トリコと##NAME1##と小松 新たな旅の出発!!
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カラカラカラ――……。
「ぜひ、そうしてください!」
「一龍会長をここまで運んでくれたお礼も兼ねて!」
「とは言っても、こんな状況ですし……」
「簡単なスープしかないけどね」
ここに運んで来る中で大きな気配を感じたけど、それは美食會のボス・三虎さんのだったんだ。大鍋を台車で運んできた小松さんと私もまた三虎さんを食事に招待し、大鍋のフタを開ける。気に入るのは難しくても『おいしい』って思ってくれたらいいな。
「…………!」
……するとそこから漂ってきた香りに三虎はフローゼに初めて出会いスープを食べさせてもらう光景を思い出した。二人が用意したのはポタージュスープで全く別のモノなのに、何故か懐かしい気持ちを起こさせる。
部屋にある円状のテーブル席に座る次郎さんと節乃さん。そして一龍会長はトリコに支えられながら席に着き、三虎さんに顔を向ける。
「さあ、弟よ……」
「…………」
一龍会長にも誘われて三虎さんは席に着いた。それは気紛れなのか、スープを食したいと思ったのか、少しばかりでも回復が目的なのか――もしくは、ただ再び家族と食事をしたいと思ったのか。その理由は三虎さんにしかわからない。
「「「この世の全ての食材に感謝を込めて、いただきます」」」
「…………」
マンサム所長とトリコとリンちゃんとユンちゃんに小松さんが、私がテーブル席に座る四人にスープを用意した。
一龍会長と次郎さんと節乃さんが目を閉じて挨拶をする中、三虎さんはスープをジッと見据えていた。そして目を開けた一龍会長が優しい眼差しで促すと、三虎さんはスプーンを手にとってスープを掬い、ひと口食べる……。
「っ!」
『さあ、お腹いっぱい食べなさい』
『はぐっ、おいしい……!』
……その途端、三虎の脳裏にフローゼの出会いと、家族で食卓を囲む光景が浮かんだ。料理を分け与えてくれたのはフローゼだけじゃない。
『遠慮しないで、もっと食べなさい』
『あむっ、これもスゴくおいしいよ!』
『ハハッ! この食いっぷり、将来が楽しみだな!』
『はむっ、はぐぐ……!』
『これもスゴくおいしいよ!』
『ほ~ら、もっと食わねぇと、いつまでも俺に勝てねぇぞ!』
『はむっ、モグモグ……!』
アカシアも一龍も節乃も次郎も、自分の食べっぷりと成長を楽しみにして料理を分けてくれた。もちろん自分の分を食べるのもおいしかったが、分け与えてくれた料理はさらにおいしく感じていた。
『おいしい? よかった! まだまだたくさんあるから、お腹いっぱい食べなさい』
『『『『『『ハハハハハッ!』』』』』』
若い頃に六人で囲む食事の時間は、三虎にとって幸せな黄金の時間だった。
……出された料理はフローゼが作ったものではないし、この場にはアカシアとフローゼもいないし、数百年が経った今では自分たちは袂を別った。それなのに、あの黄金の時間と同じくらい温かい気持ちが沸き起こる。……それは三虎だけじゃない。
「うまいのぅ……。傷が癒えていくわい……」
「ハァ……この温かさ……」
「心も癒されていくようじゃ……」
「…………!」
「またお前と、食卓を囲めるとはのぅ……長生きはするもんじゃ」
一龍会長も節乃さんも次郎さんも、ゆっくりとかみしめるようにスープを味わってくれた。でもそれは目を見開いた三虎さんも同じで、何も言わず黙々と食べているけど、みんなに合わせるように味わって食べていく。
――夕日が差しかかる頃、スープが完食した。もう食材はないから料理はできないし、これ以上三虎さんを引き止めることはできないだろう。
「「「ごちそうさまでした」」」
「…………」
最後まで三虎さんは何も言わなかったけど、私と小松さんが作ったスープを完食してくれた。スプーンを置いて立ち上がった三虎さんに、一龍会長が声をかける。
「行くのか、グルメ界へ」
「NEO……奴らは捨ておけん」
「「!」」
私と小松さんは視線に気づいて顔を上げると、三虎さんはどこか優しい眼差しを向けていた。