最後の滴! センチュリースープは誰の手に!?
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
☆☆☆☆☆
私と鉄平が感じた強い気配が真上に来たせいか、トリコも感じ取ったみたい。
「ヤベェな、この気配……。実力はトミーを上回っている……!」
「まさか!」
「スープがたくさんあれば、体力を回復して戦えたが……まっ、この腕で勝てるかどうかは怪しいか」
「私もあれだけの量じゃ青龍になれない……」
「とにかく、今は逃げるしかないな」
マッチさんは驚いているけど副料理長クラスより上なのは間違いない。ここは鉄平の言う通りに逃げよう。私たちは先ほど担いだ人物をもう一度担ぐ。
「トリコさん……置いて行ってください……。僕がいては足手まといになる……」
「滝丸…お前……」
「――何言ってるんですか!」
「えっ?」
トリコに支えられながら自己犠牲の考えを持つ滝丸くんに喝を入れたのは――小松さんだった。
「せっかく助かった命ですよ!? 滝丸さんにも僕と瑞貴さんが作ったセンチュリースープ、いっぱい飲んでもらうんですから! 一緒にここから出ましょう!」
「小松くん……」
全くもって小松さんの言う通りだ。私もルイさんを担ぐ腕とは反対の手で滝丸くんの肩に置く。
「それに滝丸くんの当初の目的は達成してないでしょ。脱出すれば薬を買うための資金を集める方法が他にもあるよ、きっと」
「瑞貴さん……」
大事な恩人を助けたいならこんなとこで倒れるわけにはいかないもんね!
「と言っても、嫌な気配は上から来る。上へ上がって氷山を出るわけにはいかねぇ。どこか他の出口を見つけないと――」
「だー! はがっ!」
周りを見渡す鉄平に声をかけたのはゾンゲだった。相変わらずノッキングの作用で何を言っているかわからないから、白川に通訳してもらわないと。
「おーい! 『ノッキングを解け』とゾンゲ様が言ってるぞー! 『そしたらいい帰り道を教える』ってな!」
「何っ!?」
「ホントかよ!?」
「うーだー……」
「『俺様を誰だと思っている!』と言っている!」
「誰?」
「確か……ボンゴさん?」
「あんたら、いつになったら名前覚えんの?」
本当にトリコも小松さんもワザとじゃないよね!?
「とにかく、その出口へと案内してくれ! すぐ氷山出ないと……またさらにとんでもねぇのがもう一人、来たみたいだからな」
やっぱり気のせいじゃなかったんだ。でもこの気配……どこか感じたことがあるような?
☆☆☆☆☆
……瑞貴と鉄平の推測通り、地上にいるアルファロはバリーガモンとボギーウッズと共に、地下へと続く入口に入ろうとしていた。
「奴ら一人も逃がしませんよ……」
「――フッフッフッ。まあ、待ちなさい」
「ん?」
「「うおっ!?」」
新たな声に三人が振り向けば、アルファロはなんともなかったがボギーウッズっバリーガモンはギョッとしたように肩を上げた。
「小童共、ここから先は行かせないよ」
「節乃……!」
「ウッフッフッフッ」
なんと美食會の前に現れたのは、瑞貴とトリコたちに旅を提案し鉄平の師匠に依頼した張本人の――美食人間国宝・節乃だった。