芳醇なる七色の果汁! 虹の実をとれ!
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ガララワニの事件から数日。私はとある場所へとやって来た。
「そんじゃ、今日も素晴らしい食材をありがとな」
「こちらこそ、引き取ってくれてありがとうございます! あっ、これ差し入れです」
私はトムさんと別れると、せっかくだから探索がてら散歩することにした。
――ここは世界中からありとあらゆるグルメ食材が集まる、世界の台所・通称ワールドキッチン。トムさんがここで卸売り商を営んでいるから、私はよくここへ食材を卸してもらっている。
「さてと、いつものように報酬のお金を生活費以外は食材に変えて……」
「――うわー! スゴい! ツチノコ亀!」
「ん?」
聞き覚えのある声に振り向けば、そこには予想通り小松さんがいた。そばには明らかにIGOの関係者がいる。マズいタイミングで来ちゃったな……食材に変えるのは明日にして、見つからない内に退散しよう。
「あっ、瑞貴さん!」
早くも見つかった!? てか、人がいっぱいな上に離れているのに目敏いな!
小松さんは人混みを掻き分けて私の元へ来た。もう無視するわけにはいかない。
「お久しぶりです瑞貴さん! あのときはガララワニを譲ってくれて本当にありがとうございました! パーティーも成功したし、おかげでクビを免れましたよ~!」
「こんにちは、小松さん。そんな大げさな……」
「小松くん、彼女は?」
この人とは初対面だから私のことは知らない。小松さんは「ああ、すみません」と言って紹介を始める。原作のためにあまりIGOと関わりたくないんだけどな……あといろいろ厄介だし……。
「こちらは瑞貴さん。以前ガララワニの捕獲に同行していた方です。瑞貴さん、こちらはヨハネスさんです。IGO開発局の食品開発部長なんです」
「初めまして。美食屋の瑞貴です」
「ヨハネスです。あなたが瑞貴さんでしたか。小松くんから話は聞いてましたよ」
小松さん、あんたすでに私のことを話してたんかい!
「――なんだと!? もういっぺん言ってみろ!」
「「「ん?」」」
怒鳴り声に振り向けば一部に人が集まっている。私たちも気になって駆け寄ると、その中央にいるのは店の店主とグルメキャスターのティナさんがいた。
「ええ! ええ! 何度でも言ってあげるわ! このピスタチウオ、口が開いている、新鮮じゃない証拠! この食材を放送しても視聴者は1グラムも感動させらんない!」
「お、おいティナ! 今中継してんだぞ!」
スタッフの言葉で我に返ったティナさんは、真剣な表情でカメラに向かい合った。
「失礼いたしました。以上大盛り上がりで活気づく市場で、ティナがお送りいたしました」
笑顔を浮かべてカメラが降ろされると、終了の合図とわかりティナさんは左手を腰に当てて店主と向き合う。
「で、どこまで話したっけか?」
「キ、キャラが急変した……」
「さすがプロというかなんというか……」
小松さんも私もいろんな意味で驚いた。でも、食材に関しての見極めは間違ってない。
「ニュースは情報の密度、重さが命! 鮮度の落ちたピスタチウオの情報は1グラムの重みもない! 視聴者は満腹にならない! グルメTVグルメキャスター・ティナの放送報道的にはアウトです!!」
「こいつはなぁ、口が開いたときが食べ頃なんだ! ったく、だから素人は困るぜ!」
「すみません。確かに食べ頃ですけど……」
「あん!?」
イライラが募っている店主は声をかけた私を睨むけど、そこで怯んではいけない。
「市場ではまだ口が開いていないほうが新鮮ですよ。ねっ」
「は、はい。せっかくの風味が損なわれるので調理前に口が開くのがベストかと……」
「うぬぬぬ……!」
五ツ星ホテルに勤める小松さんならピスタチウオも扱っているからわかる。図星を突かれた店主はついに逆ギレを始めた。
「お前ら! 店のモンにケチつけんのか!」
「店の食材は0.1ミリグラムも悪くない! あんたにケチつけてんだってば!」
「ンだとテメー!」
「何よ!」
「――瑞貴! 小松!」
今度は名前を呼ばれて私たちは顔を向けると、シャクレノドンを運んでいるトリコがいた。そのおかげで周りからはいろんな意味で目立っている。
「そんじゃ、今日も素晴らしい食材をありがとな」
「こちらこそ、引き取ってくれてありがとうございます! あっ、これ差し入れです」
私はトムさんと別れると、せっかくだから探索がてら散歩することにした。
――ここは世界中からありとあらゆるグルメ食材が集まる、世界の台所・通称ワールドキッチン。トムさんがここで卸売り商を営んでいるから、私はよくここへ食材を卸してもらっている。
「さてと、いつものように報酬のお金を生活費以外は食材に変えて……」
「――うわー! スゴい! ツチノコ亀!」
「ん?」
聞き覚えのある声に振り向けば、そこには予想通り小松さんがいた。そばには明らかにIGOの関係者がいる。マズいタイミングで来ちゃったな……食材に変えるのは明日にして、見つからない内に退散しよう。
「あっ、瑞貴さん!」
早くも見つかった!? てか、人がいっぱいな上に離れているのに目敏いな!
小松さんは人混みを掻き分けて私の元へ来た。もう無視するわけにはいかない。
「お久しぶりです瑞貴さん! あのときはガララワニを譲ってくれて本当にありがとうございました! パーティーも成功したし、おかげでクビを免れましたよ~!」
「こんにちは、小松さん。そんな大げさな……」
「小松くん、彼女は?」
この人とは初対面だから私のことは知らない。小松さんは「ああ、すみません」と言って紹介を始める。原作のためにあまりIGOと関わりたくないんだけどな……あといろいろ厄介だし……。
「こちらは瑞貴さん。以前ガララワニの捕獲に同行していた方です。瑞貴さん、こちらはヨハネスさんです。IGO開発局の食品開発部長なんです」
「初めまして。美食屋の瑞貴です」
「ヨハネスです。あなたが瑞貴さんでしたか。小松くんから話は聞いてましたよ」
小松さん、あんたすでに私のことを話してたんかい!
「――なんだと!? もういっぺん言ってみろ!」
「「「ん?」」」
怒鳴り声に振り向けば一部に人が集まっている。私たちも気になって駆け寄ると、その中央にいるのは店の店主とグルメキャスターのティナさんがいた。
「ええ! ええ! 何度でも言ってあげるわ! このピスタチウオ、口が開いている、新鮮じゃない証拠! この食材を放送しても視聴者は1グラムも感動させらんない!」
「お、おいティナ! 今中継してんだぞ!」
スタッフの言葉で我に返ったティナさんは、真剣な表情でカメラに向かい合った。
「失礼いたしました。以上大盛り上がりで活気づく市場で、ティナがお送りいたしました」
笑顔を浮かべてカメラが降ろされると、終了の合図とわかりティナさんは左手を腰に当てて店主と向き合う。
「で、どこまで話したっけか?」
「キ、キャラが急変した……」
「さすがプロというかなんというか……」
小松さんも私もいろんな意味で驚いた。でも、食材に関しての見極めは間違ってない。
「ニュースは情報の密度、重さが命! 鮮度の落ちたピスタチウオの情報は1グラムの重みもない! 視聴者は満腹にならない! グルメTVグルメキャスター・ティナの放送報道的にはアウトです!!」
「こいつはなぁ、口が開いたときが食べ頃なんだ! ったく、だから素人は困るぜ!」
「すみません。確かに食べ頃ですけど……」
「あん!?」
イライラが募っている店主は声をかけた私を睨むけど、そこで怯んではいけない。
「市場ではまだ口が開いていないほうが新鮮ですよ。ねっ」
「は、はい。せっかくの風味が損なわれるので調理前に口が開くのがベストかと……」
「うぬぬぬ……!」
五ツ星ホテルに勤める小松さんならピスタチウオも扱っているからわかる。図星を突かれた店主はついに逆ギレを始めた。
「お前ら! 店のモンにケチつけんのか!」
「店の食材は0.1ミリグラムも悪くない! あんたにケチつけてんだってば!」
「ンだとテメー!」
「何よ!」
「――瑞貴! 小松!」
今度は名前を呼ばれて私たちは顔を向けると、シャクレノドンを運んでいるトリコがいた。そのおかげで周りからはいろんな意味で目立っている。