さばけ猛毒フグ鯨! 四天王ココ登場!
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私が住んでいるのは癒しの森・ヒールフォレスト。猛獣もいないし、大人しい動物ばかりなので森林浴には最適の場所なんだ。そこで私は千年に一度生えるどんな災害や衝撃にも強い大樹・ストロングツリーで作った二階建てのバンガロー風の一軒家で暮らしている。
《十年に一度のフグ鯨の捕獲に、名のある美食屋を雇い入れた企業の株価は高騰を続け、グルメ平均株価は高い水準で推移しています》
朝食の支度をしながらテレビから流れるティナさんの声を聞く。そっか、もうフグ鯨の時期なんだ。
「まっ、私には関係ないことだけど」
フグ鯨は高値で売れるけど毒化したら死者が出てしまう。私はフグ鯨を捌ける腕はないし、味は興味あるけど見送りだな。
「それにしても……味噌汁作り過ぎちゃったかな? お昼に回そう」
ご飯は炊けたし、おしりしおで味付けした卵焼きもできたし、ストライプサーモンの焼き魚も作ったし、海豆腐入りのお味噌汁も完成っと。あとはテーブルに運ぶだけ……――って!
「あ~~……」
「わみゃ――っ!!」
振り向いた途端、窓の外でトリコがヨダレ垂らしていた。突然のことだからびっくりしたよ!
あのままにしたら面倒だし、とりあえず中に招いて一緒に食事することにした。まあ当然トリコに私が食べる量と同じじゃ足りないわけで、おかわりを求めるから次々と料理を作った結果……。
「冷蔵庫がスッカラカンにー!?」
「あーうまかった! 腹一分目ってとこだな」
「あんなに食べて腹一分目!?」
数日分あった(私一人分の)食料がなくなってしまった。あ~……またハント巡りしなくちゃ……。
「どこでも手に入る食材なのに、絶妙な焼き加減や味付けが高級料理店に引けを取らなかったぞ」
「それはありがとうございます……って違う! なんでここにいるんですか!? 私、家を教えてなかったですよね!?」
「トムから聞いた。お前を探してるって言ったらこの森に家を建てて住んでるって教えてもらったんだ」
「ト、トムさんめ……!」
差し入れもハントのお土産もしばらくはナシにしてやる! 何勝手に教えてんだよ!
「……それで用件はなんですか?」
「これさ」
トリコが親指で指した先はテレビ。今もフグ鯨ニュースをやっているってことは……。
「まさかフグ鯨の捕獲のお誘い……ですか?」
「当たり! 一緒に行こうぜ!」
「お断りします」
もちろん私はバッサリと断った。だって一緒に行ったら原作に関わることになるし。
「なんでだよ!? 十年に一度の珍味だぞ!」
「私はフグ鯨を捌けません」
「俺が捌ける奴を知ってる」
「予定があるので」
「さっきハント巡りに行かなくちゃとか言ってただろ」
しまった、口に出てたか! その通り……今日は予定もないのでどうするか考えていたところなのだ。
「小松さんは?」
「なんで小松が出てくんだ? 俺はお前と行くつもりだぞ」
「誘う相手間違ってるでしょ! 小松さんと一緒に行ってください!」
だから関わりたくなかったんだ! 前回原作と違ったことがあったし、また出たら嫌だ!
「じゃあ小松が来るなら、お前も一緒に来てくれるか?」
「えっ?」
「俺はお前とも一緒にフグ鯨を食べたいんだ。俺も食ったことねぇし、一緒にどんな味か確かめに行こうぜ。うまいモンはみんなで食べたら、さらにうまくなるしな」
「っ!」
笑顔ながらもトリコの瞳が真剣そのものだった。本当に私にフグ鯨を味わって欲しいと思いが伝わってくる。こんな好意を無にするのは罪悪感があるけど、原作のためだ。
「申し訳ないですが――」
ヒョイ。
「えっ」
「さー行くぜ」
またトリコに抱きかかえられた! 虹の実と同様に最初から私に拒否権なしか!
「降ろせコノヤロー!」
「おっ、口調が崩れてきたな。そっちが素か」
「悪いか! あんたに敬語使う必要性がなくなったんだ!」
「いや。俺も今のお前が好きだぜ」
「なっ!?」
何こいつはサラッと恥ずかしいこと言ってんだよー!
(つい『好き』って言っちまったが……。まっ、本当のことだからいいか)
……今は深い意味はないが、いつかトリコが自分の気持ちに気づく日が来るかもしれない。
☆☆☆☆☆
もう逃げないとわかったからか、トリコは私を降ろしてくれて美食鉄道が走る駅に着いた。入口では途中で連絡を取って待ち合わせしていた小松さんがいる。
「トリコさーん! 瑞貴さーん! おはようございます!」
「よおっ、小松」
「おはようございます……」
爽やかに挨拶するトリコに対し、私はドヨーンと暗い空気を出していた。
「あれ? 瑞貴さん、なんか元気ないですね。大丈夫ですか?」
「私は来る気なんてサラサラなかったんですけど……」
「ああ、『また』ですか……」
察しがよくて大変助かります。そうです、無理矢理拉致られたんです。
「切符買ってくるから待ってろ」
当の本人は全く気にせず先に奥の切符売り場に行くので、私たちもそれを追いつつ歩きながら話す。
《十年に一度のフグ鯨の捕獲に、名のある美食屋を雇い入れた企業の株価は高騰を続け、グルメ平均株価は高い水準で推移しています》
朝食の支度をしながらテレビから流れるティナさんの声を聞く。そっか、もうフグ鯨の時期なんだ。
「まっ、私には関係ないことだけど」
フグ鯨は高値で売れるけど毒化したら死者が出てしまう。私はフグ鯨を捌ける腕はないし、味は興味あるけど見送りだな。
「それにしても……味噌汁作り過ぎちゃったかな? お昼に回そう」
ご飯は炊けたし、おしりしおで味付けした卵焼きもできたし、ストライプサーモンの焼き魚も作ったし、海豆腐入りのお味噌汁も完成っと。あとはテーブルに運ぶだけ……――って!
「あ~~……」
「わみゃ――っ!!」
振り向いた途端、窓の外でトリコがヨダレ垂らしていた。突然のことだからびっくりしたよ!
あのままにしたら面倒だし、とりあえず中に招いて一緒に食事することにした。まあ当然トリコに私が食べる量と同じじゃ足りないわけで、おかわりを求めるから次々と料理を作った結果……。
「冷蔵庫がスッカラカンにー!?」
「あーうまかった! 腹一分目ってとこだな」
「あんなに食べて腹一分目!?」
数日分あった(私一人分の)食料がなくなってしまった。あ~……またハント巡りしなくちゃ……。
「どこでも手に入る食材なのに、絶妙な焼き加減や味付けが高級料理店に引けを取らなかったぞ」
「それはありがとうございます……って違う! なんでここにいるんですか!? 私、家を教えてなかったですよね!?」
「トムから聞いた。お前を探してるって言ったらこの森に家を建てて住んでるって教えてもらったんだ」
「ト、トムさんめ……!」
差し入れもハントのお土産もしばらくはナシにしてやる! 何勝手に教えてんだよ!
「……それで用件はなんですか?」
「これさ」
トリコが親指で指した先はテレビ。今もフグ鯨ニュースをやっているってことは……。
「まさかフグ鯨の捕獲のお誘い……ですか?」
「当たり! 一緒に行こうぜ!」
「お断りします」
もちろん私はバッサリと断った。だって一緒に行ったら原作に関わることになるし。
「なんでだよ!? 十年に一度の珍味だぞ!」
「私はフグ鯨を捌けません」
「俺が捌ける奴を知ってる」
「予定があるので」
「さっきハント巡りに行かなくちゃとか言ってただろ」
しまった、口に出てたか! その通り……今日は予定もないのでどうするか考えていたところなのだ。
「小松さんは?」
「なんで小松が出てくんだ? 俺はお前と行くつもりだぞ」
「誘う相手間違ってるでしょ! 小松さんと一緒に行ってください!」
だから関わりたくなかったんだ! 前回原作と違ったことがあったし、また出たら嫌だ!
「じゃあ小松が来るなら、お前も一緒に来てくれるか?」
「えっ?」
「俺はお前とも一緒にフグ鯨を食べたいんだ。俺も食ったことねぇし、一緒にどんな味か確かめに行こうぜ。うまいモンはみんなで食べたら、さらにうまくなるしな」
「っ!」
笑顔ながらもトリコの瞳が真剣そのものだった。本当に私にフグ鯨を味わって欲しいと思いが伝わってくる。こんな好意を無にするのは罪悪感があるけど、原作のためだ。
「申し訳ないですが――」
ヒョイ。
「えっ」
「さー行くぜ」
またトリコに抱きかかえられた! 虹の実と同様に最初から私に拒否権なしか!
「降ろせコノヤロー!」
「おっ、口調が崩れてきたな。そっちが素か」
「悪いか! あんたに敬語使う必要性がなくなったんだ!」
「いや。俺も今のお前が好きだぜ」
「なっ!?」
何こいつはサラッと恥ずかしいこと言ってんだよー!
(つい『好き』って言っちまったが……。まっ、本当のことだからいいか)
……今は深い意味はないが、いつかトリコが自分の気持ちに気づく日が来るかもしれない。
☆☆☆☆☆
もう逃げないとわかったからか、トリコは私を降ろしてくれて美食鉄道が走る駅に着いた。入口では途中で連絡を取って待ち合わせしていた小松さんがいる。
「トリコさーん! 瑞貴さーん! おはようございます!」
「よおっ、小松」
「おはようございます……」
爽やかに挨拶するトリコに対し、私はドヨーンと暗い空気を出していた。
「あれ? 瑞貴さん、なんか元気ないですね。大丈夫ですか?」
「私は来る気なんてサラサラなかったんですけど……」
「ああ、『また』ですか……」
察しがよくて大変助かります。そうです、無理矢理拉致られたんです。
「切符買ってくるから待ってろ」
当の本人は全く気にせず先に奥の切符売り場に行くので、私たちもそれを追いつつ歩きながら話す。