夢の時間! 節乃のセンチュリースープ!
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「昔、次郎ちゃんが汲んで来てくれてのう。そのひと口がおいしくて忘れられず、それを真似て作ったのがこのスープじゃ」
「じゅ、充分においしいんですけど……。ねぇ、瑞貴さん」
「うん。これで未完成なんですか?」
「あたしゃの中では完全に再現できとらんな」
「でも、おいしいですよね。トリコさん」
「ングッ、ンッ。おいし過ぎ!」
「飲み過ぎじゃ! トリコ!」
「てか、どこからそんな器を持って来たの」
トリコはいつの間にか器に汲んでセンチュリースープを堪能していた。確か原作だと器じゃなくてグリンパーチみたいに直に吸い続けていたシーンが記憶にあるような……。
「ひょっとして自然界のセンチュリースープって、これよりもっとおいしいんですか?」
「どうかのう。味の説明は難しいが……小松くん、瑞貴ちゃん」
「「はい」」
「お主ら、このスープを飲んで『何かが足りない』って言っておったな」
「「ええ」」
「そう、ちょうどそんな感じじゃ。本物はこれにも一つ、何かを足したような味……その一つがあたしゃにゃどーしてもわからんのじゃなぁ」
「あっ、いや、僕はそんな、なんとなく言っただけで……本物の飲んだことないですし……」
「私も具体的には言えないんですけど……」
なんとなく感覚的に何か足りないって感じただけなんだよね。
「あたしゃが何故お主らをこの厨房へ連れて来たと思う?」
「「「?」」」
「どの国の大統領も大富豪もグルメ家も、あたしゃの料理に意見する者は一人もおらんかった」
そりゃあ美食人間国宝の料理だもんね。ひと口食べるだけでも幸せになれるくらいのおいしさだもん。
「お主らの味覚と感性に惚れたんじゃよ。お主らならひょっとしてこのスープを……完成させることができるかもしれんと思ってのう。フフッ、ダシの具材を詳しく見せるために連れて来たんじゃ」
「そんな……僕なんかが完成なんて……」
「私の腕なんかじゃ全然ですよ……」
小松さんはわかる。でも、私が完成させることはムリに等しいだろう。いろいろな具材があり過ぎて、センチュリースープの最後の具材が出された原作も覚えてないんだし。
「ウッフッフッフッ、飲んでみたくないかの? ――本物のセンチュリースープ」
「飲んでみてぇ!!」
「フフッ。そうじゃろ、トリコ」
「なあ、小松! 瑞貴! 本物のスープ飲みてぇよな!」
「はい! 飲んでみたいです!」
「私も!」
これ以上のスープに出会える機会があるなら、そのチャンスをモノにしないとね!
「時期がいい! センチュリースープは百年に一度しか姿を現さん! 故に『century soup(百年のスープ)』! 今街には、その情報を詳しく知っとる男が世界中から美食屋を集めスープの入手を狙っておる。お主らならすぐに雇われるじゃろ、トリコ。小松くんと瑞貴ちゃんを連れて行って来い! 本物のスープを飲み、見事センチュリースープをその手で作ってみろ!」
あの……行くのはいいけど、私も作ること決定っスか?
☆☆☆☆☆
節乃さんの厨房をあとにし、私たちは街にある西部劇にありそうな酒場・『Bar Heavy Lodge』という店にやって来た。
「街の情報が集まる場所といやあ」
「このバーってわけね」
バーは表の情報も裏の情報も集まりやすく、ポッと気が緩む場所でもあるからね。さて、どうなることやら……。
「そういえばトリコ、リーゼントはやめたんだね」
「セツ婆の店を出たからな。本当は窮屈だったんだよ」
「うん。やっぱりトリコはその無造作な感じが一番似合ってる」
「っ!」
……笑顔でそう言った瑞貴の破壊力に、トリコは不意打ちも兼ねて一気に顔を赤くした。
「じゅ、充分においしいんですけど……。ねぇ、瑞貴さん」
「うん。これで未完成なんですか?」
「あたしゃの中では完全に再現できとらんな」
「でも、おいしいですよね。トリコさん」
「ングッ、ンッ。おいし過ぎ!」
「飲み過ぎじゃ! トリコ!」
「てか、どこからそんな器を持って来たの」
トリコはいつの間にか器に汲んでセンチュリースープを堪能していた。確か原作だと器じゃなくてグリンパーチみたいに直に吸い続けていたシーンが記憶にあるような……。
「ひょっとして自然界のセンチュリースープって、これよりもっとおいしいんですか?」
「どうかのう。味の説明は難しいが……小松くん、瑞貴ちゃん」
「「はい」」
「お主ら、このスープを飲んで『何かが足りない』って言っておったな」
「「ええ」」
「そう、ちょうどそんな感じじゃ。本物はこれにも一つ、何かを足したような味……その一つがあたしゃにゃどーしてもわからんのじゃなぁ」
「あっ、いや、僕はそんな、なんとなく言っただけで……本物の飲んだことないですし……」
「私も具体的には言えないんですけど……」
なんとなく感覚的に何か足りないって感じただけなんだよね。
「あたしゃが何故お主らをこの厨房へ連れて来たと思う?」
「「「?」」」
「どの国の大統領も大富豪もグルメ家も、あたしゃの料理に意見する者は一人もおらんかった」
そりゃあ美食人間国宝の料理だもんね。ひと口食べるだけでも幸せになれるくらいのおいしさだもん。
「お主らの味覚と感性に惚れたんじゃよ。お主らならひょっとしてこのスープを……完成させることができるかもしれんと思ってのう。フフッ、ダシの具材を詳しく見せるために連れて来たんじゃ」
「そんな……僕なんかが完成なんて……」
「私の腕なんかじゃ全然ですよ……」
小松さんはわかる。でも、私が完成させることはムリに等しいだろう。いろいろな具材があり過ぎて、センチュリースープの最後の具材が出された原作も覚えてないんだし。
「ウッフッフッフッ、飲んでみたくないかの? ――本物のセンチュリースープ」
「飲んでみてぇ!!」
「フフッ。そうじゃろ、トリコ」
「なあ、小松! 瑞貴! 本物のスープ飲みてぇよな!」
「はい! 飲んでみたいです!」
「私も!」
これ以上のスープに出会える機会があるなら、そのチャンスをモノにしないとね!
「時期がいい! センチュリースープは百年に一度しか姿を現さん! 故に『century soup(百年のスープ)』! 今街には、その情報を詳しく知っとる男が世界中から美食屋を集めスープの入手を狙っておる。お主らならすぐに雇われるじゃろ、トリコ。小松くんと瑞貴ちゃんを連れて行って来い! 本物のスープを飲み、見事センチュリースープをその手で作ってみろ!」
あの……行くのはいいけど、私も作ること決定っスか?
☆☆☆☆☆
節乃さんの厨房をあとにし、私たちは街にある西部劇にありそうな酒場・『Bar Heavy Lodge』という店にやって来た。
「街の情報が集まる場所といやあ」
「このバーってわけね」
バーは表の情報も裏の情報も集まりやすく、ポッと気が緩む場所でもあるからね。さて、どうなることやら……。
「そういえばトリコ、リーゼントはやめたんだね」
「セツ婆の店を出たからな。本当は窮屈だったんだよ」
「うん。やっぱりトリコはその無造作な感じが一番似合ってる」
「っ!」
……笑顔でそう言った瑞貴の破壊力に、トリコは不意打ちも兼ねて一気に顔を赤くした。