さばけ猛毒フグ鯨! 四天王ココ登場!
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「これを使うには私のエネルギー……簡単に言えば気力と引き換えなんです。デビル大蛇のときに備えようかと」
「なるほどね。それはいい心掛けだ」
「ありがとうございます」
そう言って私は灯火を消すと、小松さんはココさんに顔を向けた。
「けどココさんは明かりもなく、よく進めますね」
「ココにはな、人間には見えねぇ赤外線から弱い紫外線まで、全部見えちまうらしい」
「えっ?」
「目には、光を受ける細胞――視細胞があってね。僕の視細胞は常人の数百倍……この暗闇でも昼間のように明るく見えるんだ」
それは便利だな……部屋の明かりに使う電気代が浮きそう。
「それだけじゃねぇ。ココの目は普通の人間には見えねぇ電磁波も捉える」
「ああ、まあね。僕の占いは人から出る電磁波の色や形、量を捉えてその人の将来を見るんだ」
「じゃあ、僕の未来も見てください! 一流の料理人になれますかね?」
(光がさらに微弱に?)
浮き足立ってうしろに下がる小松さん。ココさんは電磁波を見ているのか眉をしかめている……――あっ!
「小松さん! 危ない!」
「待て! 止まれ!」
「へっ? うわあ!」
私とココんが制止の声を上げたのも遅く、小松さんは崖に落ちた――が、トリコが手首をつかんでくれたので危機一髪だった。
「何してんだよ」
「スミマセン……。ん? なんか音がするんですけど……」
カサカサという音に下を見れば、捕獲レベル7の昆虫獣類・サソリゴキブリの群れが現れた。
「「ええ/わみゃ――っ!?」」
私はトリコに引き上げられた小松さんと同時に悲鳴を上げた。だって捕獲したことはあるけど、こんなにウヨウヨ来るとキモい! どこかの四天王のように言うならキモさMAX!
「サソリゴキブリは猛毒で獲物を溶かし、食い尽くしちまう」
「……先に降りる」
「先に降りるって……?」
「あとから付いて来てくれ」
ココさんは首と手首の包帯とターバンを取ると肌が紫色に変わった。そしてジャンプしてサソリゴキブリの群れの中心に降りると、近づいてきたサソリゴキブリは次第にココさんから離れて行った。
「スゴい……!」
「奴らも察知したらしいな。――ココの持つ毒の脅威を。さっ、俺らも降りるぞ」
「はい!」
「…………」
「瑞貴?」
「あっ、うん。今行く」
小松さんを背負ったトリコが降りて続いて私も降りた。サソリゴキブリはココさんの毒の脅威で私たちに近づくことはなく、なんなくそのエリアを突破することができた。
安全を確認したココさんは再び緑の包帯を首と手首の包帯を首に巻き、ターバンを着ける。
「驚かせたね。もう安心していいよ」
「美食屋は毒を持つ生物に対抗するために、人工的に『抗体』を作る」
「抗体って……毒を中和して、毒の効果を無くすやつですよね?」
「俺でだいたい七十種類の抗体を持っているが、ココの持つ抗体は約五百。美食屋の中でも群を抜いている」
「たまたま常人よりも毒に耐えられる体質で、抗体を作れたのさ。でもね……」
……ココは悲しそうに笑って自分の手の平を見つめる。
「抗体は、微量の毒を時間をかけて注入して作るんだ。僕は多量の毒を短期間で注入したために毒が混合して、新たな毒が生まれた……。猛獣が逃げ出すほどの、強力な毒がね」
「…………!」
……小松はグルメフォーチュンに着いた頃を思い出した。クエンドンがココに触れる寸前で退散したのは、ココが持つ毒に恐れたからだ。
「今では僕は『毒人間』……最も品のない存在さ……」
「…………」
「瑞貴ちゃん、怖がらせてごめんね」
ココさんはサソリゴキブリを突破してから、何も言わずうつむいている私に謝ってきた。
「謝らないでください……」
ココさんが謝る必要なんてどこにもない。だって――。
「スッゴくカッコよかったです!」
「「「……えっ?」」」
顔を上げた途端に目を輝かせた私に、ココさんだけじゃなくトリコも小松さんも呆気に取られていた。でも今の私には関係ない!
「ターバン取って紫色になったココさん、超カッコよかった! 今まで紳士的な大人の男性ってイメージだったけど、逆に戦う男って感じになってギャップ萌えでした!」
「ギャ、ギャップ萌え?」
「はい! 私、可愛いモノとギャップが好きなので!」
堂々と言うことじゃないけどテンションが上がっている私は、リミッターが外れたかのように興奮している! やっぱり画面で見るのと生で見るのとは全然違うよ!
「怖くないのかい……? さっきも言ったけど僕は毒人間で……」
「あっ、私は環境適応人間なんで毒とか平気です。それに私、雷を直撃で受けたことありますよ」
「雷を直撃で!?」
「この二人が証人です。ねっ」
驚くココさんに対し、私はトリコと小松さんに顔を向けて聞くと、二人は私のミーハーぶりに衝撃的なのか黙ったままコクコクと首を縦に振った。
「なのに生きてる私を、ココさんは怖いと思いますか? 変な人間だと思いますか?」
「そんなことない!」
「ありがとうございます。だから私もココさんを怖いなんて全然思いませんよ。それに今は紫の肌じゃないってことは、毒を出さないよう制御しているってことですよね」
「ま、まあね……」
「それは努力の賜物です! ココさん、毒は攻撃するためじゃなく命を守るためにもあるんですよ。毒を持つ生き物は敵から自身の身を守るためじゃなく『自分の種族は毒を持っている』って子孫の安全のために教えているんです。見方を変えればスゴいことですよね!」
私はココさんの右手をギュッと握ると、驚いたように目を見開かれた。
「だからココさんも悲観するんじゃなく、前向きに自分やみんなを守る大切な武器と思ってください! 実際私たちもサソリゴキブリの被害に合わなかったんですから!」
「瑞貴ちゃん……」
「さっ、行きましょう!」
私はココさんの手を引っ張って洞窟の奥に進んで行く。しばらく危険な気配も感じないし大丈夫だもん。
「なるほどね。それはいい心掛けだ」
「ありがとうございます」
そう言って私は灯火を消すと、小松さんはココさんに顔を向けた。
「けどココさんは明かりもなく、よく進めますね」
「ココにはな、人間には見えねぇ赤外線から弱い紫外線まで、全部見えちまうらしい」
「えっ?」
「目には、光を受ける細胞――視細胞があってね。僕の視細胞は常人の数百倍……この暗闇でも昼間のように明るく見えるんだ」
それは便利だな……部屋の明かりに使う電気代が浮きそう。
「それだけじゃねぇ。ココの目は普通の人間には見えねぇ電磁波も捉える」
「ああ、まあね。僕の占いは人から出る電磁波の色や形、量を捉えてその人の将来を見るんだ」
「じゃあ、僕の未来も見てください! 一流の料理人になれますかね?」
(光がさらに微弱に?)
浮き足立ってうしろに下がる小松さん。ココさんは電磁波を見ているのか眉をしかめている……――あっ!
「小松さん! 危ない!」
「待て! 止まれ!」
「へっ? うわあ!」
私とココんが制止の声を上げたのも遅く、小松さんは崖に落ちた――が、トリコが手首をつかんでくれたので危機一髪だった。
「何してんだよ」
「スミマセン……。ん? なんか音がするんですけど……」
カサカサという音に下を見れば、捕獲レベル7の昆虫獣類・サソリゴキブリの群れが現れた。
「「ええ/わみゃ――っ!?」」
私はトリコに引き上げられた小松さんと同時に悲鳴を上げた。だって捕獲したことはあるけど、こんなにウヨウヨ来るとキモい! どこかの四天王のように言うならキモさMAX!
「サソリゴキブリは猛毒で獲物を溶かし、食い尽くしちまう」
「……先に降りる」
「先に降りるって……?」
「あとから付いて来てくれ」
ココさんは首と手首の包帯とターバンを取ると肌が紫色に変わった。そしてジャンプしてサソリゴキブリの群れの中心に降りると、近づいてきたサソリゴキブリは次第にココさんから離れて行った。
「スゴい……!」
「奴らも察知したらしいな。――ココの持つ毒の脅威を。さっ、俺らも降りるぞ」
「はい!」
「…………」
「瑞貴?」
「あっ、うん。今行く」
小松さんを背負ったトリコが降りて続いて私も降りた。サソリゴキブリはココさんの毒の脅威で私たちに近づくことはなく、なんなくそのエリアを突破することができた。
安全を確認したココさんは再び緑の包帯を首と手首の包帯を首に巻き、ターバンを着ける。
「驚かせたね。もう安心していいよ」
「美食屋は毒を持つ生物に対抗するために、人工的に『抗体』を作る」
「抗体って……毒を中和して、毒の効果を無くすやつですよね?」
「俺でだいたい七十種類の抗体を持っているが、ココの持つ抗体は約五百。美食屋の中でも群を抜いている」
「たまたま常人よりも毒に耐えられる体質で、抗体を作れたのさ。でもね……」
……ココは悲しそうに笑って自分の手の平を見つめる。
「抗体は、微量の毒を時間をかけて注入して作るんだ。僕は多量の毒を短期間で注入したために毒が混合して、新たな毒が生まれた……。猛獣が逃げ出すほどの、強力な毒がね」
「…………!」
……小松はグルメフォーチュンに着いた頃を思い出した。クエンドンがココに触れる寸前で退散したのは、ココが持つ毒に恐れたからだ。
「今では僕は『毒人間』……最も品のない存在さ……」
「…………」
「瑞貴ちゃん、怖がらせてごめんね」
ココさんはサソリゴキブリを突破してから、何も言わずうつむいている私に謝ってきた。
「謝らないでください……」
ココさんが謝る必要なんてどこにもない。だって――。
「スッゴくカッコよかったです!」
「「「……えっ?」」」
顔を上げた途端に目を輝かせた私に、ココさんだけじゃなくトリコも小松さんも呆気に取られていた。でも今の私には関係ない!
「ターバン取って紫色になったココさん、超カッコよかった! 今まで紳士的な大人の男性ってイメージだったけど、逆に戦う男って感じになってギャップ萌えでした!」
「ギャ、ギャップ萌え?」
「はい! 私、可愛いモノとギャップが好きなので!」
堂々と言うことじゃないけどテンションが上がっている私は、リミッターが外れたかのように興奮している! やっぱり画面で見るのと生で見るのとは全然違うよ!
「怖くないのかい……? さっきも言ったけど僕は毒人間で……」
「あっ、私は環境適応人間なんで毒とか平気です。それに私、雷を直撃で受けたことありますよ」
「雷を直撃で!?」
「この二人が証人です。ねっ」
驚くココさんに対し、私はトリコと小松さんに顔を向けて聞くと、二人は私のミーハーぶりに衝撃的なのか黙ったままコクコクと首を縦に振った。
「なのに生きてる私を、ココさんは怖いと思いますか? 変な人間だと思いますか?」
「そんなことない!」
「ありがとうございます。だから私もココさんを怖いなんて全然思いませんよ。それに今は紫の肌じゃないってことは、毒を出さないよう制御しているってことですよね」
「ま、まあね……」
「それは努力の賜物です! ココさん、毒は攻撃するためじゃなく命を守るためにもあるんですよ。毒を持つ生き物は敵から自身の身を守るためじゃなく『自分の種族は毒を持っている』って子孫の安全のために教えているんです。見方を変えればスゴいことですよね!」
私はココさんの右手をギュッと握ると、驚いたように目を見開かれた。
「だからココさんも悲観するんじゃなく、前向きに自分やみんなを守る大切な武器と思ってください! 実際私たちもサソリゴキブリの被害に合わなかったんですから!」
「瑞貴ちゃん……」
「さっ、行きましょう!」
私はココさんの手を引っ張って洞窟の奥に進んで行く。しばらく危険な気配も感じないし大丈夫だもん。