芳醇なる七色の果汁! 虹の実をとれ!
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「「トリコさん!」」
「ウッ! お姉さん、お兄さん、トリコの知り合いなの!? わああぁぁあああ!!」
美食屋四天王のトリコならピスタチウオの鮮度も詳しいし信憑性も高い。バレたらいけないと思ったのか、店主はピスタチウオごと慌てて引っ込んでしまった。
それにしても小松さんといい、トリコといい、ガララワニのときしか会ってないのに私を覚えていたんだ。とりあえず挨拶はしとこう。
「トリコさん、お久しぶりです。もしかして、そのシャクレノドンを?」
「ああ。こいつを捕獲したんで卸しに来たんだ」
「うわっ、シャクレノドンじゃん! 翼竜獣類・捕獲レベル4! そんでもってカリスマ美食屋・トリコ! なんててんこ盛りなおいしいニュース!」
さっきと違って目の色を変えたティナさんは、トリコに駆け寄った。
「あんたがトリコね。私ティナ!」
「あ?」
〈クーポ、クポー!〉
「これ、伝書風船鳩のクルッポー」
〈クーポ!〉
「可愛い!」
体を膨らませて可愛い声で鳴くクルッポーに、私はトリコを見たティナさん同様に目を輝かせた。
「瑞貴さんって、可愛いものが好きなんですね」
「あっ、はい。お恥ずかしながら……」
隣にいる小松さんにはバッチリ聞こえたみたい。別に隠すことはないけど、ちょっと照れるから頬を掻きながら答える。
「トリコと会えるなんて大盛り、いや特盛りラッキー! 私、グルメTVで世界のあらゆる食材を紹介するグルメキャスターなの! ねっ、トリコ。番組で取材させて!」
「――勝手な取材は困りますね」
いつの間にかヨハネスさんが黒スーツの男性を二人連れて、トリコとティナさんの間に割り込んだ。
「ちょっ、何よ!?」
〈クーポ! クポー!〉
「IGO!?」
「いかにも。IGO開発局・食品開発部長のヨハネスですが」
「撤収だ、ティナ」
「ハアッ!? なんで!?」
「国際グルメ機関IGO……奴らが相手じゃ取材はムリだ」
「えっ、トリコがいいのに! あっ、ちょっと! は、離してってば!」
スタッフに止められたのにもかかわらず取材しようとしたティナさんは、問答無用で黒スーツの男性たちに連行された。残ったのは私とトリコと小松さんとヨハネスさんだけ。
「そ、そこまでしなくても……」
「マスコミに聞かれてはマズい話があってね。トリコさん、会えてよかった。ちょうど頼みたい仕事がありまして」
「ああ? IGOなら専属の美食屋がいっぱいいんだろ。何も俺じゃなくても――」
「虹の実が実りました」
「何?」
「に、虹の実ー!? 気温や湿度によって七色に味を変えるという幻の木の実ですかー!?」
「ちょ、声がデカいぞ! 誰かに聞かれたらどうする!?」
「そりゃ大声にもなりますよ!」
「気持ちはわかりますけど、少し声のトーンを落としましょう?」
虹の実は25メートルのプールに虹の実の果汁をほんの一滴垂らすだけで、プールの水全てが濃厚で芳醇なジュースに変わるというほど、果汁の濃い実だ。一つで5億の値で取り引きされる。
「絶滅したって話じゃ?」
「もちろん、天然のモノではありませんが」
「なるほど。IGOお得意の品種改良ってやつか」
品種改良って……味とか落ちてないよね?
「ただ問題が一つ。虹の実がなる虹の樹に、トロルコングが巣を作り誰も近づけないのです」
「トロルコング!?」
「最強のゴリラ・トロルコング。先日、一両20億するグルメタンク三両を出動させましたが壊滅。全てひっくり返されました。重さ40トンの戦車が簡単にです。ちなみに捕獲レベル9」
「捕獲の難易度が9!? この前の三百歳のガララワニが捕獲レベルが8ですよ!?」
「ガララワニより手強いってことですね。まあ、わかる気もしますけど」
「虹の実、食ってみてぇし。まっ、久々に顔でも出すか。――懐かしき庭によ」
「懐かしき……庭?」
結論としてトリコは行くことを決定したようだが、小松さんはトリコの言葉に疑問を持った。
「ウッ! お姉さん、お兄さん、トリコの知り合いなの!? わああぁぁあああ!!」
美食屋四天王のトリコならピスタチウオの鮮度も詳しいし信憑性も高い。バレたらいけないと思ったのか、店主はピスタチウオごと慌てて引っ込んでしまった。
それにしても小松さんといい、トリコといい、ガララワニのときしか会ってないのに私を覚えていたんだ。とりあえず挨拶はしとこう。
「トリコさん、お久しぶりです。もしかして、そのシャクレノドンを?」
「ああ。こいつを捕獲したんで卸しに来たんだ」
「うわっ、シャクレノドンじゃん! 翼竜獣類・捕獲レベル4! そんでもってカリスマ美食屋・トリコ! なんててんこ盛りなおいしいニュース!」
さっきと違って目の色を変えたティナさんは、トリコに駆け寄った。
「あんたがトリコね。私ティナ!」
「あ?」
〈クーポ、クポー!〉
「これ、伝書風船鳩のクルッポー」
〈クーポ!〉
「可愛い!」
体を膨らませて可愛い声で鳴くクルッポーに、私はトリコを見たティナさん同様に目を輝かせた。
「瑞貴さんって、可愛いものが好きなんですね」
「あっ、はい。お恥ずかしながら……」
隣にいる小松さんにはバッチリ聞こえたみたい。別に隠すことはないけど、ちょっと照れるから頬を掻きながら答える。
「トリコと会えるなんて大盛り、いや特盛りラッキー! 私、グルメTVで世界のあらゆる食材を紹介するグルメキャスターなの! ねっ、トリコ。番組で取材させて!」
「――勝手な取材は困りますね」
いつの間にかヨハネスさんが黒スーツの男性を二人連れて、トリコとティナさんの間に割り込んだ。
「ちょっ、何よ!?」
〈クーポ! クポー!〉
「IGO!?」
「いかにも。IGO開発局・食品開発部長のヨハネスですが」
「撤収だ、ティナ」
「ハアッ!? なんで!?」
「国際グルメ機関IGO……奴らが相手じゃ取材はムリだ」
「えっ、トリコがいいのに! あっ、ちょっと! は、離してってば!」
スタッフに止められたのにもかかわらず取材しようとしたティナさんは、問答無用で黒スーツの男性たちに連行された。残ったのは私とトリコと小松さんとヨハネスさんだけ。
「そ、そこまでしなくても……」
「マスコミに聞かれてはマズい話があってね。トリコさん、会えてよかった。ちょうど頼みたい仕事がありまして」
「ああ? IGOなら専属の美食屋がいっぱいいんだろ。何も俺じゃなくても――」
「虹の実が実りました」
「何?」
「に、虹の実ー!? 気温や湿度によって七色に味を変えるという幻の木の実ですかー!?」
「ちょ、声がデカいぞ! 誰かに聞かれたらどうする!?」
「そりゃ大声にもなりますよ!」
「気持ちはわかりますけど、少し声のトーンを落としましょう?」
虹の実は25メートルのプールに虹の実の果汁をほんの一滴垂らすだけで、プールの水全てが濃厚で芳醇なジュースに変わるというほど、果汁の濃い実だ。一つで5億の値で取り引きされる。
「絶滅したって話じゃ?」
「もちろん、天然のモノではありませんが」
「なるほど。IGOお得意の品種改良ってやつか」
品種改良って……味とか落ちてないよね?
「ただ問題が一つ。虹の実がなる虹の樹に、トロルコングが巣を作り誰も近づけないのです」
「トロルコング!?」
「最強のゴリラ・トロルコング。先日、一両20億するグルメタンク三両を出動させましたが壊滅。全てひっくり返されました。重さ40トンの戦車が簡単にです。ちなみに捕獲レベル9」
「捕獲の難易度が9!? この前の三百歳のガララワニが捕獲レベルが8ですよ!?」
「ガララワニより手強いってことですね。まあ、わかる気もしますけど」
「虹の実、食ってみてぇし。まっ、久々に顔でも出すか。――懐かしき庭によ」
「懐かしき……庭?」
結論としてトリコは行くことを決定したようだが、小松さんはトリコの言葉に疑問を持った。