真っ向勝負! 激闘トリコ対トミーロッド!
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私たちは鉄平の正体が再生屋と知り、小松さんやティナさんは盛大に驚いていた。
「しょ、食の再生屋!?」
「ああっ…あああっ……」
「どうしました? ゾンゲ様」
ゾンゲは鉄平のノッキングのせいで体が動かせず唸り声を出すことしかできない。白川は蚊炉に近づいて通訳をする。
「『再生屋って、なんだコラ』と」
「別名・グルメリバイバー。希少な食材を保護したり絶滅危惧種を繁殖させたり、世界中の食材を枯渇から守る食の救急隊よ」
「美食屋のみなさんと同じくらい重要な存在……ですよね」
白川の――もとい、ゾンゲの疑問にティナさんと小松さんが答えると、鉄平は顎に手を当てる。
「まあ、俺は多くの美食屋のように国やIGOに雇われているわけじゃない。フリーの再生屋だけどねぇ」
「ちょっとマヌケで変な人だなぁって思っていたら、まさか再生屋だったなんて!」
「小松さんも結構言うねぇ。まあ、実際その通りだけど」
「……お嬢ちゃんが一番言うねぇ。で、君たちは?」
「申し遅れました。僕は小松と申します。料理人です」
「……瑞貴。見ての通り美食屋」
「だから瑞貴さん、もうちょっと愛想よく……」
「ムリ」
「料理人に美食屋かぁ。お嬢ちゃんはともかく、ずっとトリコと一緒にいたってことはトリコのパートナーかな?」
「トリコさんを知ってるんですか?」
「あいつは有名だからな。まっ、俺も覆面しなきゃならないくらい有名だけど」
自分で言ってるよ、こいつ。有名ってわりには小松さんやティナさんから全然気づかれなかったくせに。
「正体を隠すために覆面を?」
「美食屋と再生屋では、目的が逆だからなぁ」
その言葉にティナさんはハッと目を見開く。
「美食屋は食材の『捕獲』、再生屋は食材の『保護』!」
「その通り。この旅で唯一目的が違う俺が、正体をさらすわけにはいかねぇ」
「でも、どうしてわざわざ正体を隠してまで……?」
「ある人の依頼でセンチュリースープの調査に来たんだ。案の定スープのダシはもう残ってなかった。グルメショーウィンドーの食材は、もうこの世にはない絶滅種。いくら俺でも再生は難しいぞ」
氷に座る鉄平が見上げる天井にはグルメショーウィンドーの先端。普通ならここからセンチュリースープが出るけど、長年の間に絞り取られたからもう残ってないのだろうか……。