最強コンビはだれだ? 島丸ごとクッキング!!
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「あ~……」
「あ~……」
……崖の近くで背を合わせて溜息を吐く小松とヨダレを垂らすトリコ。二人のそばには大量の食材が入ったグルメケースがあるのだが、捕獲したそばからまた新しい食材が実ってしまうのだ。
「捕獲してもしても終わらない……」
「うまいモノを捕ってまいっちまうなんて、初めての経験だぜ……」
「瑞貴さんもみなさんも、調理に入られてるんですね……。もうとても間に合わない……」
制限時間もだいぶ過ぎてしまったし、小松はあきらめたように食材を眺めるトリコに顔を向ける。
「トリコさん」
「あ~?」
「これ、食べましょうか」
「いいのかよ?」
「ええ、僕如きが三回戦まで来られただけでもう充分です。満足ですよ! あとは瑞貴さんの応援に専念します!」
「小松……」
「食べましょう、トリコさん! ……ウウッ」
言葉とは裏腹に、小松は顔をゆがませて涙を大量に流していた。あきらかにここで終わるなんて悔しくてたまらないという顔なので、トリコは逆に食べる気を失せてしまう。
「その悔しげな顔見たら、メチャクチャ食べづらいんだけど……」
「お構いなくー! 綺麗な景色を見つつ、おいしい料理を食べましょう! トリコさん! 特にあの海なんて、綺麗じゃあないですかー! キラッキラに輝いていてー! ……僕はフェスで輝けませんでしたけど」
「栄養がとびきりつまってる証拠だ」
「えっ?」
真っ直ぐ海を指差した小松が次いで肩を落とすと、トリコが隣にやってきてそう言った。
「あの海にはな、島の自然が詰まってるんだ。山や森の落ち葉や植物、動物たちが土に還るといい土壌になる。窒素やミネラルなどの栄養になるからな。その土壌を通り、たっぷりの栄養を取り込んだ雨水は川へと流れ、それは海へと繋がる」
「なるほど~。島の栄養が、全部詰まってるんですね。丸ごと」
「ああ。丸ごと詰まってるんだ」
…………。
「ん?」
「お?」
「「丸ごと!?」」
――何かに気づいた小松とトリコは顔を見合わせて叫んだあと、さっそく浜辺に向かった。トリコと同じく小松は足首まで海に入るとしゃがんで両手で水をすくう。
「この海が、この島一島丸ごとの栄養……うまみを持っている!」
「海を調理するなんて不可能――だが、この海の栄養をたらふく取って育った食材がいる!」
「ええ! それは……」
「「牡蠣!」」
「牡蠣を養殖するには、『まず海よりもその海に流れる川や環境からよくしろ』と言います!」
「あの森に山、スゲーのがいるぞー! なんといっても、海の中から牡蠣のミルキーな匂いが漂ってくるしよ!」
「お~!」
「じゃ、ちょっくら捕獲して来るぜ!」
「トリコさんー! とびっきりの牡蠣をお願いしますー!」
「任せとけって!」
ザブンッ!
トリコはさっそく沖へ駆け出すと潜って行った。それを見送る小松の表情は突破口が見えたことによりとても嬉しそうである。