氷山を揺るがす爆炎! 覆面男の正体!
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……洞窟の中を進むティナやゾンゲたちも、先ほどの爆発に驚いていた。
「な、なんだったの!? 今の爆発音は!」
「ズバリ! イベント発生だろ!」
「さすがゾンゲ様! 鋭い洞察力!」
「なるほどねぇ。RPGも山場に来たか……スゲー」
「ハァ~……。この冒険、リセットしてやり直したいわ……」
〈クルッポー……〉
どこでもRPG化するゾンゲの思考に、崇拝する白川はともかく、坂巻も棒読みで言うし、ティナとクルッポーも溜息を吐いた。
「見ろ、あの光! 出口に違いねぇ!」
「おお~!」
「えっ!?」
なんとゾンゲは外の光を差す場所を指差した。白川も感動して出口の存在に気づかなかったティナは驚いた。そしてゾンゲを先頭に進んで行く。
「隠し洞窟からのセンチュリースープ獲得! その瞬間のイベント発生の爆発だったんだー!」
「やったー! ゾンゲ様バンザイー!」
「まさか、ホントにセンチュリースープ発見!? てんこ盛りスクープ!」
「到着! ――っ!」
意気揚々と出口を出たゾンゲと白川だが、突然目を見開いて口をパクパクしていた。あとからティナも坂巻も追いつくが、不思議に思う。
「「アワワワ……」」
「どうしたの!? センチュリースープは!?」
ティナがカメラを構えると、映ったのは氷漬けになった首が長く目のない無数の顔を持つ猛獣だった。
「ラララ、ラスボスだ――っ!!」
「「「「わああぁぁあああ!!」」」」
「――しゃべるな」
「「「「!?」」」」
突如第三者の声が聞こえて全員が顔を向けると、緑髪のリーゼント男――鉄平が氷漬けになった猛獣に近づいて手を当てる。
「しゃべればしゃべるほど、信用を損なう恐れがある。口は言葉を発するためではなく、モノを食うためだけに勤めるべきだ」
「「「「えっ?」」」」
「と、いつも思ってるけど……――『根暗』だとか『何考えてるかわからん』とか『完全黙秘か、てめぇボケカス』とか、いつも師匠に言われてるんだよね俺。でもさでもさ『口は災いの元』とか言うし、やっぱり口で損することとかあると思うし、黙ってるほうがいいときも、絶対あると思うんだよね~。そもそも俺口下手だし、たまに油断してお下劣な下ネタとか口走っちゃったりするし。やっぱり、あまりしゃべらないほうがいいのかもしれない……」
「「「「メッチャしゃべってる……」」」」
「ねぇ君たち……――なんかしゃべれば?」
「「「「ええっ!?」」」」
シリアスかと思いきや陽気に次々と言葉を発する鉄平を見て、唖然とするティナたちの心境は一つしかなかった。そこで我に返ったゾンゲがさっそく言葉を発する。
「て、てめぇ! いったい何モンだ、ゴラァッ!?」
「…………」
「「〈黙ったー/クルッポー!?〉」」
しゃべればとか言ったくせに、質問した途端に黙って再び氷漬けの猛獣に手を当てた。
「スゴいモンだなぁ……。グルメショーウィンドー……」
「えっ!?」
「な、何ぃ!? まさか……」
「「「「〈これが、グルメショーウィンドー/クルッ、クルッポッポー!?〉」」」」
「これは違うけど」
「「「「〈違うんですか/クルッポッポー!〉」」」」
スープが溶け出す貴重な氷を見つけたと思ったら、アッサリ鉄平に否定されたので全員ツッコミを入れた。もちろんクルッポーまで。