食の再生屋と伝説のスープの行方!
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……地下でそんな奮闘(?)をして砕氷船が帰ったなど露知らず、マッチは爆虫が爆発した衝撃の煙の中のトリコを探していた。
「ゲホッゲホッ。ト、トリコ、どこだ!? トリコ!」
煙が晴れて視界が見えるようになると、トリコはライタースーツの上がなくなっただけだった。彼の姿にマッチもホッとする。
「フフフ…ヒャハハハ…ヒャーハッハッハッ! 爆発寸前に虫ごと脱ぎ捨てたか! アハハハッ! てか、防寒服ナシで戦えるの!?」
「心配すんなよ」
「え~?」
「すぐにでもお前を倒すからな」
「ムチャだ……! この氷点下で…ライタースーツナシじゃ戦えねぇよ……俺のを使え……」
「マッチ……!」
なんとマッチは自分のライタースーツの上を脱いで寒さに震えながらもトリコに渡そうとした。しかしそれではマッチが耐えきれず、体勢を崩してしまう。
「マッチ!」
「一緒に戦いてぇが…残念ながら俺では足を引っ張ることになりそうだ……。情けねぇ……これくらいのことしかできねぇんだ……許してくれ……!」
「お前……! っ!」
マッチを支えながら見えた先には、倒れたボギーウッズと滝丸がいた。
「滝丸……。そうか、戦いが終わったんだな……」
トミーロッドを背にしているためトリコの背後からジョンガルクワガタが襲い掛かってくる。正面を見ていたマッチはライタースーツを一向に受け取らないトリコに声をかける。
「っ! トリコ、うしろだ! おい! 虫が来てる、ヤベェぞ!」
「マッチ――よく戦ってくれた。ありがとう」
「トリコ……」
昆虫の気配にはトリコも気づいているだろうに、彼は優しく微笑んでいた。それどころか戦い終わったマッチを労っている。。
「ライタースーツはお前が使うんだ。俺には必要ない」
(なんだ? この感覚……。まるで…まるで巨大な森にでも包まれているような……)
不思議な感覚がしたマッチが顔を上げると、ジョンガルクワガタが飛んでいるだけで全く襲い掛かってこないのだ。しかも敵意すらないようだ。
その間にトミーロッドは倒れたボギーウッズとバリーガモンを見て奇声を上げた。
「キエ――ッ!! 何負けてんの、お前ら!? もういらねぇ……せめて虫の餌になれよ!」
トミーロッドは今まで以上に大量の昆虫を口から出した。
「クズ共に卵を産みつけな、虫共!!」
「おいやめろ! あいつらまだ死んでねぇぞ! やめろ! 仲間なんだろうが!?」
ボギーウッズとバリーガモンの生死はマッチも確認した。だからこそ敵でもトミーロッドの攻撃を止めようと声を上げるが、聞く耳を持たない。
「うわあぁぁあああ!!」
すると立ち上がったトリコから突風が吹き荒れた。昆虫たちは壁に叩きつけられ、トリコの体が赤くなっている。
「い、今のは……大気が一瞬震えた……!? 熱い…この熱はトリコから……? いったい何が起きているんだ!?」
近くにいるマッチはその熱気を感じ取り、トリコはトミーロッドに顔を向けた。