氷山を揺るがす爆炎! 覆面男の正体!
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「こっちにもおいで~」
〈ユンユン!〉
私が両手を広げたらユンちゃんは小松さんから離れて警戒することなく来てくれた。
「もうホンット可愛い~!」
〈ユユユーン!〉
「アハハッ。くすぐったいよ!」
小松さんにはつついたけど、私には頬ずりをしてくれた。やっぱり柔らかいし可愛い~! 元の世界から大好きだったんだよね~!
(瑞貴の奴、幸せそうだな。帰ったらテリーにも会わせてやるか)
(可愛いウォールペンギンに可愛い瑞貴さん! 猛獣さえいなければまるで天国のようです~!)
(猛獣と戦っているときは凛々しいけど、こうしていると可愛いな)
(なんだか癒されるな……)
……瑞貴とウォールペンギンとセットにした光景を、男たちは終始癒されていた。しかし小松はハッと我に返る。
「って! 瑞貴さんも攫った犯人だと疑われますよ!?」
「平気平気。親を見つけたらちゃんと返すから。攻撃されてもよけてよけてよけまくる! だから今は癒しの時間を堪能させて!」
〈ユン!〉
「なんてポジティブ思考で強い……うらやましいです……」
「「「「「アハハハ!」」」」」」
小松さんのツッコミでまた笑い声が響き渡るけど、マッチさんが立ち上がって私が抱いているユンちゃんを見る。
「さてと、悪いが俺は先に休ませてもらう。体力温存しねぇとな。いざってときのためによ。ハハッ、親と逸(ハグ)れた子ペンギンか……面倒みてやれよ」
「マッチさん……」
〈ユーン〉
「おやすみなさい、マッチさん」
「ゆっくり休みな、マッチ」
(トリコ……瑞貴……お前らと戦うときが来るかもしれねぇしな。勝てねぇまでも、一泡吹かす力を溜めとかねぇとよ)
そうしてマッチさんはテントに入ってしまった。それにしても、うしろ姿だったけどトリコと私を横目で警戒していたな。
「あ、あの~……みなさんって、どうしてセンチュリースープを取りに来たんですか?」
「「「…………」」」
「あっ、ごめんなさい……」
何も言わない部下さんたちに小松さんは無粋なことを聞いたと思ったんだろう。だけどシンさんが口を開いた。
「『ネルグ街』……知ってるか?」
「IGO非加盟のグルメ犯罪都市・ネルグ……」
「流通禁止の食材が出回る無法地帯……」
トリコも滝丸くんも知ってるみたい。続けてラムさんとルイさんも微笑みながら話してくれた。
「忘れられねぇぜ……。俺たちもガキの頃、マッチさんに食べ物を恵んでもらってな」
「あんときの嬉しさと言ったら例えようもねぇ……。初めて『食べる幸せ』を知ったよ」
「なるほど、お前たちはその恩でグルメマフィアに入ったってわけか」
「いや、そうじゃねぇ」
「ん?」
「俺らはマッチさんに惚れたのさ。特別だよ……あの人は」
……ネルグが貧しいのは食材を不当に牛耳る者たちのせいだ。マッチはそんな相手に一人でケンカを売ってしまう。そして、奪った食べ物をネルグ街の子供たちに分けてあげた。
『腹が減ったらお腹いっぱい食うのが当然だろ。まずは食ってからだ。善人も悪人も、それからだ』
そう告げて子供の頃のルイたちは、マッチに救われたのだ。
「確かに俺らは社会の嫌われモンだ。でも、おかしいと思うぜ。食材の独占で犠牲が出るなんて!」
「子供にゃあ罪はねぇからな」
「素晴らしいと思います! 子供たちにスープを飲ませてあげたいって気持ち!」
「『善人も悪人も、それからだ』……か。マッチさんってばなかなか的を射てることを言うんですね」
小松さんも感動しているし、私も彼らがマッチさんに惚れた理由がわかるかも。心が広くて強くて優しい人なんだね。
〈ユンユン!〉
私が両手を広げたらユンちゃんは小松さんから離れて警戒することなく来てくれた。
「もうホンット可愛い~!」
〈ユユユーン!〉
「アハハッ。くすぐったいよ!」
小松さんにはつついたけど、私には頬ずりをしてくれた。やっぱり柔らかいし可愛い~! 元の世界から大好きだったんだよね~!
(瑞貴の奴、幸せそうだな。帰ったらテリーにも会わせてやるか)
(可愛いウォールペンギンに可愛い瑞貴さん! 猛獣さえいなければまるで天国のようです~!)
(猛獣と戦っているときは凛々しいけど、こうしていると可愛いな)
(なんだか癒されるな……)
……瑞貴とウォールペンギンとセットにした光景を、男たちは終始癒されていた。しかし小松はハッと我に返る。
「って! 瑞貴さんも攫った犯人だと疑われますよ!?」
「平気平気。親を見つけたらちゃんと返すから。攻撃されてもよけてよけてよけまくる! だから今は癒しの時間を堪能させて!」
〈ユン!〉
「なんてポジティブ思考で強い……うらやましいです……」
「「「「「アハハハ!」」」」」」
小松さんのツッコミでまた笑い声が響き渡るけど、マッチさんが立ち上がって私が抱いているユンちゃんを見る。
「さてと、悪いが俺は先に休ませてもらう。体力温存しねぇとな。いざってときのためによ。ハハッ、親と逸(ハグ)れた子ペンギンか……面倒みてやれよ」
「マッチさん……」
〈ユーン〉
「おやすみなさい、マッチさん」
「ゆっくり休みな、マッチ」
(トリコ……瑞貴……お前らと戦うときが来るかもしれねぇしな。勝てねぇまでも、一泡吹かす力を溜めとかねぇとよ)
そうしてマッチさんはテントに入ってしまった。それにしても、うしろ姿だったけどトリコと私を横目で警戒していたな。
「あ、あの~……みなさんって、どうしてセンチュリースープを取りに来たんですか?」
「「「…………」」」
「あっ、ごめんなさい……」
何も言わない部下さんたちに小松さんは無粋なことを聞いたと思ったんだろう。だけどシンさんが口を開いた。
「『ネルグ街』……知ってるか?」
「IGO非加盟のグルメ犯罪都市・ネルグ……」
「流通禁止の食材が出回る無法地帯……」
トリコも滝丸くんも知ってるみたい。続けてラムさんとルイさんも微笑みながら話してくれた。
「忘れられねぇぜ……。俺たちもガキの頃、マッチさんに食べ物を恵んでもらってな」
「あんときの嬉しさと言ったら例えようもねぇ……。初めて『食べる幸せ』を知ったよ」
「なるほど、お前たちはその恩でグルメマフィアに入ったってわけか」
「いや、そうじゃねぇ」
「ん?」
「俺らはマッチさんに惚れたのさ。特別だよ……あの人は」
……ネルグが貧しいのは食材を不当に牛耳る者たちのせいだ。マッチはそんな相手に一人でケンカを売ってしまう。そして、奪った食べ物をネルグ街の子供たちに分けてあげた。
『腹が減ったらお腹いっぱい食うのが当然だろ。まずは食ってからだ。善人も悪人も、それからだ』
そう告げて子供の頃のルイたちは、マッチに救われたのだ。
「確かに俺らは社会の嫌われモンだ。でも、おかしいと思うぜ。食材の独占で犠牲が出るなんて!」
「子供にゃあ罪はねぇからな」
「素晴らしいと思います! 子供たちにスープを飲ませてあげたいって気持ち!」
「『善人も悪人も、それからだ』……か。マッチさんってばなかなか的を射てることを言うんですね」
小松さんも感動しているし、私も彼らがマッチさんに惚れた理由がわかるかも。心が広くて強くて優しい人なんだね。