テリーの為に! 灼熱で弾けろ、BBコーン!
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……小松の動向が心配なのか、ココは占いをしながらもずっとテレビを点けている。
《危険区域・ウージャングルにサミットの食材探しに旅立った料理長は、未だに行方不明です》
「小松くん……」
《しかしながら、今のところグルメサミットは予定通り行われる模様で……》
「さあ、うちの番だ!」
「これだけ待ったんですからデカく稼げるのをお願いしますよ!」
列の最後の相手は株式会社グルだらけの二人組だ。ココに言われた通り列に並んで待っていたらしい。しかしココはずっとニュースに釘付けだ。
「って、聞いてます!?」
《あっ! 突然ですが只今入った情報によりますと、サミットの晩餐会で出されるメニューの一つとして、マーメイマグロのバブリートロが予定されているそうです》
「ちょっと! ココさん!?」
ココに二人の声が聞こえていないが、テレビはずっと通常の音量が出されているため、男たちにもニュースの内容が聞こえていた。
「稀少なマーメイマグロか……もしシェフが賞味期限までに戻らなければ、代わりのマーメイマグロが必要になるな」
「ああ、IGO相手にひと稼ぎできる。ココさん! マーメイマグロが獲れる漁場を占って――」
「今日の占いは終わりだ」
「「え――っ!?」」
立ち上がって宣言したココに男たちは盛大に驚いた。しかし、ココは何かを決意している顔だった。
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……小松とティナはウージャングルに少し入ってみたが、奥は日があまり当たらず暗いし猛獣の気配もたくさんする。しかもゾンゲと白川と坂巻が付いて来た。
「どうしましょう……?」
「入ってみる……?」
「おい、この森はマジでヤベーぞ。まっ、俺様は余裕で大冒険しちゃったけどな!」
「って、逃げ回ってたくせに……」
「ん!? なんか言ったか!?」
「いいえ別に!」
ボソリと坂巻が呟いたが今度はゾンゲもしっかり聞こえており、苦笑する白川の横で問い詰めていく。
「あっ!」
「何?」
「ほら!」
小松が何かに気づいて指差したのでティナも続くと、そこには赤色の小麦が生えていた。小松はそれを一つ採るとティナはそれに向けてカメラを構えた。
「これ、明太子麦だったんですね!」
「明太子風味の小麦!?」
「あっ、そうだ」
閃いた小松はリュックをおろすと、小さな実がたくさん入っている一つの瓶とグルメスパイサーを取り出す。
「こんなこともあろうかと、パルメ山椒の実を持って来てたんです。この実と明太子麦を一緒に砕けば面白いスパイスが作れるかも!」
小松はグルメスパイサーにパルメ山椒の実と明太子麦を入れ、できたスパイスをリュックから取り出していた皿にかけた。
「ん~! 刺激的ないい香り~!」
「へへっ。ど~れ、味見してやるか。あむっ」
ティナが皿を持ち上げてスパイスの香りを堪能すると、ゾンゲは少し指に付けて食べた。
「おっ、うまい! ……ん? 辛ーい!」
「ゾンゲ様ー!」
最初はおいしかったようだが、あとから来る辛さに耐えきれずゾンゲはひっくり返った。すぐに起き上がったものの、涙目で鼻の周りは赤く、舌も火傷したように赤かった。
「ほらー! ほろふひはー!」
「す、すみません! 失敗かぁ……」
勝手につまみ食いしたゾンゲの自業自得でもあるが、組み合わせの失敗に小松は落胆した。――彼らの背後で、芽が出たばかりの草が異様に動いていることは気づかずに。
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テリーが見つけた巨大BBコーンの元に行くけど、こうして近くに来たら迫力は拡大していた。
「近くで見るとさらにハンパないね。これって二十階建てのビルくらいあるんじゃない?」
「それにトウモロコシのヒゲの数は中の粒と同じ数と言うが、いったいいくつの粒が入っているんだろうな? なあ、テリー!」
〈ワウッ!〉
「よーし、いくぞ!」
「OK!」
〈ウォン!〉
トリコが高くジャンプすると私もテリーも続き、垂れた皮の先端を踏み台にして上がって行く。
「ナイフ!!」
「疾風斬!!」
トリコがナイフで、私が疾風斬で皮を切ろうとしたけど、切ったスジができただけであとは何も起きなかった。
「皮もなかなかの厚みと高さだね!」
「テリー! 瑞貴! 内側から削いでいってくれ!」
「〈うん/ワウッ!〉」
トリコが皮の先端を引っ張ると、私は薙刀でテリーは牙を使って勢いよく皮を削いでいった。