芳醇なる七色の果汁! 虹の実をとれ!
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「じゃ、がんばってください。応援してます」
「「えっ?」」
「えっ?」
私は普通に声援を送ったんだけど、トリコと小松さんは驚いたように振り向いた。何故?
「瑞貴さんは行かないんですか!? 虹の実ですよ!? 興味ないんですか!?」
「一応興味はありますけど別にそんなに行きたいってほどではないし、依頼されたわけでもありませんから。私はこれで……」
ヒョイ。
「ほら行くぞ~」
「えー!? 私も行くこと決定っスか!?」
私は薙刀ごとあっという間にトリコに俵担ぎされた。脱出しようにもガッチリ腕が抱きしめているから動けない。ガララワニ以来から原作に関わる気ないのに!
「ん? お前、なんか食いモン持ってるのか?」
「今は持ってませんよ。小松さんと会う前に卸して来ましたから、その猛獣の匂いじゃないんですか?」
「猛獣……他には何か取ったか?」
「いいえ?」
何が言いたいんだろう? 今日捕獲した沼蛇の匂いが染み付いてんのかな? 私は匂わなくてもトリコの嗅覚は特別だし。
「あの、俵担ぎはやめてください。筋肉でお腹が苦しいんですけど……」
「じゃあこれでいいな」
トリコは俵担ぎをやめたと思ったら片手で抱っこした。降ろすという選択肢はないんかい!
☆☆☆☆☆
ヨハネスさんが運転する車に乗って目的地に向かう中、私たちは雑談していた。
ちなみに薙刀は、普段刃の周りにあるのと同じ四つの玉(ギョク)が付いたブレスレットに変形して手首に付けている。いやー、四神の力って便利だよ。念じれば薙刀に戻るし。
「ええっ!? 沼蛇を捕獲したんですか!?」
「あれは沼に潜んでいて発見が困難なのに、よく見つけられたな」
「沼の中をずっと潜っていたら見つけられましたよ」
「ずっとって……風邪引きますよ?」
小松さんが心配そうに見ているけど、私はニコッと笑った。
「私は環境適応人間なんです。自然類のならダメージは受けないし、長時間も水の中に潜れるし、暗闇も見えてくるし、暑さも寒さも平気で、抗体を持ってませんが猛毒も大丈夫です。他には第六感が長けているから見るより先に無意識に感じて危険を察知できるんです」
グルメ界にいたときに嫌でも来るのが過酷な環境だ。それを私は瞬時に適応してきた。寒いや暑いと感じても体にダメージがない。これもトリップ特典なんだろうね。
「み、瑞貴さんって何者……?」
(毒が平気、か……。あいつならきっと瑞貴を気に入るし、お似合いなんだが……複雑な気分がするのは何故だ?)
「見えてきましたよ」
ヨハネスさんの声で会話は終了し、先には巨大な建造物が見えた。
「うわー! 何っ!? デカッ!」
「通称・庭と呼ばれる第8ビオトープです。人工的に作られた動植物の生息空間。限りなく自然に近い状態で様々な動物たちを放し飼いにしています」
「IGOはこのビオトープ内で、グルメ動物の生態調査なんかをやっているんだ」
「なるほど」
車に降りて私たちの姿を確認した見張りの兵士たちが、背筋を伸ばして敬礼する。
「「ごちそうさまです! トリコ様!」」
「その挨拶いい加減やめろよな。何も奢ってねぇよ」
ドンドンドンドン――!!
突然響いた大きな音に小松さんたちはびっくりする。対して私とトリコは平然としていた。
「何!? 雷!?」
「ドラミングですよ。胸を拳で叩くゴリラ特有の威嚇行動です」
「へぇ。よく知ってるな」
「一応美食屋ですからね」
「先ほど、トロルコングがゲートの奥にいると監視塔から連絡が」
トロルコングのドラミングが分厚いコンクリートの壁を越えて聞こえるなんて、さすが最強のゴリラだ。
「この庭の王者が俺に入るなと忠告してるみてぇだな」
「ええっ!?」
「構わねぇ。ゲートを開けろ」
「いえ、規定でゲート5キロ圏内に猛獣がいる場合は開けられません」
「ハァ~。めんどくせぇ決まりだぜ」
いやいや、ここには非力な一般人もいるんだからね? 開けた瞬間になんらかの攻撃されたらどうすんのよ。
「まあ早い話、5キロ圏内にいなければいいわけだろ? 開けたとき、すでにいなくなってれば問題ねぇんだな」
トリコはゲート横の壁に手を当てる。そして筋肉を太くしてゴキゴキと指を鳴らし始めた。
「「えっ?」」
「えっ?」
私は普通に声援を送ったんだけど、トリコと小松さんは驚いたように振り向いた。何故?
「瑞貴さんは行かないんですか!? 虹の実ですよ!? 興味ないんですか!?」
「一応興味はありますけど別にそんなに行きたいってほどではないし、依頼されたわけでもありませんから。私はこれで……」
ヒョイ。
「ほら行くぞ~」
「えー!? 私も行くこと決定っスか!?」
私は薙刀ごとあっという間にトリコに俵担ぎされた。脱出しようにもガッチリ腕が抱きしめているから動けない。ガララワニ以来から原作に関わる気ないのに!
「ん? お前、なんか食いモン持ってるのか?」
「今は持ってませんよ。小松さんと会う前に卸して来ましたから、その猛獣の匂いじゃないんですか?」
「猛獣……他には何か取ったか?」
「いいえ?」
何が言いたいんだろう? 今日捕獲した沼蛇の匂いが染み付いてんのかな? 私は匂わなくてもトリコの嗅覚は特別だし。
「あの、俵担ぎはやめてください。筋肉でお腹が苦しいんですけど……」
「じゃあこれでいいな」
トリコは俵担ぎをやめたと思ったら片手で抱っこした。降ろすという選択肢はないんかい!
☆☆☆☆☆
ヨハネスさんが運転する車に乗って目的地に向かう中、私たちは雑談していた。
ちなみに薙刀は、普段刃の周りにあるのと同じ四つの玉(ギョク)が付いたブレスレットに変形して手首に付けている。いやー、四神の力って便利だよ。念じれば薙刀に戻るし。
「ええっ!? 沼蛇を捕獲したんですか!?」
「あれは沼に潜んでいて発見が困難なのに、よく見つけられたな」
「沼の中をずっと潜っていたら見つけられましたよ」
「ずっとって……風邪引きますよ?」
小松さんが心配そうに見ているけど、私はニコッと笑った。
「私は環境適応人間なんです。自然類のならダメージは受けないし、長時間も水の中に潜れるし、暗闇も見えてくるし、暑さも寒さも平気で、抗体を持ってませんが猛毒も大丈夫です。他には第六感が長けているから見るより先に無意識に感じて危険を察知できるんです」
グルメ界にいたときに嫌でも来るのが過酷な環境だ。それを私は瞬時に適応してきた。寒いや暑いと感じても体にダメージがない。これもトリップ特典なんだろうね。
「み、瑞貴さんって何者……?」
(毒が平気、か……。あいつならきっと瑞貴を気に入るし、お似合いなんだが……複雑な気分がするのは何故だ?)
「見えてきましたよ」
ヨハネスさんの声で会話は終了し、先には巨大な建造物が見えた。
「うわー! 何っ!? デカッ!」
「通称・庭と呼ばれる第8ビオトープです。人工的に作られた動植物の生息空間。限りなく自然に近い状態で様々な動物たちを放し飼いにしています」
「IGOはこのビオトープ内で、グルメ動物の生態調査なんかをやっているんだ」
「なるほど」
車に降りて私たちの姿を確認した見張りの兵士たちが、背筋を伸ばして敬礼する。
「「ごちそうさまです! トリコ様!」」
「その挨拶いい加減やめろよな。何も奢ってねぇよ」
ドンドンドンドン――!!
突然響いた大きな音に小松さんたちはびっくりする。対して私とトリコは平然としていた。
「何!? 雷!?」
「ドラミングですよ。胸を拳で叩くゴリラ特有の威嚇行動です」
「へぇ。よく知ってるな」
「一応美食屋ですからね」
「先ほど、トロルコングがゲートの奥にいると監視塔から連絡が」
トロルコングのドラミングが分厚いコンクリートの壁を越えて聞こえるなんて、さすが最強のゴリラだ。
「この庭の王者が俺に入るなと忠告してるみてぇだな」
「ええっ!?」
「構わねぇ。ゲートを開けろ」
「いえ、規定でゲート5キロ圏内に猛獣がいる場合は開けられません」
「ハァ~。めんどくせぇ決まりだぜ」
いやいや、ここには非力な一般人もいるんだからね? 開けた瞬間になんらかの攻撃されたらどうすんのよ。
「まあ早い話、5キロ圏内にいなければいいわけだろ? 開けたとき、すでにいなくなってれば問題ねぇんだな」
トリコはゲート横の壁に手を当てる。そして筋肉を太くしてゴキゴキと指を鳴らし始めた。