##NAME1##の最期!? 覚醒せよ、超(スーパー)トリコ!
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……ティナとクルッポーはぶち破られた壁を越えると、光が満ちている場所に着いた。
「ここは……? ト、トリコ!」
〈クルッポー!〉
その中で仰向けに倒れているトリコに急いで駆け寄って座り込むが何も反応がない。焦ったティナはトリコの体を揺さぶる。
「ちょ、ちょっと! 寝てる場合じゃないでしょ!? 起きなさいよ! ねぇ、トリコ! トリコ! まさか……そんな……嘘でしょ!? トリコ――ッ!!」
何度呼びかけても揺すっても反応しないトリコに、ティナは涙が流れるのを堪える。
「ダメだ――っ!! こういうときこそ、落ち着いて考えなきゃ! それが、グルメキャスターの鉄則! どんな現場でも、平常心! 考えろ……考えろ、私!」
ポチャン……。
「!」
水のようなモノが落ちた音がすると、光に引き寄せられるように立ち上がって歩いて行くティナは、そっと並んだ両手を差し出すと滴が手の中に落ちた。
「こ、これは……!」
滴が流れた正体を見たティナは驚いて瞳を揺らし、もしかしたらとトリコの頭の上にそのまま両手を差し出す。
「お願い…トリコ……。目を覚まして……」
ポチャン……。
ティナの両手の間から流れ出た滴がトリコの口に落ちる、すると今まで反応がなかったトリコの口や目が動いた。
(この重厚な味……芳(カンバ)しい香りは……!)
「トリコ!」
(肉汁か……!? 眩しい……! この輝きは……まさか!)
瞳を開いたトリコにティナは嬉しそうに声を上げる。だが、トリコは自分の口に落ちた肉汁がなんなのかと思い、顔を横に向けて上半身を起きあがらせると輝く大きな球体を見つけた。
「宝石の肉(ジュエルミート)!」
「えっ? あ、あれが…宝石の肉(ジュエルミート)……!」
無我夢中だったティナも球体の正体がわからなかったようだ。するとトリコは立ち上がり、先ほどのティナのように宝石の肉(ジュエルミート)に引き寄せられるように歩き出す。
「トリコ!?」
(どういうことだ……? さっきの戦いで汗も血液も出尽くし、乾き切ったはずの俺の体から……ヨダレが止まらねぇぜ!)
口からヨダレを滝のように流すトリコは、宝石の肉(ジュエルミート)に触れた。
(ス、スゲェ……なんて美しい肉だ……! 職人が幾人も手を加えたかのような工芸品を思わせる、霜降り模様……! したたる肉汁は、まるで砂金……! そしてなにより、この香り……高級フレグランス顔負けの気品溢れる芳醇さと、本能を打ち抜くような濃厚で原始的な肉の香りだ……!)