる奴の師匠のことじゃ」
「ガクッ」
照れるように笑う鉄平を節乃さんは一刀両断した。弟子だから師匠には及ばないかもしれないけど……。
「でも鉄平も腕は立つよね。トミーロッドをあっという間にノッキングしたし、トリコたちを動けるように手当てもできたし」
「お嬢ちゃん!」
「おしゃべりなのが玉にキズだけど」
「……お嬢ちゃん、俺のことそこまで嫌い?」
「嫌いじゃないよ」
「ホント!?」
「でも好きとも言い難い」
「…………」
上がったり落ち込んだり大変だなぁ。見ている分には面白いしからかいやすいけど。
「お前がそこまで言うなんて、俺以来じゃねぇか?」
「そういえばそうだね。第一印象が最悪だったせいかな。何度か技をくらわそうとしたし」
「思いっきり本気でしたもんね……」
全部小松さんに止められたけど、本当に誰か止めなかったら問答無用でやってたよ。
「行く必要のない者もおるが、ライフで治療している間に小松くんと瑞貴ちゃんはスープを作る……そうじゃろ?」
「「はい!」」
「必ず作ってみせます!」
「本物のセンチュリースープを!」
「フフッ、瑞貴ちゃんと小松くんは同じ場所に降ろそうか。一緒にスープを作るんじゃしの」
「えっ?」
「おや、違うのか? さっきスープを作ると言ったじゃろ」
「いえ。私は私で、小松さんは小松さんで作るものだと思っていたので」
ガララワニのとかも宝石の肉(ジュエルミート)のときも、小松さんが一緒にいたとはいえ作るのは別メニューだった。むしろ私にとっては一人で調理するのは当たり前だったから、別々に作るのに違和感がないし……。
ギュッ。
「小松さん?」
突然小松さんが私の両手を取ったので思わず目をパチクリすると、彼は真剣な顔でいた。
「一緒に作りましょう。僕もスープを本当に完成できるかどうかの不安が全然ないと言えませんが、瑞貴さんと一緒なら絶対に完成すると思うんです!」
「でも……ホテルで作るなら部外者の私が厨房に入って大丈夫かな?」
「僕が支配人にお願いするので平気です!」
「あたしゃもイチちゃんに頼んでおくじょ」
一緒に……か。トリップして以来は同じ物を一緒に作るなんてなかったから、ずいぶん久しぶりな気がする。――でも、嬉しい!
「小松さん――よろしくお願いします」
「はい! こちらこそ!」
「節乃さんも、ありがとうございます」
「スープが完成する日を楽しみにしとるよ。――よし、では出発するじょ。あたしゃがこのままリムジンクラゲで送ってやるわ。目指すは癒しの国・ライフじゃ!」
節乃さんの合図でリムジンクラゲの加速は増していくので、私と小松さんの窓の外から小さくなっていくアイスヘルを見る。
「いろんな経験と発見があったね」
「はい。ありがとう……。そしてバイバイ、アイスヘル……」
☆☆☆☆☆
リムジンクラゲの中は快適だから、私たちはゆっくり休みながらライフへ着くのを待っていた。一部の人たちもライタースーツから着替えているし、トリコも窓に腕を置いて外を見ている。
「癒しの国・ライフ……俺も初めて行くぜ」
「俺の部下三人も目を覚ます可能性があるのか?」
「滝丸くんもそうだが、みんなアイスヘルという場所とお嬢ちゃんが変身した龍に救われた」
「!」
「まず圧倒的な寒さにより、瞬間的に血液が凍り失血を免れた。さらに心肺停止もわずか数秒で冷凍保存状態になった。あの場所が極寒地獄だったことに感謝するんだな。それに龍が冷気でさらに適度に凍らせてくれたおかげで一部も失うことなく手当てができた」
極寒地獄と言えば聞こえは悪いけど、見方を変えればとてもありがたい場所なんだね。