食事の遊園地! 満腹都市グルメタウン!
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「し、知ってるも何も……僕、次郎さんに命を助けられたことがあるんです」
「それに私たちがこの間捕獲したBBコーンのキッカケは、次郎さんなんです。ねっ、トリコ」
「確かに。ノッキングマスター次郎がトムんとこに卸そうとしてくれなかったら、テリーの食材探しが遅れてたかもな」
「ホォ、そうか。次郎が捕獲、あたしゃが調理で長いことコンビを組んどったで。二人でグルメ界にも行ったわ。フフッ、恋もしたで~」
「それで俺の髪型をこんな風に……」
「ただ『リーゼントが好み』じゃなくて、『次郎さんがリーゼントだから好み』という理由だったのね……」
「しかし次郎がお前さんの命を救ったか……そうか……」
「?」
何か意味あり気な感じだったので、小松さんはキョトンとしていた。
「それにしても、コンビの相手と恋なんてステキですね。仕事でもプライベートでも支え合える関係ですから」
「さすが女子(オナゴ)じゃ。わかってくれるとは嬉しいの。瑞貴ちゃんは確か美食屋じゃったな」
「はい。まだまだ半人前ですが……」
「料理もかなりできるのう」
「「「ええっ!?」」」
私は節乃さんと今日が初対面だ。なのに一発で料理ができるかわかるなんて、さすが美食人間国宝!
「そうなんです! 瑞貴さんは舞獣――」
ダンッ!
「っ~~!」
またもや余計なことを言おうとした小松さんの足を私は思いっきり踏んだ。正体をあまり公(オオヤケ)に知られたくないって言ったのに、バラそうとするんだから!
「なんじゃ?」
「なんでもありません! それにしても、どうして私が料理してるってわかったんですか?」
「いろいろあるが、そこは同じ料理人としての勘かの」
「節乃さんと同じなんてとんでもありません! 私はただ一人暮らしというのもあって自分で料理するようしてるだけです!」
「フッフッフッ。今はそういうことにしとくかのう」
なんだろう……もしかして節乃さんも私の正体を知ってるってことないよね?
――駅を降りた頃にはすっかり夜になり、節乃さんの案内で町外れへと向かって行く。
「お店、街の中心からずいぶん離れてるんですね」
「街にはセツ婆オーナーのチェーン店がいっぱいある。節乃人形だらけなのが照れくさいんだろうな。それでも、グルメタワーのレストランにも負けねぇ収入だぞ、セツ婆の店は」
「スゴい!」
「そういえば美食屋四天王のトリコでも四年は予約を待ったんだよね。ということは今でも何年先も予約でいっぱいなのかなぁ……」
伝説の料理人で美食人間国宝の店は一筋縄も二筋縄もいかないな。気軽に食べに行けるお店じゃないね。
「着いたじょ、あたしゃの店じゃ」
「えー! デ、デカい! まるでお城!? さすが美食人間国宝のお店……」
「小松さん、どうしたの?」
「おーい小松、早く来いよ」
「って、そっち!?」
小松さんが隣の店に足を止めたからどうしたんだろうと思ったけど、勘違いしてたみたいだね。確かに本物の店は美食人間国宝の店とは思えないもんね……。私も一瞬目を疑ったし。
節乃さんが扉の鍵を開けると『し~ん』と書いた立て札を裏返して『わ゙ーっ』にした。
「どういう意味ですかね?」
「『し~ん』ってのが、『ただいま仕込み中』、『わ゙ーっ』っていうのが、『ただいま荒稼ぎ中』って意味だな」
「『わ゙ーっ』にそんないやらしい意味が込められてるんですか!?」
「でもお店開いたら絶対賑わうだろうし、状況からしたら効果音で『わ゙ーっ』かもね」
「ほら行くじょ、お主ら」
節乃さんが店の扉を開けてくれたので私たちは顔を見合わせた。トリコと小松さんはネクタイを、私は髪型を直す。
「おじゃましま……――あれ?」
「真っ暗……節乃さーん?」
「半年も店閉めとったら電球が切れちゃってのう」
確かに半年も点けなかったら切れるよね。それでグルメデパートで電球を買ってたんだ。節乃さんがセットできたのか電気が点いて店が一気に明るくなった。
「ンフッ、いらっしゃい。ようこそ節乃食堂へ」
コック帽を被った節乃さんはともかく、店の中も外見同様でどこにでもありそうなインテリアだった。
「ふ、普通だ……。テーブルも、椅子も、調理器具ですらどこにでもある普通の物……」
「どこにでもある道具で最高の料理を振る舞う、それがセツ婆さ」
「スゴい……! やっぱりスゴい……!」
「心から尊敬しちゃうよ……!」
料理人ランキングの人たちですら、大半は最高のインテリアや最高の調理器具を求めるのに……。節乃さんは雰囲気も調理器具も超える料理を出せるんだ!
「どうじょお掛け、お客様。今日はスペシャルメニューじゃったな?」
「ああ!」
「「ス、スペシャルメニュー?」」
予約も内容も全てトリコだから私たちは状況わ把握できなかった。それでもトリコはカウンター席へ向かったので、私たちもそれに続く。
「座れ、瑞貴、小松」
「うん……」
「はい……」
トリコが端に座ると、その隣に私、小松さんの順に並んで座ってナプキンを首に巻く。
「いいか、これから俺らは何があってもこの席を離れねぇぞ。たとえ隕石が降ってこようが、俺たちの食事は止められねぇ!」
「では、ごちそうしようぞ。伝説のスープ……『センチュリースープ』!!」
「「センチュリースープ……!」」
節乃さんのメニューの内容に私と小松さんは目を輝かせた。節乃さんの料理……それも伝説と呼ばれるスープと対面できるんだ!
「それに私たちがこの間捕獲したBBコーンのキッカケは、次郎さんなんです。ねっ、トリコ」
「確かに。ノッキングマスター次郎がトムんとこに卸そうとしてくれなかったら、テリーの食材探しが遅れてたかもな」
「ホォ、そうか。次郎が捕獲、あたしゃが調理で長いことコンビを組んどったで。二人でグルメ界にも行ったわ。フフッ、恋もしたで~」
「それで俺の髪型をこんな風に……」
「ただ『リーゼントが好み』じゃなくて、『次郎さんがリーゼントだから好み』という理由だったのね……」
「しかし次郎がお前さんの命を救ったか……そうか……」
「?」
何か意味あり気な感じだったので、小松さんはキョトンとしていた。
「それにしても、コンビの相手と恋なんてステキですね。仕事でもプライベートでも支え合える関係ですから」
「さすが女子(オナゴ)じゃ。わかってくれるとは嬉しいの。瑞貴ちゃんは確か美食屋じゃったな」
「はい。まだまだ半人前ですが……」
「料理もかなりできるのう」
「「「ええっ!?」」」
私は節乃さんと今日が初対面だ。なのに一発で料理ができるかわかるなんて、さすが美食人間国宝!
「そうなんです! 瑞貴さんは舞獣――」
ダンッ!
「っ~~!」
またもや余計なことを言おうとした小松さんの足を私は思いっきり踏んだ。正体をあまり公(オオヤケ)に知られたくないって言ったのに、バラそうとするんだから!
「なんじゃ?」
「なんでもありません! それにしても、どうして私が料理してるってわかったんですか?」
「いろいろあるが、そこは同じ料理人としての勘かの」
「節乃さんと同じなんてとんでもありません! 私はただ一人暮らしというのもあって自分で料理するようしてるだけです!」
「フッフッフッ。今はそういうことにしとくかのう」
なんだろう……もしかして節乃さんも私の正体を知ってるってことないよね?
――駅を降りた頃にはすっかり夜になり、節乃さんの案内で町外れへと向かって行く。
「お店、街の中心からずいぶん離れてるんですね」
「街にはセツ婆オーナーのチェーン店がいっぱいある。節乃人形だらけなのが照れくさいんだろうな。それでも、グルメタワーのレストランにも負けねぇ収入だぞ、セツ婆の店は」
「スゴい!」
「そういえば美食屋四天王のトリコでも四年は予約を待ったんだよね。ということは今でも何年先も予約でいっぱいなのかなぁ……」
伝説の料理人で美食人間国宝の店は一筋縄も二筋縄もいかないな。気軽に食べに行けるお店じゃないね。
「着いたじょ、あたしゃの店じゃ」
「えー! デ、デカい! まるでお城!? さすが美食人間国宝のお店……」
「小松さん、どうしたの?」
「おーい小松、早く来いよ」
「って、そっち!?」
小松さんが隣の店に足を止めたからどうしたんだろうと思ったけど、勘違いしてたみたいだね。確かに本物の店は美食人間国宝の店とは思えないもんね……。私も一瞬目を疑ったし。
節乃さんが扉の鍵を開けると『し~ん』と書いた立て札を裏返して『わ゙ーっ』にした。
「どういう意味ですかね?」
「『し~ん』ってのが、『ただいま仕込み中』、『わ゙ーっ』っていうのが、『ただいま荒稼ぎ中』って意味だな」
「『わ゙ーっ』にそんないやらしい意味が込められてるんですか!?」
「でもお店開いたら絶対賑わうだろうし、状況からしたら効果音で『わ゙ーっ』かもね」
「ほら行くじょ、お主ら」
節乃さんが店の扉を開けてくれたので私たちは顔を見合わせた。トリコと小松さんはネクタイを、私は髪型を直す。
「おじゃましま……――あれ?」
「真っ暗……節乃さーん?」
「半年も店閉めとったら電球が切れちゃってのう」
確かに半年も点けなかったら切れるよね。それでグルメデパートで電球を買ってたんだ。節乃さんがセットできたのか電気が点いて店が一気に明るくなった。
「ンフッ、いらっしゃい。ようこそ節乃食堂へ」
コック帽を被った節乃さんはともかく、店の中も外見同様でどこにでもありそうなインテリアだった。
「ふ、普通だ……。テーブルも、椅子も、調理器具ですらどこにでもある普通の物……」
「どこにでもある道具で最高の料理を振る舞う、それがセツ婆さ」
「スゴい……! やっぱりスゴい……!」
「心から尊敬しちゃうよ……!」
料理人ランキングの人たちですら、大半は最高のインテリアや最高の調理器具を求めるのに……。節乃さんは雰囲気も調理器具も超える料理を出せるんだ!
「どうじょお掛け、お客様。今日はスペシャルメニューじゃったな?」
「ああ!」
「「ス、スペシャルメニュー?」」
予約も内容も全てトリコだから私たちは状況わ把握できなかった。それでもトリコはカウンター席へ向かったので、私たちもそれに続く。
「座れ、瑞貴、小松」
「うん……」
「はい……」
トリコが端に座ると、その隣に私、小松さんの順に並んで座ってナプキンを首に巻く。
「いいか、これから俺らは何があってもこの席を離れねぇぞ。たとえ隕石が降ってこようが、俺たちの食事は止められねぇ!」
「では、ごちそうしようぞ。伝説のスープ……『センチュリースープ』!!」
「「センチュリースープ……!」」
節乃さんのメニューの内容に私と小松さんは目を輝かせた。節乃さんの料理……それも伝説と呼ばれるスープと対面できるんだ!