出会いの酒場! 群雄割処の美食屋達!
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するとウェスタンドアが開かれ、レッドカーペットが一直線に並べられると黒スーツの男たちが入って来た。
「全員、食事の手を止めろ! 株式会社グルだらけ会長・カーネル=モッコイ氏だ!」
「「「「「!」」」」
カーペットの両脇に並ぶ男たち。開かれたウェスタンドアから現れたのは私たちも見たことのある人だった。
「――こ、この人が!」
「――あのグルだらけの会長!」
「あの人!」
「デパートで富豪買いしていたおっさんだ」
「有名な会社の社長となると、あんなに買い物したのも納得だね」
他の客たちは初めて見たらしいけど、私たちはすでにグルメデパートで会ったことがある。小松さんが躊躇っていた。メルク包丁も栗坊鍋も全部買うほどの大金持ちなんだね。
「100億円出そう。見事依頼に応えた者に」
「100億!?」
「100億だと!?」
「マジかよ!」
カーネル会長が言った金額に全員の顔色が変わった。ヘタすれば一生遊んで暮らせるかもしれないしね。
「明日港に来い。来る者は拒まん」
「その金額は本当だろうな!?」
「愚問! 私を誰だと思っている! 『センチュリースープ』……挑戦したい者は付いて来い。フッフッ」
「「「「「うおおぉぉおおお!!」」」」」
……嘘ではなく本当だと確信したのか男たちは雄叫びを上げた。カーネル会長が帰ろうと振り返るとスーツの男が一人しゃがんで小声で尋ねる。
「試験は行わないのですか?」
「フンッ、全員連れて行く。センチュリースープを見つけ出す確率は0.1パーセントでも上げておきたい。それにどうせすぐ篩(フルイ)に掛けられるさ……厳しい大自然のな。フッフッフッ」
……そう言って今度こそカーネル会長も男たちもバーをあとにした。
「気をつけて行って来なよ、トリコ。嬢ちゃんも美食屋ということは行くんだろ?」
「はい」
「がんばってきな」
「ありがとうございます」
「あの~……僕も一緒に行って大丈夫ですかね?」
グラスを拭いているマスターが、小松さんの発言に驚いてテーブルに腕を当てて目線を合わせる。
「お前、美食屋だったのか?」
「ああっ、いえ、申し遅れました! シェフの小松といいます」
「ホォ、料理人か。なるほど……力は弱いが、何かやってくれそうな子だな」
「エヘヘ……」
「不思議だな。長年旅立つ者を見ていると、どうしても止めたくなる者もいれば――お主のように背中を押したくなる者もいる。行ったらいい」
「はい!」
目利きと言われるモリじいさんの許可も得て小松さんはとても嬉しそうに声を上げた。
「ハハハッ。よかったな、小松」
「はい~~っ!」
「……トリコ、あそこ」
「ん? ――っ!」
「荒れる旅に、なるかもしれんな」
私が目線で促した先をトリコも見ると目を細めた。そこにいたのは駅で見かけた緑のジャージで覆面を被っている男だった。モリじいさんも只者でないとわかっているみたい。
「全員、食事の手を止めろ! 株式会社グルだらけ会長・カーネル=モッコイ氏だ!」
「「「「「!」」」」
カーペットの両脇に並ぶ男たち。開かれたウェスタンドアから現れたのは私たちも見たことのある人だった。
「――こ、この人が!」
「――あのグルだらけの会長!」
「あの人!」
「デパートで富豪買いしていたおっさんだ」
「有名な会社の社長となると、あんなに買い物したのも納得だね」
他の客たちは初めて見たらしいけど、私たちはすでにグルメデパートで会ったことがある。小松さんが躊躇っていた。メルク包丁も栗坊鍋も全部買うほどの大金持ちなんだね。
「100億円出そう。見事依頼に応えた者に」
「100億!?」
「100億だと!?」
「マジかよ!」
カーネル会長が言った金額に全員の顔色が変わった。ヘタすれば一生遊んで暮らせるかもしれないしね。
「明日港に来い。来る者は拒まん」
「その金額は本当だろうな!?」
「愚問! 私を誰だと思っている! 『センチュリースープ』……挑戦したい者は付いて来い。フッフッ」
「「「「「うおおぉぉおおお!!」」」」」
……嘘ではなく本当だと確信したのか男たちは雄叫びを上げた。カーネル会長が帰ろうと振り返るとスーツの男が一人しゃがんで小声で尋ねる。
「試験は行わないのですか?」
「フンッ、全員連れて行く。センチュリースープを見つけ出す確率は0.1パーセントでも上げておきたい。それにどうせすぐ篩(フルイ)に掛けられるさ……厳しい大自然のな。フッフッフッ」
……そう言って今度こそカーネル会長も男たちもバーをあとにした。
「気をつけて行って来なよ、トリコ。嬢ちゃんも美食屋ということは行くんだろ?」
「はい」
「がんばってきな」
「ありがとうございます」
「あの~……僕も一緒に行って大丈夫ですかね?」
グラスを拭いているマスターが、小松さんの発言に驚いてテーブルに腕を当てて目線を合わせる。
「お前、美食屋だったのか?」
「ああっ、いえ、申し遅れました! シェフの小松といいます」
「ホォ、料理人か。なるほど……力は弱いが、何かやってくれそうな子だな」
「エヘヘ……」
「不思議だな。長年旅立つ者を見ていると、どうしても止めたくなる者もいれば――お主のように背中を押したくなる者もいる。行ったらいい」
「はい!」
目利きと言われるモリじいさんの許可も得て小松さんはとても嬉しそうに声を上げた。
「ハハハッ。よかったな、小松」
「はい~~っ!」
「……トリコ、あそこ」
「ん? ――っ!」
「荒れる旅に、なるかもしれんな」
私が目線で促した先をトリコも見ると目を細めた。そこにいたのは駅で見かけた緑のジャージで覆面を被っている男だった。モリじいさんも只者でないとわかっているみたい。