闘いの才能! 見せろ、テリー! 王者の素質!
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「テリー、お前も食うか?」
〈…………〉
「あっ……」
テリーは軽く顔をしかめてそっぽを向いてその場を去って行く。さけるチーズ草も、テリーには合わないみたいだね。
「やっぱりBBコーンのようなグルメ界の食材じゃないとダメなのかな?」
「みたいだな。だが、目的地は見えたぞ」
「えっ?」
テリーが進んで行く方向には木々で生い茂っている森……というよりジャングルがあった。
「あれがウージャングルか。BBコーン……俺も食ったことねぇが、どんな味なのかな? 瑞貴はグルメ界にいたとき食ったのか?」
「それがまだなの。前にも言ったけど私が生活していたのはほんの一部だからそこにBBコーンはなかったんだ。それに広大なグルメ界を全部回ったわけじゃないし」
「へぇ~」
〈ガルルルル……!〉
「「ん?」」
テリーの警戒する声が聞こえて顔を向けると砂地から大きな蔦に生えてこれまた桃が実っていた。テリーはそれに吠えている。
「なんだそりゃ!? 桃か!? そんな風に実る桃があるのかよ! 食えるか、テリー?」
「っ!」
桃を視界にハッキリ捉えた途端に私の第六感が反応した。トリコもベルトに差しているピースフルフラワーの花びらの一枚が半分散ったため異常に気づく。
「テリー!」
「そっから離れろ!」
〈ウォン!〉
〈キイイイッ!〉
私たちが叫ぶと同時にテリーを中心に砂がめくれ上がり猛獣が出てきた。桃の下にいたテリーが中心にいるので包むように捕獲しようとしたが、テリーは高くジャンプして私たちの元へ降り立つ。
「桃の香りで獲物を誘い込んで補食する、桃ンガか」
「ピースフルフラワーを一枚散らすには、捕獲レベル10以上の力が必要。今散ったのは一枚の半分……ってことは、こいつの力は捕獲レベル5程度だね」
「大した奴じゃない。相手にするな、テリー。先を急ごう」
〈ウォン!〉
捕獲できなかったことに悔しがる桃ンガは、自分の桃をいじると盛大に仰向けに寝転がった。その衝撃で砂が舞い、最初と同じように桃と蔦を残す状態となった。
――夜になり、私たちは近くの岩陰で野宿することになった。集めた薪にトリコがサカバルーンをかけると、私は人差し指を薪に向ける。
「灯火(トウカ)」
私の指先から火が放って焚き火ができた。それと同時にトリコも別の枝を指パッチンで火を付けたのを焚き火に入れる。
「へぇ。お前、薙刀を使わなくてもそんなことができるんだな」
「少しだけね。もともとこの薙刀は武器であると同時に私の力の出し方を教えてくれる道具なんだ。いつか、薙刀ナシに力を扱えるようになるため、修業を積んでるの」
「なるほどな。だから普段は薙刀を使っているのか」
「それがいつになるかわからないけど絶対に使いこなさないと。……じゃなきゃ、薙刀が私の元から離れたとき、嫌でも力を制御できないだろうから」
「制御?」
「あっ、なんでもない」
〈クゥーン〉
あまり能力を知られたくないから訂正すると、テリーが薪をくわえて来てくれた。
「おっ、サンキュー。焚き木を拾って来てくれたのか」
〈ウォン〉
「ありがとう、テリー」
トリコと私がお礼を言うと焚き木を置いたテリーはまたどこかへ行った。そのうしろ姿を見ながらトリコはサカバルーンを飲みながら呟く。
「テリークロス……古代の王者の血を引くバトルウルフだが、テリーはちと優しすぎる面がある。俺たちに気を遣ってるのかもしれねぇな」
「生きていくためにも、この旅ではテリーにもっと自分を出してほしいけど……」
「ああ」
サカバルーンを飲むトリコと夜空に流れる流れ星を見つめる私は、テリーの未来を案じていた。
〈…………〉
「あっ……」
テリーは軽く顔をしかめてそっぽを向いてその場を去って行く。さけるチーズ草も、テリーには合わないみたいだね。
「やっぱりBBコーンのようなグルメ界の食材じゃないとダメなのかな?」
「みたいだな。だが、目的地は見えたぞ」
「えっ?」
テリーが進んで行く方向には木々で生い茂っている森……というよりジャングルがあった。
「あれがウージャングルか。BBコーン……俺も食ったことねぇが、どんな味なのかな? 瑞貴はグルメ界にいたとき食ったのか?」
「それがまだなの。前にも言ったけど私が生活していたのはほんの一部だからそこにBBコーンはなかったんだ。それに広大なグルメ界を全部回ったわけじゃないし」
「へぇ~」
〈ガルルルル……!〉
「「ん?」」
テリーの警戒する声が聞こえて顔を向けると砂地から大きな蔦に生えてこれまた桃が実っていた。テリーはそれに吠えている。
「なんだそりゃ!? 桃か!? そんな風に実る桃があるのかよ! 食えるか、テリー?」
「っ!」
桃を視界にハッキリ捉えた途端に私の第六感が反応した。トリコもベルトに差しているピースフルフラワーの花びらの一枚が半分散ったため異常に気づく。
「テリー!」
「そっから離れろ!」
〈ウォン!〉
〈キイイイッ!〉
私たちが叫ぶと同時にテリーを中心に砂がめくれ上がり猛獣が出てきた。桃の下にいたテリーが中心にいるので包むように捕獲しようとしたが、テリーは高くジャンプして私たちの元へ降り立つ。
「桃の香りで獲物を誘い込んで補食する、桃ンガか」
「ピースフルフラワーを一枚散らすには、捕獲レベル10以上の力が必要。今散ったのは一枚の半分……ってことは、こいつの力は捕獲レベル5程度だね」
「大した奴じゃない。相手にするな、テリー。先を急ごう」
〈ウォン!〉
捕獲できなかったことに悔しがる桃ンガは、自分の桃をいじると盛大に仰向けに寝転がった。その衝撃で砂が舞い、最初と同じように桃と蔦を残す状態となった。
――夜になり、私たちは近くの岩陰で野宿することになった。集めた薪にトリコがサカバルーンをかけると、私は人差し指を薪に向ける。
「灯火(トウカ)」
私の指先から火が放って焚き火ができた。それと同時にトリコも別の枝を指パッチンで火を付けたのを焚き火に入れる。
「へぇ。お前、薙刀を使わなくてもそんなことができるんだな」
「少しだけね。もともとこの薙刀は武器であると同時に私の力の出し方を教えてくれる道具なんだ。いつか、薙刀ナシに力を扱えるようになるため、修業を積んでるの」
「なるほどな。だから普段は薙刀を使っているのか」
「それがいつになるかわからないけど絶対に使いこなさないと。……じゃなきゃ、薙刀が私の元から離れたとき、嫌でも力を制御できないだろうから」
「制御?」
「あっ、なんでもない」
〈クゥーン〉
あまり能力を知られたくないから訂正すると、テリーが薪をくわえて来てくれた。
「おっ、サンキュー。焚き木を拾って来てくれたのか」
〈ウォン〉
「ありがとう、テリー」
トリコと私がお礼を言うと焚き木を置いたテリーはまたどこかへ行った。そのうしろ姿を見ながらトリコはサカバルーンを飲みながら呟く。
「テリークロス……古代の王者の血を引くバトルウルフだが、テリーはちと優しすぎる面がある。俺たちに気を遣ってるのかもしれねぇな」
「生きていくためにも、この旅ではテリーにもっと自分を出してほしいけど……」
「ああ」
サカバルーンを飲むトリコと夜空に流れる流れ星を見つめる私は、テリーの未来を案じていた。