食事の遊園地! 満腹都市グルメタウン!
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……一方、サニーは修理したヘリでフライトに出ていた。
「この美(ツク)しい機体、この美(ツク)しい操縦、いい! 実にいい!」
《お兄ちゃん!? 今どこいるし!?》
「リン!」
突如入った通信相手は両腕を組んで不機嫌な顔をしたリンだった。
「癒しの国に向かってる」
《って、そのヘリで瑞貴誘ってトリコのうちに遊びに行くんだから、帰って来るしー!》
「ハアッ!? これ俺の美(ツク)しいマッハヘリだし! それにトリコのことだ、どうせどっか旅に出て……なんか食ってんだろー!」
《瑞貴は? また遊ぼうと思って誘ったら予定ができたからって断られたんだし》
「俺も癒しの国に行くこと断られた。……まさか、またトリコと一緒にいるんじゃねぇよな?」
このサニーの予想は、どれも大的中していた。
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私たちは屋台で買った通常より大きなタコ焼きを食べながら歩いていた。
「大王タコのタコ焼き……外はカリカリ、中はトロ~リでおいしい~!」
「それにこのソースがまた絶品! うちでも作れないかな?」
「ん?」
「どうしたの?」
トリコが何かに気づいたようなので私も目線の先を追うと、一般人に紛れていかにもって感じの男たちが多かった。
「美食屋か? 気合い入ったのが多いが……」
「さっきの奴といい、何かあるのかな?」
駅を出て感じた気配の持ち主……なんか記憶に引っ掛かるんだけど、思い出せないなぁ。ふと顔を向ければゾンゲたちがパフェを食べていた。
「あっ、ゾンゲたちだ」
「あいつらも入れたんだな」
大王タコのタコ焼きを食べたあとストロータイプのジュースを買ってくれたので、飲みながらまた歩いて行く。
「そういえば、グルメタウンに来た目的は……?」
「ああ。ある人と待ち合わせしてんだ」
「それってデート?」
「ンなわけあるか! デートだったらお前らも一緒に誘うのはおかしいだろ!」
ただからかっただけなのに、トリコってば冗談が通じないなぁ。まあ、他の女とのデートならリンちゃんが黙ってられないか。
「……それに、デートならお前とのほうがいいしな」
「なんか言った?」
「いや、なんでもない。まだ少し時間あるな」
「それなら僕、行きたい所が!」
―――小松さんが行きたい所とは、あらゆる道具や調理器具が売っているグルメデパートだった。
「なんだ、グルメデパートかよ。食い物ねぇ所に興味ないんだがなぁ」
「そう言わずにさ、今まではトリコの希望だったんだから次は小松さんの希望の場所に付き合おうよ」
「お前はないのか?」
「私はこの場所よく知らないし、時間が少ししかないから遠慮しておくよ」
それからやっぱりというか小松さんは調理器具のコーナーに向かった。そこにあるショーウィンドーの鍋に手と顔を張り付けてキラキラと輝いている。
「うわ~! 栗坊鍋ですよ~! 数千度の熱で煮込んでも変形しない鍋ですよ~!」
「あっ、あそこに小松さんのと同じグルメスパイサーが売ってる。製品化されたんだ」
「うわっ、メルク包丁だ! 研ぎ師・メルクのオリジナル包丁!」
「少年がトランペット眺めてるみてぇだぞ。買えばいいだろ?」
確かにあんなクレジットカードを持つトリコならアッサリ買えるだろうけど、私たち庶民は違うんだよ。
「買えばいいって、あんたの金銭感覚と一緒にしないで」
「ムリですよ。安いので100万ですよ? 僕なんかとても……」
すると突然メルク包丁のショーケースのガラスが開き、全ての包丁へ手が伸びた。
「それ全部いただこうか」
「「「「かしこまりました」」」」
「ええっ!?」
「な、なんです!?」
安いのが100万で他もそれ以上するメルク包丁を大量購入!? 見ればいかにも大金持ちって感じのおじいさんが次々指示を出していく。巨大なタワーが三つもできてるぞ……。
「あと、栗坊鍋も一通りもらおうか。あと、あれと、これと……面倒だから全部持って来い」
「スゴい……。豪華な買い物……」
「いくらするか想像したくない……」
「大人買いならぬ富豪買いだな。さて、そろそろ行くか」
「ああっ、まだ見たい所が……」
「早くしろよ」
「はい!」