……瑞貴と小松が行ったあと、入口にシンとラムとルイが美食會を行かせまいと立ち塞がった。先を越される可能性にバリーガモンは声を上げる。


「あいつら！」

「いいよ。もうほっときな」

「しかし！」

「どのみち瑞貴以外のこいつらは皆殺し……順番はどうでもいいや。それに――ちゃんと追跡は出すしねぇ」


トミーロッドが口を開けると、ジョンガルクワガタを始めいろんな昆虫が現れた。


「なるほど……昆虫獣類の使い手か」

「そだよ。ヒヒッ、可愛いだろ～こいつら」

「貴様も、名を聞こう」

「僕はトミーロッド。美食會の副料理長だ」

「お前らには珍しく、ＧＴロボじゃねぇとはな。それともリーガル島で全機使い果たしちまったか？　回収にも失敗したらしいからな」

「来てるよ、ＧＴロボ！」

「何っ!?」

「さ～て、今どこにいるのかな～？　フフフッ。まあ、僕には必要ないモノだけどねぇ。そんなことより～トリコ～……――そろそろ、殺していい？」


構えるトミーロッドからは、先ほど瑞貴と共に感じていたグルメ細胞の青タコだ。感じたときからヤバいと思っていたが、彼がその持ち主だと納得もできる。


「スタージュンのときはＧＴロボ……グリンパーチの奴はほぼ遊びだった……。それに両方あいつも――瑞貴も戦ってくれた。生身の副料理長クラスと初の真剣勝負……」


しかも瑞貴は小松と先に行かせたから一人で戦うしかない。


「滝丸にマッチ……恐らくあいつらも敵は格上！　美食會の幹部クラスだな」

「余所見しちゃ嫌っ、トリコ～！　早く遊ぼうよ～！」

「右手は瑞貴が氷を溶かしてくれたとはいえ、温める時間が少なかったからな、まだ完全に硬直してやがる……。何をくらったかしらねぇが、副料理長相手にこのハンデ……こいつは、腹ぁくくらなきゃいけねぇな！」


覚悟を決めたトリコは深呼吸し、大声で叫ぶ。


「滝丸！　マッチ！」

「っ！」

「トリコさん！」

「その二人はお前らに任せたぜ！　うおおぉぉおおお!!」

「ヒーヒッヒッヒッ！」


トリコがバリーガモンとボギーウッズの相手を二人に任せ、グルメ細胞の赤鬼を現す。


「瑞貴に向かってあんなにカッコつけて言ったからには、俺の足を引っ張んなよ、滝丸少年！」

「余計なお世話だよ。おじさんこそ、僕の邪魔をしないでね！」

「さ～て……！」

「やるか……！」


それぞれの相手が決まり、センチュリースープを巡って戦闘が始まる！