食事の遊園地! 満腹都市グルメタウン!
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
BBコーンを獲得してから数日、私はヒールフォレストの湖に来ていた。薙刀をブレスレットに戻し、目を閉じて精神集中させる。
「…………」
コポポ……ゴオオォォオオオ!!
……目の前にある湖が風もないのに動いたと思いきや、一気に大波になって瑞貴がいる端から反対の端まで進んで行く。そして端に到着すると反動でバックに円を描くように再び湖の中心に落ちて大きな水飛沫を上げた。
「フゥ……まだまだか」
目を開けた私は大量に汗を流してそう思った。私の中にいる四神の力を解放させるには、過去にグルメ界へいたときのような『あの姿』ではなく、『私の姿』で完全にコントロールすることだ。
私本来の力と四神の力が完全に一致するには、私自身の心の強さが必要になる。リーガルマンモスのときは抑えることができたけど、いつ暴走するかわからない。
「よし! がんばらなきゃ!」
「――おーい瑞貴ー!」
「――瑞貴さーん!」
「ん?」
私を呼ぶ声が聞こえて振り向くと、何故かスーツを着たトリコと小松さんが手を振りながら来た。手ぶらのトリコに対し小松さんはいつものようにリュックも背負っているけど。
「な、何その格好? どこか行くの?」
「グルメタウンに行くんです! 僕はトリコさんに誘われて」
「へぇ。トリコは前に見たことがあるけど、小松さんってスーツも似合うね」
「あ、ありがとうございます」
本心で褒めたら小松さんは照れくさそうに頬を染めて後頭部をかいた。私より年上だけど、小松さんはトリコたちとは違って可愛さもあるからスーツとのギャップがいいな。
「お前、なんで普段着なんだよ? ちゃんとメール送ったじゃねぇか」
「グルメタウン…メール……――ああ!」
一瞬なんのことかと思ったけど、昨日トリコから『明日グルメタウンに行くから正装しとけよ!』というメールが来たことを思い出した。でもいつも通りの寄付を先日したあとは修業に専念したから断ったんだよね。
「あのあと『修業したいからムリ』って返したじゃん。読んでなかったの?」
「修業ですか? そういえばさっき大きな物音がしたような……」
「あっ、小松さんには話してなかったね」
私は前にトリコと言ったことを小松さんに話した。薙刀は武器と同時に私の力の出し方を教えてくれるモノであること、薙刀ナシに力を扱えるために修業していることを……。
「この頃サボり気味だったからね。まだ修業したいから、私に気にせず楽しんで来て」
「だーかーらー、お前も行くんだよ。絶対後悔させねぇからさ!」
「前に『力は絶対に使いこなさなきゃならない』って言ったよね? 今その修・業・中・だっての!」
「息抜きだ息抜き! 旅費も食費も全部俺が出すからさ、この通りだ!」
パンッと両手を合わせて少し頭を下げて頼み込むトリコ。今まで無理矢理連れて行ったのにここまでするとは珍しい……。それにこの状況、なんか私が悪者みたいだね。小松さんも苦笑しているし。
「ハァ~……わかった」
「ホントか!? じゃあ今すぐ着替えて行こうぜ!」
「はいはい」
湖から自宅に移動して二人はリビング、私は二階の自室に入った。お茶を用意しようとしたけど「準備ができたらすぐ行くから」という理由で断られた。
私はクローゼットから以前虹の実のときにトリコに買ってもらったドレスと、街中を歩くからボレロも出した。正装なら少しメイクもしなくちゃね、この前リンちゃんと買い物に行ったときに買ったし。それならリュックじゃなく手提げバッグも用意しよう。
「それにしても小松の言った通りだったな! あれで断られたらいつものように担いで行くとこだったけど」
「瑞貴さんに頼むのは誠心誠意でやるのが一番なんです。トリコさんはただでさえ無理矢理連れて行くから、抵抗するようになっちゃったんですよ」
……小松の言うことはもっともだ。トリコが今までのやり方をしていたら間違いなく瑞貴は完璧に逃げていただろう。
「そうだ、トリコさん。ずっと訊きたかったことがあるんです」
「なんだ?」
「その……――トリコさんは瑞貴さんのこと、好きなんですか?」
「ん?」
「トリコさんが瑞貴さんと何かと同行させたがるのは、ただ『気に入った』だけじゃないと思うんです。これは、同じ男としての直感ですが……どうですか?」
「好きだぜ」
「……えっ!?」
動揺することなくあまりにもアッサリだったので小松は一瞬聞き間違いだと思った。トリコもそれを感じたのかもう一度告げる。
「俺は瑞貴のことが好きだ。ずっとそばにいてほしいし、守ってやりたい。あいつの強さも弱さも全て受け止めたいんだ」
トリコはこの間ウール火山で告げた瑞貴の不安な姿を知っている。他の人のために流す涙はあっても、自分のことで流す涙は初めて見た。それにトリコは『愛しい』と感じたのだ。
「でも、それはお前もだろ? 小松?」
「うえっ!? ……は、はい。気づいていたんですね。――僕はあんな女性に会うのは初めてで、いつの間にか惹かれて……。瑞貴さんに比べれば力とか劣るけど彼女を守ってあげたいんです。だ、だから負けません!」
「ああ。俺たちは仲間でありライバルだな」
「っ、はい!」
……小松は少し嬉しかった。美食屋四天王と呼ばれるトリコが、ひ弱な自分を『恋のライバル』に認定してくれたことを。
ガチャ。
「お待たせ~。メイクって慣れなかったから時間かかっちゃった」
「おっ、来た…か……」
「どうしたんですか? トリコ…さ…ん……」
椅子に座った方向からトリコが真っ先に私に気づくも言葉が途切れて目を見開いているので、それを向かいにいた小松さんもこちらを振り向くと同じ顔になった。
「あ、あの? どうしたの?」
「い、いや、その……なんでもない」
「ぼ、僕もです」
「?」
……二人が振り向いた先には正装姿の瑞貴がいた。薄めだが自分でしたであろうメイクも上手に施せているし、恋愛感情で瑞貴が好きと気づいた二人には衝撃的だった。
「…………」
コポポ……ゴオオォォオオオ!!
……目の前にある湖が風もないのに動いたと思いきや、一気に大波になって瑞貴がいる端から反対の端まで進んで行く。そして端に到着すると反動でバックに円を描くように再び湖の中心に落ちて大きな水飛沫を上げた。
「フゥ……まだまだか」
目を開けた私は大量に汗を流してそう思った。私の中にいる四神の力を解放させるには、過去にグルメ界へいたときのような『あの姿』ではなく、『私の姿』で完全にコントロールすることだ。
私本来の力と四神の力が完全に一致するには、私自身の心の強さが必要になる。リーガルマンモスのときは抑えることができたけど、いつ暴走するかわからない。
「よし! がんばらなきゃ!」
「――おーい瑞貴ー!」
「――瑞貴さーん!」
「ん?」
私を呼ぶ声が聞こえて振り向くと、何故かスーツを着たトリコと小松さんが手を振りながら来た。手ぶらのトリコに対し小松さんはいつものようにリュックも背負っているけど。
「な、何その格好? どこか行くの?」
「グルメタウンに行くんです! 僕はトリコさんに誘われて」
「へぇ。トリコは前に見たことがあるけど、小松さんってスーツも似合うね」
「あ、ありがとうございます」
本心で褒めたら小松さんは照れくさそうに頬を染めて後頭部をかいた。私より年上だけど、小松さんはトリコたちとは違って可愛さもあるからスーツとのギャップがいいな。
「お前、なんで普段着なんだよ? ちゃんとメール送ったじゃねぇか」
「グルメタウン…メール……――ああ!」
一瞬なんのことかと思ったけど、昨日トリコから『明日グルメタウンに行くから正装しとけよ!』というメールが来たことを思い出した。でもいつも通りの寄付を先日したあとは修業に専念したから断ったんだよね。
「あのあと『修業したいからムリ』って返したじゃん。読んでなかったの?」
「修業ですか? そういえばさっき大きな物音がしたような……」
「あっ、小松さんには話してなかったね」
私は前にトリコと言ったことを小松さんに話した。薙刀は武器と同時に私の力の出し方を教えてくれるモノであること、薙刀ナシに力を扱えるために修業していることを……。
「この頃サボり気味だったからね。まだ修業したいから、私に気にせず楽しんで来て」
「だーかーらー、お前も行くんだよ。絶対後悔させねぇからさ!」
「前に『力は絶対に使いこなさなきゃならない』って言ったよね? 今その修・業・中・だっての!」
「息抜きだ息抜き! 旅費も食費も全部俺が出すからさ、この通りだ!」
パンッと両手を合わせて少し頭を下げて頼み込むトリコ。今まで無理矢理連れて行ったのにここまでするとは珍しい……。それにこの状況、なんか私が悪者みたいだね。小松さんも苦笑しているし。
「ハァ~……わかった」
「ホントか!? じゃあ今すぐ着替えて行こうぜ!」
「はいはい」
湖から自宅に移動して二人はリビング、私は二階の自室に入った。お茶を用意しようとしたけど「準備ができたらすぐ行くから」という理由で断られた。
私はクローゼットから以前虹の実のときにトリコに買ってもらったドレスと、街中を歩くからボレロも出した。正装なら少しメイクもしなくちゃね、この前リンちゃんと買い物に行ったときに買ったし。それならリュックじゃなく手提げバッグも用意しよう。
「それにしても小松の言った通りだったな! あれで断られたらいつものように担いで行くとこだったけど」
「瑞貴さんに頼むのは誠心誠意でやるのが一番なんです。トリコさんはただでさえ無理矢理連れて行くから、抵抗するようになっちゃったんですよ」
……小松の言うことはもっともだ。トリコが今までのやり方をしていたら間違いなく瑞貴は完璧に逃げていただろう。
「そうだ、トリコさん。ずっと訊きたかったことがあるんです」
「なんだ?」
「その……――トリコさんは瑞貴さんのこと、好きなんですか?」
「ん?」
「トリコさんが瑞貴さんと何かと同行させたがるのは、ただ『気に入った』だけじゃないと思うんです。これは、同じ男としての直感ですが……どうですか?」
「好きだぜ」
「……えっ!?」
動揺することなくあまりにもアッサリだったので小松は一瞬聞き間違いだと思った。トリコもそれを感じたのかもう一度告げる。
「俺は瑞貴のことが好きだ。ずっとそばにいてほしいし、守ってやりたい。あいつの強さも弱さも全て受け止めたいんだ」
トリコはこの間ウール火山で告げた瑞貴の不安な姿を知っている。他の人のために流す涙はあっても、自分のことで流す涙は初めて見た。それにトリコは『愛しい』と感じたのだ。
「でも、それはお前もだろ? 小松?」
「うえっ!? ……は、はい。気づいていたんですね。――僕はあんな女性に会うのは初めてで、いつの間にか惹かれて……。瑞貴さんに比べれば力とか劣るけど彼女を守ってあげたいんです。だ、だから負けません!」
「ああ。俺たちは仲間でありライバルだな」
「っ、はい!」
……小松は少し嬉しかった。美食屋四天王と呼ばれるトリコが、ひ弱な自分を『恋のライバル』に認定してくれたことを。
ガチャ。
「お待たせ~。メイクって慣れなかったから時間かかっちゃった」
「おっ、来た…か……」
「どうしたんですか? トリコ…さ…ん……」
椅子に座った方向からトリコが真っ先に私に気づくも言葉が途切れて目を見開いているので、それを向かいにいた小松さんもこちらを振り向くと同じ顔になった。
「あ、あの? どうしたの?」
「い、いや、その……なんでもない」
「ぼ、僕もです」
「?」
……二人が振り向いた先には正装姿の瑞貴がいた。薄めだが自分でしたであろうメイクも上手に施せているし、恋愛感情で瑞貴が好きと気づいた二人には衝撃的だった。