芳醇なる七色の果汁! 虹の実をとれ!
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「何? 今の……」
「守護壁!!」
私はトリコと小松さんの頭上に守護壁をかけた。何故なら……。
ピッシャ――ンッ!!
雷が私たちを直撃するからだ。トリコと小松さんは守護壁で無事だけど、私は完全に受けてしまった。
「瑞貴!」
「瑞貴さん!」
「はい。呼びました?」
「「ええっ!?」」
確かに雷が私に直撃したけど、でも私は環境適応人間――自然界のモノにダメージを受けないんだよね。トリコと小松さんは守護壁があったから無事だった。
「これが先ほど言った私の能力です。それにしても、虹の樹に落ちなくてよかったですね」
「あ、ああ。虹の樹に落ちたら終わりだぞ。急いでボスを探さねぇと! 今の雷で真っ先にビビったのはどいつだ!?」
「えっ? なんでですか?」
「そいつがボスだ!」
「えっ、でも、ボスって普通一番びっくりしない奴じゃ……」
「逆です。群れのボスに必要なのは強さ以上に危機管理能力。危険を真っ先に察知する奴こそがボスの器なんです。――そのおかげで見つけましたけどね」
「何っ!? ホントか瑞貴!?」
「はい。小松さんも見つけたんじゃないですか?」
「はい! 雷が落ちる前に真っ先に隠れた奴がいました……。あの、奥の白い奴です……」
私と小松さんが指差した方向を見たトリコは、シルバーバックに気づいた。
「あいつか! なるほど、年長者の証の白い毛並み……シルバーバック! 見つけたぜ……お前らよく気づいたじゃねぇか!」
「いえ。トリコさんの背中にいたら、なんか恐怖心がなくなって……。冷静に周りがよく見えたっていうか……なんか不思議なんですけど……」
「私は偶然見つけただけです」
「お手柄だぜ! 小松! 瑞貴!」
「「はい!」」
「さてと、俺の体の下っ端の匂いは最早完全に流れ去ったようだな」
そろそろ終盤だ。トリコが普通に歩いてもトロルコングは震えるだけで襲って来ない。完全にトリコのグルメ細胞の赤鬼が出てるからね。
中には私だけ襲い掛かろうとした奴もいたけど、私が本気で睨めばすぐに引いた。シルバーバックに注意を向けているトリコたちは気づかない。
〈グルルル! グル……〉
大きな口を開けてシルバーバックはトリコに襲い掛かろうとしたけど、トリコのグルメ細胞の赤鬼に恐れて頭を下げる。ボスが負けを認めると他のトロルコングも戦意喪失した。
決着がついて雨も止むと、雲の隙間から日差しが出てきた。
「ト、トリコさん……!」
「ああ! 虹の実だ!」
「スゴく綺麗……!」
日差しに照らされて七色に光る虹の実に私たちは見惚れていると、今まで隠れていたティナさんも虹の実に惹かれて出てきた。
「なんて綺麗なんだ……って、ティナさん!? 何やってるんですか!?」
「えっ! わっ! つい惹かれちゃって……」
「やれやれ……」
トリコが虹の実を一個手にすると、そこからトロルコングたちの表情が見えるみたい。
「ああ、安心しろよ。もらっていく虹の実は一つだけだ。お前らの生活を脅かす気はねぇよ」
トリコの報酬とIGOのお土産なら一個で充分足りるだろう。
「み、みなさん! おいしいニュースです! 虹の実を美食屋トリコ――!?」
カメラをトリコに向けたティナさん。だけどそれを防具服を着たヨハネスさんが遮った。
「だから勝手な取材は困るね」
「ひとつまみも許さないってわけ!?」
「つまみ出しなさい」
「離してってば! 虹の実! トリコー!」
市場と同じように連行されるティナさん。私と小松さんだけじゃなくトロルコングまでも呆気に取られているよ……。
――虹の実は少量をトリコに、半分はIGO、残りの半分は競りにかけるらしい。そしてトリコは虹の実を小松さんが勤めるホテルグルメで食べることになる。
トリコが私の助けもあって手に入ったと言ったから、IGOは私にも報酬を出してくれるらしい。思わぬ臨時収入が出たな。
「守護壁!!」
私はトリコと小松さんの頭上に守護壁をかけた。何故なら……。
ピッシャ――ンッ!!
雷が私たちを直撃するからだ。トリコと小松さんは守護壁で無事だけど、私は完全に受けてしまった。
「瑞貴!」
「瑞貴さん!」
「はい。呼びました?」
「「ええっ!?」」
確かに雷が私に直撃したけど、でも私は環境適応人間――自然界のモノにダメージを受けないんだよね。トリコと小松さんは守護壁があったから無事だった。
「これが先ほど言った私の能力です。それにしても、虹の樹に落ちなくてよかったですね」
「あ、ああ。虹の樹に落ちたら終わりだぞ。急いでボスを探さねぇと! 今の雷で真っ先にビビったのはどいつだ!?」
「えっ? なんでですか?」
「そいつがボスだ!」
「えっ、でも、ボスって普通一番びっくりしない奴じゃ……」
「逆です。群れのボスに必要なのは強さ以上に危機管理能力。危険を真っ先に察知する奴こそがボスの器なんです。――そのおかげで見つけましたけどね」
「何っ!? ホントか瑞貴!?」
「はい。小松さんも見つけたんじゃないですか?」
「はい! 雷が落ちる前に真っ先に隠れた奴がいました……。あの、奥の白い奴です……」
私と小松さんが指差した方向を見たトリコは、シルバーバックに気づいた。
「あいつか! なるほど、年長者の証の白い毛並み……シルバーバック! 見つけたぜ……お前らよく気づいたじゃねぇか!」
「いえ。トリコさんの背中にいたら、なんか恐怖心がなくなって……。冷静に周りがよく見えたっていうか……なんか不思議なんですけど……」
「私は偶然見つけただけです」
「お手柄だぜ! 小松! 瑞貴!」
「「はい!」」
「さてと、俺の体の下っ端の匂いは最早完全に流れ去ったようだな」
そろそろ終盤だ。トリコが普通に歩いてもトロルコングは震えるだけで襲って来ない。完全にトリコのグルメ細胞の赤鬼が出てるからね。
中には私だけ襲い掛かろうとした奴もいたけど、私が本気で睨めばすぐに引いた。シルバーバックに注意を向けているトリコたちは気づかない。
〈グルルル! グル……〉
大きな口を開けてシルバーバックはトリコに襲い掛かろうとしたけど、トリコのグルメ細胞の赤鬼に恐れて頭を下げる。ボスが負けを認めると他のトロルコングも戦意喪失した。
決着がついて雨も止むと、雲の隙間から日差しが出てきた。
「ト、トリコさん……!」
「ああ! 虹の実だ!」
「スゴく綺麗……!」
日差しに照らされて七色に光る虹の実に私たちは見惚れていると、今まで隠れていたティナさんも虹の実に惹かれて出てきた。
「なんて綺麗なんだ……って、ティナさん!? 何やってるんですか!?」
「えっ! わっ! つい惹かれちゃって……」
「やれやれ……」
トリコが虹の実を一個手にすると、そこからトロルコングたちの表情が見えるみたい。
「ああ、安心しろよ。もらっていく虹の実は一つだけだ。お前らの生活を脅かす気はねぇよ」
トリコの報酬とIGOのお土産なら一個で充分足りるだろう。
「み、みなさん! おいしいニュースです! 虹の実を美食屋トリコ――!?」
カメラをトリコに向けたティナさん。だけどそれを防具服を着たヨハネスさんが遮った。
「だから勝手な取材は困るね」
「ひとつまみも許さないってわけ!?」
「つまみ出しなさい」
「離してってば! 虹の実! トリコー!」
市場と同じように連行されるティナさん。私と小松さんだけじゃなくトロルコングまでも呆気に取られているよ……。
――虹の実は少量をトリコに、半分はIGO、残りの半分は競りにかけるらしい。そしてトリコは虹の実を小松さんが勤めるホテルグルメで食べることになる。
トリコが私の助けもあって手に入ったと言ったから、IGOは私にも報酬を出してくれるらしい。思わぬ臨時収入が出たな。