闘いの才能! 見せろ、テリー! 王者の素質!
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ウール大陸のウール草原にヘリを着陸させて私とトリコとテリーは降りた。運転手は一般人だから先に戻り、呼べば迎えに来るみたい。ヘリのエンジンはかかってるから、プロペラから発する風と音が大きいため大声で会話をする。
「ウージャングルは、ここから北西80キロです! 危険なため、ここまでしか近づけません!」
「充分だよ! サンキュー!」
「ありがとうございます!」
「食運をお祈りしてます!」
そう言ってヘリは飛び立つ。しかも上空でプロペラをしまい、ジェット噴射で帰って行く。私たちはそれを見届けた。
「さーて、改めて気を引き締めないとね」
「ああ。行くぞ、テリー。――ん? ハアッ!?」
私たちは上空からテリーに目を移すと、テリーは犬科特有のマーキングを何ヶ所もしていた。
「マーキング早っ!? こんな見晴らしのいい場所で道に迷う心配はねーだろ!?」
「アハハ……――あっ、トリコ。見て見て」
「ん?」
苦笑した私は地面にあるモノを見つけてしゃがみ、トリコの服の裾を軽く引いて促すと、トリコも私の隣にしゃがんでくれた。
「ピースフルフラワーだよ。世界一平和なピースアイランドに咲く花がこんなにたくさん」
「殺気立った猛獣が近づくと、その強さによって散る花びらの数が増える便利な花か。いくつか摘んでいこう」
花にも命があるから、それをいただくという意味で私たちは食事の挨拶のように目を閉じて両手を合わせてから、目の前にあるピースフルフラワーを摘もうとしたら……。
ピトッ。
「「あっ」」
二人共目の前にあるピースフルフラワーを摘もうとしたから、自然と手が当たってしまった。
「っ!」
顔を上げれば思った以上にトリコが近い! 誘拐紛いな行為のせいで一緒にいることが多いから気づかなかったけど、トリコもイケメンの部類に入るんだった! 確実に顔が赤くなったであろう私は慌てて立ち上がって飛び退く。
「ごごごごごめん!」
「いや、いいけどよ。そんなに離れなくてもいいだろ」
飛び退いたと言っても持ち前の跳飛力で大きく離れたから、私とトリコの距離は3メートルほどになっている。そ、それもそうだよね。私が動揺し過ぎなんだ、深呼吸して落ち着かなきゃ。
「ハァ~……フゥ~……」
(不可抗力とはいえ、あんなにわかりやすく動揺してくれるとは……俺も希望がないってわけじゃなさそうだな)
なんとか落ち着いた私はトリコを見ると、彼は何故か嬉しそうに笑って摘んだ三輪のピースフルフラワーをベルトに差した。まだBBコーンはゲットしてないのになんで嬉しそうなんだろ?
ウージャングルを目指して歩いて行くけど日差しが結構強い。私も環境適応能力があるとはいえ暑さは感じるから全く平気と言えないのよね。
「暑いね~……ジャングルはまだ少し先かな?」
「おっ、こいつは!」
トリコが立ち止まって一本の木を見上げたので、私もそれに続いた。
「酒場の赤提灯みたいな実を付ける、サカバルーンの木じゃねぇか! 少し休憩していくか。テリー!」
〈オンッ!〉
トリコの合図でテリーは高くジャンプするとサカバルーンを二つ切り落とし、それを下にいるトリコと私がキャッチした。
「ナイフ!! ――うっひょー!」
トリコがナイフで自分のと私のを半分に切ると、中には日本酒のようなお酒が入っていたので大喜びで座って飲み始める。私も隣に座りテリーが採ってくれた礼儀としてひと口飲むけど……。
「ングッ!?」
「こいつは噂通りのアルコールの高さだぜ。俺にはこれくらいがちょうどいいがな」
「どんだけ酒豪なのよ……。私のもあげる」
「おっ、サンキュ。……って、いいのか?」
「遠慮せず飲んで。むしろ助かる」
もともとお酒は得意じゃないし私にはとてもキツかった。用意していた水をリュックから取り出して口直しのに飲む。
(こいつ、間接キスとか気にしねぇタイプか。俺的には役得だが……この先苦労しそうだな)
「あっ、トリコ。チーズがあるよ」
「おっ、さけるチーズ草だ! つまみにピッタリ!」
「これなら私も大丈夫だね。いただきます!」
私とトリコはそれぞれ一本ずつさけるチーズ草を採って食べる、うん、おいしい!