食事の遊園地! 満腹都市グルメタウン!
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「とても似合っていますよ、瑞貴さん!」
「ああ。見違えた」
「ありがとう、お世辞でも嬉しいよ。待っている間は退屈だったでしょ」
「い、いや。少し話してたから気にすんな」
「なんの話?」
「知らなくていいです!」
「?」
トリコには誤魔化されるし、小松さんには力いっぱい否定されるし、ホントに私が準備している間に何を話してたんだ?
☆☆☆☆☆
あれから列車に乗って目的の駅に着くとたくさんの人が同じように出ようとしてたので、人混みに流れそうだった。でもトリコは一際背が高いから目印にもなっている。
「ちょっ、トリコ……」
ギュッ。
「えっ」
手が握られた感覚がしたと思ったらトリコが人混みの間を使って私の手を取っていた。
「ほら、はぐれんなよ」
「う、うん」
「二人共、待ってくださーい!」
少しうしろで叫んでいる小松さんの声が聞こえるけど私はそれどころじゃない。トリコは気遣ってくれたとはいえ今は正装しているからギャップが強い……なんかドキドキするんですけど!
「そういえばお前らはグルメタウンに来たことあるのか?」
「あ、ありません」
「私も」
「えっ? お前ら初めて来たのか?」
「はい……。一人前になってからと決めていたもので……」
「私は自宅や寄付先のお店で事足りてたから来る必要がなかったし……」
「一人前や来る必要ないって……。瑞貴はともかく、小松、お前五ツ星ホテルのシェフだろ?」
「そうだよね。シェフなら一度は行ってみたい場所がたくさんあるんじゃない?」
「ありますけど……だって、この街には最高十個星レストランの入ってるグルメタワーがあるんですよ? 僕なんか、半人前もいいとこですし……おわっ!」
人混みに押し付けながらも、私たちはなんとか駅の外へ出ることができた。
「ハハッ。なのに来てよかったのか?」
「せっかくのトリコさんのお誘いですから。それに瑞貴さんもいますし……――って! なんで手を繋いでるんですかぁ!?」
「「ん/えっ?」」
小松さんに言われて気づいたけど未だにずっと手を繋いでいた。そういえばもう駅に出たから人混みはないんだった。
「ありがとう、トリコ。もう大丈夫だよ」
「俺は別に、このままでもいいだぜ?」
「そういうのはリンちゃんに言ってあげて」
私がそう言うとトリコは渋々って感じだけど離してくれた。ただでさえ今はスーツのギャップがあるから尚更トキめいちゃうよ。
(小松の奴、邪魔しやがって……)
(僕もがんばらないと!)
……二人の間に微かに火花が散っていたが瑞貴はどうしてこんな雰囲気かと首を傾げた。
「そういえばトリコ、今日グルメタウンに来た目的って?」
「ああ、それはな……――って、小松?」
一度私を見たトリコが小松さんに再び顔を向けると、小松さんは心からだとわかるほど笑顔になっていた。
「うわあ~! ここが満腹都市グルメタウンですか~!?」
「面白い街だねー!」
小松さんと同じように私もグルメタウンに目を向ければ、アイスクリームやスイカのようなビルや、移動手段の乗り物も全て食材の形をしていた。それになんといっても食べ物屋さんがいっぱい!
その中で一際目立っているのがフォークとナイフを逆さまにしたような巨大なビルだった。
「あれですね! グルメタワー!」
「ああ。世界の料理が味わえる『グルメタワー』――上の階のほとんど一見(イチゲン)の客を断る十個星の店。まっ、俺の紹介なら小松も瑞貴も入れなくはないがな」
「ホ、ホントですか!?」
「今回タワーに用はねぇから、また今度な」
「えー!? そんなー!」
持ち上げて落としたような感じだね。さっきまでテンションが上がっていた小松さんが、両手を後頭部に当てるトリコの言葉で一気に落胆したよ。
「――ハハハッ! 都会ってのも久々だな!」
「――ええ! 相当ご無沙汰でした!」
「――いや、初めてですよね? 都会に来るの」
「RPGではいろいろ行ってんだよ」
「それ、テレビゲームでしょ……」
思いっきり見覚えのある人たちがいた。なんか白川と坂巻のポジションが決まってきたなぁ、ゾンゲの言葉のノリノリ役とツッコミ役が。
「トングさーん!」
「トングじゃねぇ! ゾンゲだー! って、ああテメェは! よくもウージャングルに置き去りにしたなぁ!?」
「あっ! ウールスターソースの実でいっぱいいっぱいで、存在すらすっかり忘れてました! ごめんなさい!」
「小松さん……」
「お前、さりげなくヒデェこと言ってんぞ……」
――――!
「「!」」
第六感の力で全身に何かを感じるとトリコも同じようで微かに汗が出ていた。
(なんだ!? この威圧感……!)
周りを見渡せば、気配の元であろう緑のジャージで覆面を被った長髪の男がいた。だけど私たちと男の間を他の人が通ったら消えてしまった。
「ああ。見違えた」
「ありがとう、お世辞でも嬉しいよ。待っている間は退屈だったでしょ」
「い、いや。少し話してたから気にすんな」
「なんの話?」
「知らなくていいです!」
「?」
トリコには誤魔化されるし、小松さんには力いっぱい否定されるし、ホントに私が準備している間に何を話してたんだ?
☆☆☆☆☆
あれから列車に乗って目的の駅に着くとたくさんの人が同じように出ようとしてたので、人混みに流れそうだった。でもトリコは一際背が高いから目印にもなっている。
「ちょっ、トリコ……」
ギュッ。
「えっ」
手が握られた感覚がしたと思ったらトリコが人混みの間を使って私の手を取っていた。
「ほら、はぐれんなよ」
「う、うん」
「二人共、待ってくださーい!」
少しうしろで叫んでいる小松さんの声が聞こえるけど私はそれどころじゃない。トリコは気遣ってくれたとはいえ今は正装しているからギャップが強い……なんかドキドキするんですけど!
「そういえばお前らはグルメタウンに来たことあるのか?」
「あ、ありません」
「私も」
「えっ? お前ら初めて来たのか?」
「はい……。一人前になってからと決めていたもので……」
「私は自宅や寄付先のお店で事足りてたから来る必要がなかったし……」
「一人前や来る必要ないって……。瑞貴はともかく、小松、お前五ツ星ホテルのシェフだろ?」
「そうだよね。シェフなら一度は行ってみたい場所がたくさんあるんじゃない?」
「ありますけど……だって、この街には最高十個星レストランの入ってるグルメタワーがあるんですよ? 僕なんか、半人前もいいとこですし……おわっ!」
人混みに押し付けながらも、私たちはなんとか駅の外へ出ることができた。
「ハハッ。なのに来てよかったのか?」
「せっかくのトリコさんのお誘いですから。それに瑞貴さんもいますし……――って! なんで手を繋いでるんですかぁ!?」
「「ん/えっ?」」
小松さんに言われて気づいたけど未だにずっと手を繋いでいた。そういえばもう駅に出たから人混みはないんだった。
「ありがとう、トリコ。もう大丈夫だよ」
「俺は別に、このままでもいいだぜ?」
「そういうのはリンちゃんに言ってあげて」
私がそう言うとトリコは渋々って感じだけど離してくれた。ただでさえ今はスーツのギャップがあるから尚更トキめいちゃうよ。
(小松の奴、邪魔しやがって……)
(僕もがんばらないと!)
……二人の間に微かに火花が散っていたが瑞貴はどうしてこんな雰囲気かと首を傾げた。
「そういえばトリコ、今日グルメタウンに来た目的って?」
「ああ、それはな……――って、小松?」
一度私を見たトリコが小松さんに再び顔を向けると、小松さんは心からだとわかるほど笑顔になっていた。
「うわあ~! ここが満腹都市グルメタウンですか~!?」
「面白い街だねー!」
小松さんと同じように私もグルメタウンに目を向ければ、アイスクリームやスイカのようなビルや、移動手段の乗り物も全て食材の形をしていた。それになんといっても食べ物屋さんがいっぱい!
その中で一際目立っているのがフォークとナイフを逆さまにしたような巨大なビルだった。
「あれですね! グルメタワー!」
「ああ。世界の料理が味わえる『グルメタワー』――上の階のほとんど一見(イチゲン)の客を断る十個星の店。まっ、俺の紹介なら小松も瑞貴も入れなくはないがな」
「ホ、ホントですか!?」
「今回タワーに用はねぇから、また今度な」
「えー!? そんなー!」
持ち上げて落としたような感じだね。さっきまでテンションが上がっていた小松さんが、両手を後頭部に当てるトリコの言葉で一気に落胆したよ。
「――ハハハッ! 都会ってのも久々だな!」
「――ええ! 相当ご無沙汰でした!」
「――いや、初めてですよね? 都会に来るの」
「RPGではいろいろ行ってんだよ」
「それ、テレビゲームでしょ……」
思いっきり見覚えのある人たちがいた。なんか白川と坂巻のポジションが決まってきたなぁ、ゾンゲの言葉のノリノリ役とツッコミ役が。
「トングさーん!」
「トングじゃねぇ! ゾンゲだー! って、ああテメェは! よくもウージャングルに置き去りにしたなぁ!?」
「あっ! ウールスターソースの実でいっぱいいっぱいで、存在すらすっかり忘れてました! ごめんなさい!」
「小松さん……」
「お前、さりげなくヒデェこと言ってんぞ……」
――――!
「「!」」
第六感の力で全身に何かを感じるとトリコも同じようで微かに汗が出ていた。
(なんだ!? この威圧感……!)
周りを見渡せば、気配の元であろう緑のジャージで覆面を被った長髪の男がいた。だけど私たちと男の間を他の人が通ったら消えてしまった。