食の再生屋と伝説のスープの行方!
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……トリコの皮膚の色が元に戻ってくるが、その目はトミーロッドへの怒りがあった。
「戦った仲間の労を少しは労ってやれよ……!」
「あ~?」
「熱い……! トリコの体…スゲェ熱だ……!」
近くにいるマッチは特に感じ取れる。トリコの体から熱風が出たような状態なのだ。
「なんだかな~。スゲー幼稚なことを言うんだね」
「っ!」
「役に立たん奴は全部ゴミだろ。殺してよくね?」
トミーロッドの口から昆虫の足がたくさん出てきた。まるで今すぐにでも出るかのように。
「トリコ、お前も……――早く死んでぇえ!!」
またしても口から大量に昆虫を出したトミーロッドだが、トリコは怒りで歯を食いしばっていた。
「トミーロッド……稀に見る下劣な野郎だ!! 確実に駆除してやろう!!」
トリコは瑞貴のおかげで氷は溶けたものの未だに動かない右手を上げ、再び皮膚を赤くして体から熱風のようなものを吹き出した。
「はああぁぁあああ!!」
「トリコ……! クッ! なんだ……こりゃ……!?」
その蒸気にマッチも圧倒されるように倒れてしまう。かろうじて上半身を起こせるのが精一杯だった。
そしてだんだんと硬直したはずのトリコの右手が変化する。指を軽く曲げたり拳にして完全に動けるようになったことを確認する。
「よし!」
「なっ! 硬直した右手が!」
「なるほど。シバリングで解いたってわけ」
シバリング――寒さで体温が下がったとき、身震いで体温を上げる生理現象だ。トリコはシバリングで大気が震えるほどの強烈な振動を放ち、それで物凄い熱を生み出したのだ。
(だからこの氷点下の中、ライタースーツナシでいられるのか! さらにシバリングを右手に集中させて、か……。スゲェ……! ストーブかよ……!)
しかしそれは同時に大きなリスクを背負うことになる。マッチもトミーロッドもそれに気づいていた。
「けど、それだけのことをするには相当カロリーを消費してんだろうな……!」
「フンッ、幼稚な技を」
「お前も虫に頼らず自分でかかって来いや!」
「……やだね。ブアッカー!!」
「ふんぬぅぅううう!!」
大量に出した昆虫にトリコは動くようになった右手でフライングナイフを連続出すと、昆虫とぶつかり合ったときに走り出した。
「やっとお前に近づけるぜ! トミーロッド!!」
トミーロッドは両腕を組んだままだが、隙を見せようが見せまいがこの機をトリコが逃すはずがない。
「くらえ! 10連釘パンチ!!」
トリコが釘パンチを放とうとしたとき、トミーロッドは大きく口を開けた。その中にはボギーウッズやバリーガモンが特に恐れて、トミーロッド自身も『危険』と判断した虫の顔だった。