感謝と誇り! 滝丸、渾身の栓抜きショット!

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腰を少し低くしたボギーウッズは一気に距離を詰めようと走り出すと、滝丸は構える。


「栓抜きショット!!」


見事に滝丸の手がボギーウッズの体に当たったが、ボギーウッズは余裕の表情をしていた。


「レギュラーブロー!!」

「ウッ」


腕を曲げて滝丸の両手の間に潜り込むと、そのまま拳を繰り出して吹っ飛ばした。


「フゥ~なかなか面白い技だ。骨を外すとはな。最初に俺を宿から引きずり出したのも、その技ってわけか」

「うぐっ! バカな……僕が今外したのは背骨だぞ!? 骨格の中軸であり、血液の生産高所、さらに神経伝達の中枢を成す。本来なら一歩も動けなくなるはず……何故平然と立っていられる!?」

「フッフッフッフッ……。不可解か? なんてことねぇよ。俺の骨格は普通の人間のものとは違うのさ。数も…形も…全く異なる」

「!?」


骨や関節を外す技を持つ滝丸は体の構造にも詳しいだろう。しかしボギーウッズはそういかなかった。


「普通の人間の骨の数は約206……だが、俺の骨は約4000個。常人の二十倍近い数の骨格で形成されてるんだ。さらに関節や筋肉はバレリーナのように柔軟で、取り外しも可能」

「あっ!」


なんとボギーウッズは左手首の骨を外した挙げ句、本人も慣れているようで痛がる様子すらない。


「フッフッフッ……いろんな生物を宿にしている内に身に付けた技だ。今では人間だけじゃなく、複雑な形体をした生物の体内にも侵入可能。わかるか? 多くの骨や関節がより複雑な体の動きを可能にしているのさ。大概の生物の中には入れるぜ」

「攻撃の軌道が読めなかったのは、骨の多さと複雑な関節のせいだったのか……!」

「それでも正確に腰の骨を外したのは評価しよう。常人なら勝負ありだったろうが、あいにく俺は背骨が外れても他の骨が体を支える。神経も他の骨から全身に送ることができる」


これまた常人ではありえないほど手首を回すと、右手の骨が鎌で、左手の骨が分銅になった。


「決着付けさせてもらうぜ!」

「ウッ!」


左腕を振って一気に伸ばすと、滝丸は体を反らしてかわした。


「イレギュラーアイアン!!」


続いて両腕を思いっきり回して次々と鎌や分銅で攻撃し続ける。そして再び両腕を回転させると滝丸はあることに気づいた。


「これは……!」

「ああ、気がついたか。そうさ!」

「鎖鎌!? 自分の関節を鎖の代わりにして……!」

「読めるかな~? この動きが!」
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