さばけ猛毒フグ鯨! 四天王ココ登場!
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〈ア゙ァ゙〉
「えっ?」
小松さんを乗せたままのキッスが私たちの顔にクチバシを摺り寄せて来た。恐る恐る額を撫でると気持ちよさそうに目を細めている。
「フフッ。キッスは自分に気を遣ってくれる瑞貴ちゃんが気に入ったみたいだね」
〈ア゙ア゙ッ!〉
「わみゃ!」
キッスは私の首根っこをくわえると、そのまま自分の背に投げ飛ばしたので私は小松さんの隣に座るように着地した。毛並みがフカフカだから痛くはないけど……いいのかな……?
「えっと、その……」
「キッスなら瑞貴ちゃんが一人増えても大丈夫だよ。それにしても君ってやっぱり可愛いね」
「かわっ!?」
街で治めていた顔の熱が再び上がった。恥ずかしさのあまりキッスの背中に顔を押し付ける。
「瑞貴さん、耳まで赤いですよ?」
「言わないで! 可愛いって言われたことなかったんだから! しかもあんなにカッコいい男性に!」
「えっ!? じゃあ今まで彼氏とかいなかったんですか!?」
「その通りですよー!」
悪いかコンチクショー! トリップする前はもちろん、こっちの世界に来てからは生きることと寄付することで頭がいっぱいだったんだよー!
するとココさんがキッスに飛び乗って私の隣に座った。
「フフッ。まるでリンゴのように赤いね。思わずつつきたくなるよ」
「やめてくださーい!」
ココさんってこんなキャラだったか!? それとも私が過剰に反応し過ぎ!?
……ココが瑞貴を微笑ましくも面白そうに見ていたとき、キッスに乗ったトリコも瑞貴の隣にいた小松も機嫌が悪かった。
(俺んときはそこまで赤くしなかったくせに! なんかムカつく!)
(顔が赤い瑞貴さんは確かに可愛いけど、ココさんに言われたからって思うと複雑だな……)
飛び立ったキッスが断崖絶壁に建つココさんの家に到着した。ココさんが家の中に招いたので入ると、さっそくテーブルに並べられた料理にトリコが真っ先に食いついた。
「今、紅茶を淹れてくるよ」
「手伝います!」
「いいよ。お客様なんだから座って。僕が作ったものでよかったら瑞貴ちゃんも食べてほしいな」
「あっ、はい。いただきます」
ココさんに促されて座り、料理の一つを食べるとメチャクチャおいしかった!
そしてトリコは豪快に食べながら虹の実をフルコースのデザートにしたことをココさんに報告する。
「僕も賛成だな、デザートを虹の実にしたのは。まっ、僕の占い通りになったってわけか。つーか、もっと上品に……」
「んで、お前はどうなんだ? 人生のフルコースメニュー、完成したのか?」
「ああ」
ココさんのフルコースメニュー――スープ・リードラゴンの涙、魚料理・ブレオカジキ、肉料理・G2フェニックス、サラダ・ネオトマト、デザート・ドムロムの実……栄養バランスの良い料理がそろえられていた。
「決まってないのは、オードブル、メイン、ドリンクの三つだ」
「どれも捕獲レベルの高い、値を付けられない食材ばかり……」
捕獲レベル10以上は並の美食屋が仕留めるのは困難だからな……。でもおいしそうだし食べてみたいかも。
「そんな話をしに来たわけじゃないだろう? 用件は仕事依頼……フグ鯨の捕獲だな」
「さすが話が早ぇ!」
「難しい仕事だね。フグ鯨の毒はわずか0.2ミリグラムを摂取しただけで死に至る猛毒……」
「はい。一度毒袋が敗れ毒化すると、どの部位も食べられない……そのため捕獲調理するのが難しく、毒化さたモノが多く出回っていると聞きます。闇市場を通じて……」
「命を落とすってわかっていながら食べる人がいるくらい、おいしいってわけ。だから捕獲しようと思わなかったのに……」
十人にも満たないフグ鯨を調理できる人なんて、ココさん以外だと私は現在一人しか知らない。その人に頼もうにも高い金を払うことになるだろうからね……。
「高値で売れるってのに乗り気じゃなかったのはそのせいか。俺はてっきり一緒に来るのが嫌なのかと思ったぜ」
「拒否権なんて最初からなかったでしょ」
無理矢理連れて来たトリコを横目で見て、私はココさんが淹れてくれた紅茶を飲む。あっ、スゴくおいしい!
「毒化せず捕獲して、さらに毒袋を取り除ける確率は僕で一割程度。十匹中一匹うまくいくかどうか……」
「そんだけ確率がありゃ充分だぜ。俺じゃ一匹も捌けねぇからよ」
「まだ残念なデータがある」
チャーハンを食べようとした取りトリコに、ココさんは真剣な声のまま話を進める。
「フグ鯨の産卵場所に行くには、全長数十キロ、深さ800メートルに及ぶ猛獣たちが潜む迷宮を抜けなければならない。そして最も厄介なのは……地獄から来た魔獣・デビル大蛇が生息していることだ」
「デビル大蛇ぃ!?」
「捕獲レベル21もする爬虫獣類ですね」
「ああ。太古の昔、最強と言われたバトルウルフ……奴と肩を並べた魔獣だ」
「ハッハッハッハッ!」
重苦しい空気を壊したのはトリコの笑い声だ。デビル大蛇がいるってのに『それがなんだ』とでも言っているみたい。
「危険なのはわかったって! なんなんだ? 占いに出てんのか? 俺や小松や瑞貴の命がねぇとでも」
「あっ……」
「死相でも見えるってか?」
「…………」
ココさんはジッと私たちを見つめる。確か小松さんにはあったけど、私はどうなんだろ?
「えっ?」
小松さんを乗せたままのキッスが私たちの顔にクチバシを摺り寄せて来た。恐る恐る額を撫でると気持ちよさそうに目を細めている。
「フフッ。キッスは自分に気を遣ってくれる瑞貴ちゃんが気に入ったみたいだね」
〈ア゙ア゙ッ!〉
「わみゃ!」
キッスは私の首根っこをくわえると、そのまま自分の背に投げ飛ばしたので私は小松さんの隣に座るように着地した。毛並みがフカフカだから痛くはないけど……いいのかな……?
「えっと、その……」
「キッスなら瑞貴ちゃんが一人増えても大丈夫だよ。それにしても君ってやっぱり可愛いね」
「かわっ!?」
街で治めていた顔の熱が再び上がった。恥ずかしさのあまりキッスの背中に顔を押し付ける。
「瑞貴さん、耳まで赤いですよ?」
「言わないで! 可愛いって言われたことなかったんだから! しかもあんなにカッコいい男性に!」
「えっ!? じゃあ今まで彼氏とかいなかったんですか!?」
「その通りですよー!」
悪いかコンチクショー! トリップする前はもちろん、こっちの世界に来てからは生きることと寄付することで頭がいっぱいだったんだよー!
するとココさんがキッスに飛び乗って私の隣に座った。
「フフッ。まるでリンゴのように赤いね。思わずつつきたくなるよ」
「やめてくださーい!」
ココさんってこんなキャラだったか!? それとも私が過剰に反応し過ぎ!?
……ココが瑞貴を微笑ましくも面白そうに見ていたとき、キッスに乗ったトリコも瑞貴の隣にいた小松も機嫌が悪かった。
(俺んときはそこまで赤くしなかったくせに! なんかムカつく!)
(顔が赤い瑞貴さんは確かに可愛いけど、ココさんに言われたからって思うと複雑だな……)
飛び立ったキッスが断崖絶壁に建つココさんの家に到着した。ココさんが家の中に招いたので入ると、さっそくテーブルに並べられた料理にトリコが真っ先に食いついた。
「今、紅茶を淹れてくるよ」
「手伝います!」
「いいよ。お客様なんだから座って。僕が作ったものでよかったら瑞貴ちゃんも食べてほしいな」
「あっ、はい。いただきます」
ココさんに促されて座り、料理の一つを食べるとメチャクチャおいしかった!
そしてトリコは豪快に食べながら虹の実をフルコースのデザートにしたことをココさんに報告する。
「僕も賛成だな、デザートを虹の実にしたのは。まっ、僕の占い通りになったってわけか。つーか、もっと上品に……」
「んで、お前はどうなんだ? 人生のフルコースメニュー、完成したのか?」
「ああ」
ココさんのフルコースメニュー――スープ・リードラゴンの涙、魚料理・ブレオカジキ、肉料理・G2フェニックス、サラダ・ネオトマト、デザート・ドムロムの実……栄養バランスの良い料理がそろえられていた。
「決まってないのは、オードブル、メイン、ドリンクの三つだ」
「どれも捕獲レベルの高い、値を付けられない食材ばかり……」
捕獲レベル10以上は並の美食屋が仕留めるのは困難だからな……。でもおいしそうだし食べてみたいかも。
「そんな話をしに来たわけじゃないだろう? 用件は仕事依頼……フグ鯨の捕獲だな」
「さすが話が早ぇ!」
「難しい仕事だね。フグ鯨の毒はわずか0.2ミリグラムを摂取しただけで死に至る猛毒……」
「はい。一度毒袋が敗れ毒化すると、どの部位も食べられない……そのため捕獲調理するのが難しく、毒化さたモノが多く出回っていると聞きます。闇市場を通じて……」
「命を落とすってわかっていながら食べる人がいるくらい、おいしいってわけ。だから捕獲しようと思わなかったのに……」
十人にも満たないフグ鯨を調理できる人なんて、ココさん以外だと私は現在一人しか知らない。その人に頼もうにも高い金を払うことになるだろうからね……。
「高値で売れるってのに乗り気じゃなかったのはそのせいか。俺はてっきり一緒に来るのが嫌なのかと思ったぜ」
「拒否権なんて最初からなかったでしょ」
無理矢理連れて来たトリコを横目で見て、私はココさんが淹れてくれた紅茶を飲む。あっ、スゴくおいしい!
「毒化せず捕獲して、さらに毒袋を取り除ける確率は僕で一割程度。十匹中一匹うまくいくかどうか……」
「そんだけ確率がありゃ充分だぜ。俺じゃ一匹も捌けねぇからよ」
「まだ残念なデータがある」
チャーハンを食べようとした取りトリコに、ココさんは真剣な声のまま話を進める。
「フグ鯨の産卵場所に行くには、全長数十キロ、深さ800メートルに及ぶ猛獣たちが潜む迷宮を抜けなければならない。そして最も厄介なのは……地獄から来た魔獣・デビル大蛇が生息していることだ」
「デビル大蛇ぃ!?」
「捕獲レベル21もする爬虫獣類ですね」
「ああ。太古の昔、最強と言われたバトルウルフ……奴と肩を並べた魔獣だ」
「ハッハッハッハッ!」
重苦しい空気を壊したのはトリコの笑い声だ。デビル大蛇がいるってのに『それがなんだ』とでも言っているみたい。
「危険なのはわかったって! なんなんだ? 占いに出てんのか? 俺や小松や瑞貴の命がねぇとでも」
「あっ……」
「死相でも見えるってか?」
「…………」
ココさんはジッと私たちを見つめる。確か小松さんにはあったけど、私はどうなんだろ?