最後の滴! センチュリースープは誰の手に!?
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……氷山の外ではパラサイトエンペラーとヘルボロスが未だに戦いを繰り広げてあた。その離れた場所では防寒具ナシで悠然と歩くマントの男がいる。
「遅いので迎えに来たら、そういうことでしたか」
《ハイ。鉄平ガ来テイルトハ誤算デシタ。サラニコノミクロ型ノ操縦ノ難シサトパワーノ無サ……。人間一人殺セナカッタノハ何気ニショックデシタヨ》
男の肩に乗っているのは小松を襲った白いミクロ型のGTロボだった。
「それは仕方のないことです……いや、ミクロ型を操れるだけで大したものですよ、ユー。とにかくご苦労様でした、スープのゲット」
《勿体ナキオ言葉ヲ……アル様》
「お疲れでしょう。ロボは私が持って帰りますから、どうぞマントの中へ」
《ハッ、アリガトウゴザイマス》
マントの男――アルファロに許可をもらったユーは彼のマントに潜り込み、GTロボの電源を切った。話している間にアルファロも二体が戦っているそばまで来たようだ。
「しかし、うるさいですね……」
〈キュアァァアアア!〉
〈ドリュアァァアアア!〉
お互い食うか食われるかの戦いをする中、アルファロはマントに隠れていた八本の腕から皿を取り出した。
「皿手裏剣!!」
忍者のように放った皿が、ヘルボロスもパラサイトエンペラーも八つ裂きにしてしまった。そして皿には傷一つなく正確に戻って行く。美食會のボスの側近でありギャルソン・アルファロの元へ……。
「ん? 彼らの中にいたのですね」
「「うわあぁぁあああ!!」」
千切れた肉の破片と共に落ちて来たのはヘルボロスに食われたボギーウッズとバリーガモンだ。幸いまだ消化されていなかったらしい。そのまま真っ逆さまに落ちてしまうが無事だったようだ。
「ア、アルファロ様!」
「ええっ!?」
起き上がった二人はアルファロの存在に気づくと慌てて起き上がる。
「なんですか、そのザマは」
「も、申し訳ありません!」
「それで、トミーはどこです?」
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さっきまで地響きと鳴き声の連続だったのに急に静かになった。
「鳴き声がやんだ?」
〈クポッ!〉
〈ユーン……〉
「どうしたんでしょう?」
決着がついたんだろうか。それでもあの二体のことだから、そのまま大人しくするはずがないだろうに……。
「――うっ…うぅっ……」
「あっ、滝丸くん! 気がついたんだね!」
「おおっ! 滝丸!」
「滝丸さん!」
私の声に反応してトリコも小松さんも滝丸くんに近づく。
「滝丸くん、私がわかる? 今までのことも覚えてる?」
「はい…瑞貴さん……」
「よかった……」
ダメージのショックで記憶がトンだろしてないみたい。ドクターアロエの効果もあって私は心底ホッとした。
(僕はこの笑顔を守れたんだ……。そして…やっぱり僕はあなたが好きだ……)
……ボギーウッズに散々貶されながらも瑞貴への想いは揺るがなかった。そして改めて彼女の笑顔を確認した滝丸は想いを確認した。次いでトリコたちに顔を向ける。
「ス、スープは……?」
「……すみません」
「そうですか……」
小松さんのひと言で滝丸くんも察したらしい。恩人の薬を買うためのスープだったのに、小松さんを責めることはなかった。